貯める&備える
2019/12/01

貯蓄と投資の最適な割合は?バランスよりも優先順位を大切にしよう

(写真=PIXTA)
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投資を始めようとしたときに、自分が持っている貯蓄のどれぐらいを投資に回せばいいのか、また貯蓄と投資のバランスはどのぐらいがいいのか悩む人は多いと思います。しかし、適正なバランスはその人の資産の総額や今後の予定によってさまざまです。また、貯金ができないからといって投資の割合を増やしてしまうのは一番やってはいけないことです。今回は貯蓄と投資に優先順位をつける考え方をご紹介します。

まずは生活費の半年分が貯まるまで貯金しよう

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現金・貯金が少ない状態は借金と背中合わせ

会社員として働き、毎月給与を受けっていると意識することは少ないかもしれませんが、貯金がない人は実はとても危ない状態です。人生では何が起こるかわかりません。例えば、突然の怪我や病気で働けなくなるかもしれませんし、新しく赴任した上司とどうしても反りが合わなくて転職を考えることもあるかもしれません。

このようにして収入が無くなった期間を、貯金でなんとか凌ぐことができるのか、あるいは借金をしなければ生活できないのかという違いはとても大きいものです。

貯金が少ないうちは投資のことは考えなくてOK

こういった突然の事態が起こっても借金をせず、スムーズに新しい生活をはじめるための備えを「緊急資金」といいますが、この額は生活費の3ヵ月~6ヵ月分が適正と言われています。このお金は、元本割れする心配がなく、すぐに使えなければならないので、現金や普通預金で準備しましょう。

逆に言えば、この緊急時資金が貯まっていないうちは投資に手を出してはいけません。投資はどんな物であれ、一定期間自由に換金できなかったり、タイミングによってはお金が減ったりすることがあるからです。

また、貯金が増えないから投資して増やそうと考えるのは一番やってはいけないことです。そもそも生活費の半年分の貯金も貯められないのは、収入の分だけ使ってしまっているからです。そういう状態だと、投資で失敗したときはダメージが大きいですし、投資で利益が出てもきっとその分だけ使ってしまうことになるでしょう。

必ず必要になる資金を確保

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失敗できないお金をリストアップ

緊急時資金が貯まったら、次に考えるのは「失敗できないお金」です。今すぐ必要ないけど、減ると困る資金、例えば結婚資金や、海外旅行の資金などが考えられます。ただし、この基準は人それぞれです。海外旅行の資金などは、投資で失敗したらホテルのグレードを落とそうなど、始めから割り切ることができるならこのリストに入れなくても構いません。

目的にあった貯蓄と投資を選ぶ

これらの「失敗できないお金」の準備先としては、必要となる時期が決まっているなら定期預金が最も一般的です。住宅の頭金などの目的であれば財形貯蓄などを利用するのもいいでしょう。

また、少しでも投資を経験してみたいという人であれば、失敗できないお金の預け先として「個人向け国債」も選択肢に入れてみてください。個人向け国債は元本が保証されていますし、2年目以降であれば原則としていつでも中途換金ができます。固定3年、5年、変動10年の3種類がありますが、現在の低金利では変動10年がおすすめです。

当面必要のないお金を投資に

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貯金は多ければ多いほどいいわけではない

現金や普通預金など、いつでも現金化できて元本割れしない資産を「流動性がある資産」と言いますが、流動性がある資産は普通、増えにくいものです。つまり、この種類の資産は多ければ多いほどいいというわけでもなく、必要な額が準備できたら、当面必要のないお金は投資に回した方が資産運用の効果が期待できます。

積み立て投資でコツコツ始めよう

緊急時資金と失敗できないお金が確保できた段階で、投資を始めていきましょう。大金を寝かせたまま持っている人は別ですが、ほとんどの人は月々の給与から数千円~数万円を投資に回す、いわゆる積み立て投資になると思います。

もちろん、全部を株や投資信託などに回す必要はありません。投資というのは資産が減ってしまう可能性がどうしてもあるので、心配な人は、月々の積み立てのうち半分を貯金して、ある程度の額になったら安全な個人向け国債を追加で買うといった方法もおすすめです。

貯蓄ができてから投資という順番を守ろう

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「100 − 年齢」が投資に回せる割合と言われることもありますが、貯金が100万円の人と500万円の人では、投資に回せる適切な割合はかなり違ってきます。もしもの時に借金生活にならないために緊急資金を貯めることと、絶対に失敗できないお金を確保すること、それらが準備できてから投資の割合を増やしていくという順番を守って効率的に資産を運用してみてください。


文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所

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