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2020/03/06

人身傷害保険とはどんな保険?搭乗者傷害保険とどう違うの?

(写真=Sychugina/Shutterstock.com)
(写真=Sychugina/Shutterstock.com)
自分が運転する自動車が他の自動車と事故を起こすと、仮に相手のほうが明らかに悪くても、自分側に少しでも非があると判断されれば、十分な賠償を受けることができません。賠償の交渉が長引いて、なかなか賠償金を受け取れないこともあります。

そんなときに役立つのが、人身傷害保険です。人身傷害保険では、どのような補償が受けられるのでしょうか? また、よく比較される搭乗者傷害保険と何が違うのでしょうか?

人身傷害保険とは?どんな保障が受けられるの?必要?

人身傷害保険とは、自動車事故が起きた際に、加入者と同乗者(家族以外も可)の治療費などの損害を、過失割合に関わらず最大で保障額の上限まで補償する保険です。

過失割合とは、事故における責任の割合のことです。仮に相手のほうが悪かったとしても、自分に30%分の責任があると判断されれば、相手から損害額を100%補償してもらうことはできません。相手から補償されるのは損害額の70%で、30%分は自己負担しなくてはならないのです。この場合、たとえば1,000万円分の損害があっても300万円分は自分で負担しなければなりません。

人身傷害保険では、自分の過失割合が30%あったとしても、100%分の補償を受けることができます。

人身傷害保険が補償する具体的な範囲

人身傷害保険で補償する範囲は幅広く、主に以下のようなものがあります。

<ケガをして入院や通院をした場合>
  • 治療費
  • 精神的損害
  • 休業損害※働けなくなった期間の収入額
<ケガをして後遺症を負った場合>
  • 精神的損害
  • 将来の介護料
  • 逸失利益※将来働いて得られるはずだった収入額
<死亡した場合>
  • 葬儀代
  • 精神的損害
  • 逸失利益
このように治療費だけでなく、精神的損害や休業損害・逸失利益も含まれるため、場合によっては補償額が多額になることもあります。

人身傷害保険はどういう時に必要?

人身傷害保険が必要になるのは、自分にも過失がある場合や示談交渉が長引く場合です。

自動車事故が起こった場合、仮に相手のほうが悪くても、自分の過失分は賠償されません。自分の過失分や同乗者の損害分も含めて損害を補償してもらえるのは、人身傷害保険の大きなメリットと言えるでしょう。

示談交渉が長引いて、相手からなかなか補償してもらえない可能性もあります。治療費や休業損害などが発生しても交渉に時間がかかれば、その間は自分でその損害を補てんしなければならないのです。

人身傷害保険に加入していれば、示談交渉の状況に関わらず補償を受けられます。示談交渉に時間がかかっている場合は特に、人身傷害保険が役立ちます。

よく比べられる搭乗者傷害保険との違いは?

搭乗者傷害保険もまた、自動車事故で自分や同乗者がケガをした場合の治療費などを補償する保険です。人身傷害保険と搭乗者傷害保険は、補償の範囲が重複するため比較されることが多いです。加入を検討する際は、これらの違いを正しく理解しておく必要があります。

主な違いは補償金額と支払いのスピード

搭乗者傷害保険と人身傷害保険の主な違いは、補償される金額と支払いのスピードです。

搭乗者傷害保険は死亡・後遺症・ケガなどを補償するものですが、休業損害・逸失利益・葬儀代などは補償の対象外です。また補償される金額は、たとえば「5日以上入院したら1人あたり10万円」などと決まっています。人身傷害保険のように、実際の損害額を補償するわけではありません。

人身傷害保険は、損害額が確定してから補償されるため、保険金を受け取るまで多少時間がかかります。一方搭乗者傷害保険は、入院日数などあらかじめ決められた条件を満たせば保険金が支払われるので、人身傷害保険より早く受け取ることができます。

結局、どちらに加入すべき?

人身傷害保険と搭乗者傷害保険を比べると、人身傷害保険のほうが補償範囲は広い上に、限度額までの損害を全額補償してくれます。そのため、まず人身傷害保険に加入し、追加の補償が欲しい場合に搭乗者傷害保険に加入するのがいいでしょう。

人身傷害保険の保険金額はいくらがおすすめ?

人身傷害保険の保険金額(支払われる保険金の条件額)は、いくらに設定すべきでしょうか? 無制限など保険金額を高くすればするほど安心ですが、その分保険料は高くなります。

自動車事故で損害を受けた場合、医療保険や生命保険でも治療費などが保障されます。また、相手に非がある事故なら、相手方が必ず加入している自賠責保険から、以下金額が補償されます。

<ケガをして入院や通院をした場合>
治療費・休業補償・慰謝料などとして最大120万円

<ケガをして後遺症を負った場合>
逸失利益や慰謝料などとして最大4,000万円

<死亡した場合>
葬儀代・逸失利益・慰謝料などとして最大3,000万円

人身傷害保険の保険金額は、これらの補償を受けられることを想定して、無理なく支払える保険料の範囲で設定するといいでしょう。

人身傷害保険の保険料を節約するために

人身傷害保険では、自分の自動車に乗っている時だけでなく、被保険者とその家族なら他の自動車に乗っている時や自転車搭乗中、歩行中の事故も補償されます。

ただし、これらのケースを補償する契約の場合は保険料が高くなります。保険料を節約したい場合は、指定の自動車に搭乗している場合のみの補償に設定しましょう。

契約以外の自動車の事故も補償する契約にする場合、家族が所有する別の自動車に同様の補償をつけると、補償が重複して保険料が無駄になります。このような場合は、その契約は1台のみにしましょう。

保険金額を高く設定すると、当然その分保険料は高くなります。前述のとおり、他の保険や相手方の賠償も考慮して、無理のない保険金額に設定するといいでしょう。

人身傷害保険は自動車事故の際に役立つ

過失割合や示談交渉の状況に関わらず、自動車事故の損害を補償する人身傷害保険は、万一の際に役立つでしょう。自分だけでなく、同乗者の損害も補償してくれるのも大きなポイントです。自分に過失があった場合でも、同乗者の損害を自分の保険でカバーできるのは助かります。

文・コイズミケンタロウ

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