投資経験のない人でも、少額から始められ、ポイントをしっかり押さえておけば「守りながら増やす」ことができるのが「投資信託」です。

この記事では投資信託とはどのようなものか、また投資信託で初心者が失敗しやすいポイントはどこか、そして資産運用をスタートさせる時に初心者が気をつけておくべきことは何かについて解説します。

投資信託とは?

(写真=PIXTA)

「投資」と一口に言っても、債券、不動産、株、FX、仮想通貨など、投資対象となる金融商品にはさまざまな種類があります。本来ならばさまざまな金融商品を自分に合うように組み合わせて「分散投資」することが理想ですが、全ての金融商品の特徴を把握することは投資初心者には至難の業です。

そこで、おすすめなのが「投資信託」です。投資信託とは、投資家から集めたお金を、資産運用のプロであるファンドマネージャーが、株式や債券など複数の商品に投資・運用し、その運用の成果として生まれた利益を、投資家に還元する仕組みの金融商品です。

投資信託の特徴として、ファンドマネージャーが複数の投資対象をパッケージとして、ひとつの商品として売っており、すでに「分散」できていることが挙げられます。

投資信託は少額(証券会社によっては100円!)から購入できるのも初心者にはうれしいポイント。さらに、「積立設定」をすることにより、そのあとはほったらかしておいても自動で「積立投資」をすることができます。

一度、積立設定したものを途中で売ったり、積立購入を途中でやめてしまったりせず、「長期」で続けていくことで、「長期」「積立」「分散」を実践することができます。短期的に「増えた・減った」ではなく、良いときも悪いときも一喜一憂せず、淡々と資産運用を続けることによって、長い目で資産を育てていくことにつながります。

なぜ投資信託は初心者に向いているの?

(写真=jakkapan/Shutterstock.com)

投資信託はなぜ初心者に向いているといわれるのでしょう。それは、資産形成に大切な3つのキーワード「長期」「積立」「分散」を簡単に実現できるからです。

長期投資のすすめ

投資を考えるうえで「いつ買ったらよいか」を気にする方もいらっしゃるかと思います。しかし、世界経済を長い目で見ると、これまで短期的な上下を繰り返しながらも中長期的には成長し続けています。そのため、投資を始めるタイミングについては「なるべく早くスタートし、長期で続ける」ことを意識すると、より恩恵を受ける確率が高くなるでしょう。

「100年に一度の危機」といわれたリーマンショックでさえ、当時は資産が大きく目減りしましたが、時間をかけてマイナスを取り戻し、現在はさらに成長しています。

できるだけ「安く買って高く売りたい」のが人情かもしれませんが、いつまた暴落が起きるかはわかりません。短期的な値動きに気を取られず、気長に資産を形成する意識を持つことがとても大切です。

積立投資のすすめ

投資で儲けを出すには、「値下がりしている商品を多めに買い」「値上がりしている商品を買い控える」ようにすれば良い、と誰もが分かりきっていることだと思います。

しかし、いざ金融商品を買うとなると、「損をしたくない」という感情が邪魔をして初心者は「安く買って高く売る」ことがうまくできません。値上がりしている商品を「もっと上がりそう!」と期待して割高なのに買ってしまったり、値下がりしている商品は「これ以上、値下がりしたら嫌だ」と不安になって売ってしまったりします。

そこで、投資初心者の方はタイミングを見計らって購入するのではなく、購入するタイミングを「月に一度」などあらかじめ決めておき、「同じ金額」をコツコツと自動的に買っていく「積立投資」がおすすめです。

「損をしたくない」という感情に左右されず、機械的に淡々と資金を積み立てられるこの仕組みは資産形成において、とても有効な方法といえます。

分散投資のすすめ

投資の格言に「卵は一つのカゴに盛るな」というものがあります。これは、卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合に全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落として卵が割れてだめになったとしても、ほかのカゴの卵は影響を受けずに済む、という意味です。

投資を行う際には、一つの商品だけに投資をするのではなく、複数の商品に投資を行った方が、リスクを分散することができます。