4.これも覚えさせたい子犬のしつけ ー応用編ー
ハウス
「ハウス」は、犬がケージやクレートなどにスムーズに入り、そこで安心して過ごすことができるようになるためのしつけです。
どんなメリット?
- 大きな音が鳴っている、家族以外の人が家の中にいるなど、愛犬の苦手な環境下でも心を落ち着かせることができる。
- ペットホテルや災害時の避難所など、慣れない環境下でのストレスを軽減させることができる。
しつけ方法
- ①まずはケージやキャリーなどを家の中に置き、そこに自由に出入りすることができる環境を作りましょう。
- ②おやつをハウスの中に投げ入れながら、ハウスに入る練習を繰り返します。
- ③次に、おやつを投げ入れるタイミングで「ハウス」と声をかけ、食べて振り返ったタイミングでもう一つ奥へ投げ入れます。その後、一度ハウスの外へ出してから同じことを繰り返し、何度かできるようになったら、投げ入れるおやつの回数を増やしていきます。
- ④ ③ができるようになったら、おやつを食べている間に静かに扉を閉め、食べ終わらないタイミングで扉を開けます。
- ⑤ ④を繰り返しハウスにいられる時間が長くなってきたら、飼い主さんはハウスから少し離れた所(目の届く位置)へ移動します。
- ⑥ 扉を閉めた状態で飼い主さんが離れても、犬が落ち着いていられるようになったら成功です。
ポイント
- 嫌がる愛犬を無理にハウスへ押し込んだり、抱っこしながら入れるのはNG。ハウスは穏やかに過ごすことのできる“安心”で“楽しい”場所であると認識させることが大切です。
- 扉を閉めるトレーニングでは、愛犬が「あけて」と要求する前に扉を開けるのがポイント。 うまくタイミングを見計らって、ハウスに対しての不安な気持ちをなくしてあげましょう。
ふせ
「ふせ」は、犬が肘とおなかを地面に密着している姿勢のことをいいます。 この姿勢を保ち、かつ犬がリラックスした状態でいられることが、本来の正しい「ふせ」です。
どんなメリット?
- 興奮する気持ちを落ち着かせることができる。
- 何かをしようとしてもまずは体を起こさなければいけないため、突発的な危険行為を防ぐことができる。
しつけ方法
- ①犬のおやつを手に握り、おすわりをさせます。
- ②おすわりをした犬の鼻先に手を近づけ、その手を鼻先からそのまま下へとまっすぐ、床につくまで移動させます。
- ③犬が下を向いたら、床に沿って犬の前方へ手を移動させます。
- ④ 犬が食べ物を追うと同時に、肘とおなかを床につけて“ふせ”の姿勢になったタイミングで、誉めながらおやつを与えます。
- ⑤ ④を繰り返しできるようになったら、“ふせ”の姿勢になるタイミングで「ふせ」と声を掛けます。
- ⑥ ⑤を繰り返し「ふせ」の声だけでできるようになったら成功です。
ポイント
- おやつを持った手を動かすときは、ゆっくりと。早く動かしてしまうと、犬が目で追うことができず、スムーズにトレーニングを進めることができません。
- “ふせ”の姿勢をしているときには、飼い主さんもリラックスしながら声をかけましょう。褒めてあげたり優しくなでてあげることによって犬の心も穏やかになり、本当の意味での“上手なふせ”ができるようになります。
5.しつけ以外にもやっておきたい「環境整備」
子犬にとって日々の生活は“はじめて”のことだらけ。どうしたら良いのかわからなかったり、やってはいけないことの判断がつかないシーンがたくさんあります。 そんな子犬をアクシデントから守るためには、飼い主さんがしっかりと生活環境の整備をしてあげることが大切です。
部屋はきれいに
犬はあらゆるものを口に入れてしまうため、誤飲事故を未然に防がなければいけません。飼い主さんの小物や、犬が食べてはいけない食べ物などが床に転がらないよう、部屋は常にきれいにしておきましょう。
コンセントやコードにはカバーを
コンセントやコードを直接かじってしまうと、感電してしまう恐れがあります。必ず専用のカバーを付けておきましょう。
ゲートや柵の設置
玄関からの急な飛び出しを防ぐために、ゲートや柵を適切な場所に設置します。 またキッチンも、火や刃物を扱っていたり、犬が食べてはいけない食材が転がっている可能性があるため、ゲートなどが設置してあると安心です。
6.子犬の「社会化教育」も忘れずに
しつけをスタートさせるまでの間、つまり生後1~3ヶ月の時期も、子犬の成長にとってはとても大切なものになります。この時期は「社会化期」といわれるもので、できるだけ外の環境に触れながら、さまざまな経験をさせてあげることが必要です。
例えば母犬や兄弟犬のいる小犬にとっては、喧嘩をしたり怒られたりすることで覚えることがたくさんありますし、飼い主さんに新しく迎え入れられた子犬にとっても、車や工事などの大きな音、すれ違う飼い主さん以外の人間など、外の環境に慣れることから社会性が身に付いていきます。 これから待っている心身の成長のために、この時期は存分に“体験”からの学びをさせてあげましょう。
7.まとめ
犬のしつけは、犬と人間が幸せに暮らしていくうえで必要なもの。だからこそ、子犬の時期からしっかりと身に付けることが大切です。
どんなしつけも、はじめは上手にできないかもしれませんが、怒ったり焦ったりするのはNG。しつけが身に付いたその先には、穏やかで幸せな生活が待ってるよ!という気持ちで、愛犬と一緒に楽しみながらトレーニングしていきましょう。
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