店舗を訪れたり担当の人に会ったりしなくても、インターネットを使って保険料の見積もりや申し込み手続きができるインターネット専用保険は、ネット保険と呼ばれています。パソコンやスマートフォンからいつでも自由に保険を選べるというだけではなく、対面販売の保険に比べて保険料が安いのが特徴です。「ライフスタイルの変化があるかもしれないから保険料はなるべく抑えておきたい」という方に、ネット保険を選ぶときのポイントと、ぴったりな保険を紹介します。

ネット保険は安いけど…リスクが心配

ネット保険は保険料が安いことが大きなメリットであり、地域ごとに置く事務所や保険を販売する人への手数料は必要ありません。また、申し込みの際の事務処理は少人数で行うことができるなど、一般の保険に比べて運営コストを削減しやすいことが安い理由です。

(公財)生命保険文化センターの平成30年度の調査によれば、実際の加入経路は「生命保険会社の営業職員53.7%」に対して、「インターネットを通して3.3%」と少数ですが増加傾向です。消費者に誤解を与えてしまうという状況が起こりにくいように、シンプルな保障内容の保険が多くなっています。自分で調べるほか、わからない点はチャットや電話で相談ができる窓口などがありますので問い合わせてみましょう。

給付金や保険金を受け取るという場合も、インターネットや電話を通して手続きを進めることができます。

女性にネット保険をおすすめする4つの理由

女性にネット保険をおすすめする理由は、以下のとおりです。

1.ライフスタイルの変化に対応しやすい

女性は、男性に比べてライフスタイルの変化が大きい傾向があります。結婚、育児をきっかけにフルタイムからパートへと働き方を変える方、逆に子どもに手がかからなくなったらフルタイムに変える方もいらっしゃるでしょう。

ネット保険は、単独の保険を選んで保障を組み合わせますから、自分に合った保険に変更したいときは、解約や追加で加入するといった手続きが容易です。

2.保障内容がシンプルで比較しやすい

ネット保険では、自分の状況や要望に合わせた保障内容を自分で決めることになります。担当者が設計したり、提案したりしてくれるわけではありません。

そのため、契約者が理解しやすいように保障内容がシンプルになっています。複数の保険会社の商品を比べる際も、比較しやすいと言えるでしょう。保険金額や保障期間、特約などを比較して、自分のニーズを満たす保険を選ぶことができます。

3.自分のペースで検討できる

担当者に自宅を訪問してもらったり、店舗スタッフに時間をとってもらったりする必要がないので、保険のことをいろいろ知りたい場合に、じっくり考えて自分のペースで検討できます。

会って話すのが苦手な方でもコンタクトセンターなどが充実していますし、チャットやメールを使って気軽に問い合わせができる仕組みになっています。

4.自分でシミュレーションができる

保険に加入したいと考えているときに、保険料の見積もりを依頼して届くまで待ったり、担当者と会う時間をとったりしなくても、インターネット環境があればいつでも何度でもシミュレ-ションを行って保険料を知ることができます。

希望を満たす保険があれば、手続きをするための時間を取らなくても、そのまま申し込みができるようになっています。

ネット保険のデメリットは?

ネット保険のデメリットについても確認しておきましょう。

1.自分で判断する必要がある

ネット保険では、保険について知りたいことがウェブサイト上でわかりやすく案内されています。しかし、基本的なことまで詳しく説明されていない事柄については、自分で調べて理解する必要があります。

「知らなかった」ということにならないように、ある程度の予備知識があったほうがいいでしょう。不明な点は、コンタクトセンターなどの相談窓口を活用して問い合わせましょう。

2.手続きはすべて自分で行う

保険の手続きは契約するときだけでなく、たとえば転職した、引越しをした、家族が増えたというときにも「保険料支払い方法の変更」や「住所変更」、「受取人・指定代理人の変更」などの手続きが必要です。

契約担当者と話す機会がほとんどありませんので、「どのようなときにどの手続きが必要か」「どのようなときに保険金を受け取ることができるか」などを、自分で確認する必要があります。

3.取り扱いの範囲が限定されている

ネット保険は、保険会社によっては「解約返戻金のある商品に加入できない」「商品名は同じでも契約者と被保険者が異なる契約形態は選べない」など、取扱商品や契約形態などが限定されていることがあります

特約や保障内容についても同様に、商品名は同じでも「特約を付加できない」「保険金支払限度額が小さい」といった場合があります。したがって、加入したい保険の内容によっては、対面で申し込みをしなければならないこともあります。

4.告知項目は正確に告知する

一般的にネット保険の審査は、対面で加入する保険に比べて厳しいと言われています。特に健康状態の告知は、迷う項目があるときは「大丈夫だろう」と安易に判断せず、しっかり内容を確認しましょう。

保険に加入することができても、告知内容が事実と異なっていると保険金などを受け取れない可能性があります。

女性・レディとついた保険のほうがいい?

保険を選ぶときに、「通常の保険より名称に女性・レディとついた女性向けの保険のほうが安心なのでは?」と考える場合もありますね。女性向けの保険は、女性特有の病気や女性がかかりやすい病気に対して、通常の医療保険・がん保険に特約が付いて手厚い保障が受けられる内容になっています。入院した日数に上乗せされた金額が受け取れたり、特定の治療を受けたりしたときに給付金を受け取ることができます。

結婚を考えている方の場合は、妊娠・出産に伴う症状により、入院や手術を受けるといったことがあるかもしれません。また、その際に、個室を利用したいという場合もあるでしょう。しかし、本人の意思で個室を利用する際の差額ベッド代は公的医療保険や高額療養費の対象外です。

差額ベッド代などを貯蓄でまかなえる方は、必要な保障がカバーできていれば通常の保険でよいと思いますが、そうした場合に備えたいのであれば、女性向けの保険を選んでおくと安心かもしれません。

女性保険でカバーできる女性特有の病気にはどんなものがある?

女性特有の病気は数多くありますが、代表的なものに乳房や子宮、卵巣にかかわる病気があります。

女性保険でカバーできる女性特有の病気を種類別に見てみましょう。保険会社や保険商品によって異なりますが、がん、良性新生物、関節リウマチ、甲状腺の疾患、乳房および女性生殖器の疾患と障害、妊娠分娩およびその合併症などが挙げられます。

代表的なものを表にまとめました。
 

疾病の種類 病名の例
がん すべてのがん
良性新生物 乳房、子宮、卵巣の良性新生物、子宮平滑筋種など
甲状腺の疾患 甲状腺炎、クッシング症候群など
乳房および
女性生殖器の疾患、障害
乳房の障害、卵巣機能障害、子宮内膜症、子宮筋腫など
妊娠、出産及び
その合併症
胞状奇胎、切迫流産、帝王切開など
その他 間接リウマチ、鉄欠乏性貧血など

女性には、妊娠や出産で入院する機会があります。妊娠や出産は病気ではありませんが、切迫早産や異常分娩、子宮外妊娠などの合併症がある場合、産休に入る前に会社を休まなければならないケースや、命が危険にさらされる可能性もあります。

女性保険のメリットは?

女性保険を選ぶメリットは、どのような点でしょうか?

女性保険は、女性特有の病気やがんなどで入院した場合、入院給付金が上乗せされて支払われるという特徴があります。

たとえば、通常の入院給付金日額が5,000円の場合、「女性特有の病気やがんなどで入院すると、日額5,000円が上乗せされて合計1万円の入院給付金を受け取れる」という内容になっているものがありあす。女性特有の病気の時だけ保障が手厚くなるので、すべての病気やケガに対して手厚い入院給付金を準備する場合よりも、保険料が割安になるのがメリットです。

がんについては、すべての部位のがんが保障の対象になります。2019年に女性特有のがんに罹患した方の数は、以下のとおりです。

乳がん:9万2,200人
子宮がん:2万6,800人
卵巣がん:1万900人

女性特有のがんは女性全体でがんに罹患する方の29%を占めていて、これらのがんは30代以降に徐々に罹患する方が増えます。また、子宮内膜症や子宮筋腫は再発を繰り返すことがあり、長く付き合っていくことになるケースもあります。

女性特有の病気に対して保障を手厚くしておくことで、先が見えない状況で治療を続ける際の不安が軽減されるのではないでしょうか。

安い保険を探している女性にぴったりの生命保険3選

安い保険料で備えておきたい女性にぴったりの生命保険をご紹介します。

1)メットライフ生命:スーパー割引定期保険

特徴:健康な方は保険料が割引きになります。保険金額は500万円から5,000万円まで選べます。契約時に非喫煙優良体で加入した場合でも、その後の健康状態にかかわらず最長80歳まで同じ保険料率で保険料が計算されます。

保障内容:40歳女性 保険金額1,000万円 保険期間10年 リビングニーズ特約
保険料:月額1,360円(非喫煙優良体)

2)SBI生命:クリック定期!Neo

特徴:保障額は300万円からと少額から契約できて、ネット保険業界では初めての「保険金支払即日サービス」を導入しています。一定額まで告知だけで申し込み可能です。健康、医療、相続などに関する相談に専門家が答えてくれる安心健康サービスが無料で利用できます。

保障内容:40歳女性 保険金額1,000万円
保険期間10年 リビングニーズ特約 安心健康サービス
保険料:月額1,390円

3)アクサダイレクト生命:収入保障2

特徴:指定年齢までの保障が年々減っていくので、必要な分だけ合理的に備えられます。保険期間中の保険料加入時からあがりません。遺された家族に支払われる年金月額と保険期間を選ぶことができて、保険金を一括で受け取ることも可能です。年金支払保証期間が設けられているので、死亡・高度障害状態に該当した時点で保険期間満了までの期間の方が短い場合でも一定期間年金を受け取ることができます。セカンドオピニオン、健康相談を無料で受けられます。

保障内容:40歳女性 毎月の受取額10万円 保険期間60歳満了 年金支払保証期間2年 リビングニーズ保険金特約 日本の名医のセカンドオピニオン 医師、看護師などへの健康相談
保険料:月額1,950円

ネット保険を見直す時期とポイント

マイホームを購入する、転職する、子供が独立する、など新たな生活環境へ変わるたびに、リスクへの備えも変わります。その都度、保険も見直しましょう。ネット保険の場合は担当者に会う機会がほとんどないので、自分で保障を把握しておく必要があるでしょう。迷ったときにはファイナンシャルプランナーに相談するとよいのではないかと思います。
 
文・藤原洋子
所属・フィナンシャルプランナー
生命保険会社で営業職を経験し、AFP資格を取得。現在は、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、執筆、相談、セミナーを通して活動しています。

【こちらの記事もおすすめ】
【FPが選ぶ】無料の保険相談窓口おすすめ5選
間違いだらけ!?アラフォー独身「おひとり様」の保険選び
知っておきたい保険見直しの「タイミング」
お金を増やす保険がある?2つのメリットと注意点
女性保険は必要?女性特有のリスクに備えた保険の選び方