独身女性の場合、働きながら賃貸住宅に住み続けている人も多いと思います。しかし、40代にもなると、このまま賃貸住宅に住み続けるか、老後のために住宅を購入するか思案する時期に突入します。今回は、40代独身女性の老後の住まい対策について、「借りる」か「買う」か、「戸建て」か「マンション」かなどを検討していきます。

老後の住まいを「購入」するのは正解?

(写真=PIXTA)

40代の女性が、戸建てやマンションを買うことは、メリット、デメリットのどちらが大きいのでしょうか。

まずメリットは、現役で働いている間にローンを完済できれば、老後の生活が金銭的に楽だという点です。賃貸に住む場合、定年退職後も毎月家賃を払い続けなければならないため、それがなくなるのは大きな安心感につながります。ただし、戸建てはほとんど維持費がかかりませんが、マンションは毎月の管理費や修繕積立金が必要です。それでもローンの支払額と比べれば、少額であることは間違いありません。

一方、デメリットとしては、住宅を購入すると、資産ということになり、固定資産税がかかることです。また、修理をする際にも、賃貸住宅は基本的に大家さんが修理費を出してくれますが、持ち家・マンションの場合は、全て自分の金銭的負担で修理しなければなりません。

以上のメリット、デメリットを理解した上で、戸建てやマンションを買う必要があります。

おひとりさま老後の住まいは戸建て?マンション?

(写真=PIXTA)

「老後に家賃を払い続ける自信もないし、やっぱり持ち家が欲しい」そう思う人も多いのではないでしょうか。しかし、持ち家といっても、戸建てかマンションか正直迷うところです。それぞれのメリット、デメリットを考えてみます。

戸建てを買うメリット・デメリット

戸建てのメリットは、ローン完済後にかかる維持費が、マンションに比べて少ないことです。また、マンションでは、隣近所の騒音に悩まされることがありますが、戸建てではそれほど多くないはずです。

しかし、戸建てはマンションに比べてセキュリティがしっかりしていません。女性が1人で暮らすことを考えると、どうしても不安です。この点がデメリットです。

マンションを買うメリット・デメリット

一方、マンションのメリットは、機能性です。戸建ては、マンションよりも比較的スペースが広いため、つい荷物が増えがちですが、マンションでは、そのようなことは少ないはずです。また、マンションはオートロックなどのセキュリティがしっかりしているため、1人暮らしの女性にとっては、安心です。

しかし、マンションの場合、ローン完済後も、毎月の管理費や修繕積立金などの支払いをしなければなりません。また、隣近所の騒音なども気になるところです。

老後を見据えた物件選び、外せないポイントは?

(写真=Jose L. Stephens/Shutterstock.com)

老後のための物件選びには、どうしても外せないポイントが2つあります。

広さや間取りは身の丈にあったものを

まず、安全で快適に暮らせる作り・間取り、広さです。購入する家が、「終の棲家」になる可能性があるため、自分が60代、70代になった時に、不自由なく生活できなくてはなりません。

マンションであれば、エントランスや玄関がバリアフリー化されているか、部屋から部屋への移動がスムーズにいく間取りになっているか、広さも自分の荷物に見合うものかなど、チェックする箇所はいくつもあります。

荷物が多い人は、3部屋程度の物件を選びがちですが、定年退職した後の生活を考えて、果たして部屋数は適当かを考えるべきです。せっかく3部屋のマンションに住んでも、1部屋を物置代わりに使うことは無駄です。老後の生活を考えて、引っ越す前に「断捨離」をしても良いと思います。

交通の便が良い立地を選んで

2つ目のポイントは、物件の立地、周辺環境です。具体的には、駅やバス停に近い、買い物に便利な場所です。

定年退職した後は、通勤する必要はありませんから、駅やバス停から多少遠くても、静かな郊外が落ち着くのではないかと考えがちです。しかし、交通の便が悪いと、ついつい出かけることが億劫になり、充実した生活が送れない可能性があります。

また、今まで車を使っていた人も、いつまで運転ができるかわかりません。車を使えなくなった時のことを考えて、交通の便が良く、スーパーマーケットなどが近い物件を選ぶべきです。

さらに、現役時代に通っていた歯医者、かかりつけの病院に行きやすい場所ということも重要なポイントです。

40代ならローンは組みやすい

(写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

「40代になれば住宅ローンが組みにくい」という噂を聞きます。これは、35年ローン等、通常の住宅ローンを想定してのことだと思います。

例えば、40歳で35年ローンを組もうと思っても、単純計算で完済する年齢が75歳となり、審査が下りにくいことは目に見えています。しかし40代といえば、ある程度貯金があるはずですから、まとまった頭金を準備できます。これは、20代の人には難しいことです。

ご存知のように、契約者が死亡してローンの返済が滞ることを担保するために、通常生命保険に加入しなければなりません。50代になれば、40代の人以上に頭金を準備できそうですが、健康状態によっては、生命保険に加入できない可能性も高くなります。

このように考えていくと、40代での住宅購入はローンの組みやすさという点でもメリットがあるといえます。

老後の住まい対策は早めの計画を

老後を見据えた住宅購入は、デメリットよりもメリットが多いことがわかります。独身なら、機能性の高いマンション購入を考える人も多いでしょう。40代ならローンも組みやすいので、将来のための計画は今のうちから立てておくことをおすすめします。

文・井上通夫(行政書士・行政書士井上法務事務所代表)

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