では逆に、基準価額が上がったらどうでしょう。
もちろん、嬉しい気持ちにはなるとは思いますが、「この値上がりはいつまで続くかわからない」「今のうちに売却して、利益を確定させよう」と考える人もいるのではないでしょうか。
そのようなことを繰り返していては、長期投資家にはなれません。
一時的な利益は得られても、資産を大きく育てることはできないのです。
しかし積み立て投資であれば、基準価額の上下に一喜一憂する必要がなくなります。
まず、積み立ての場合、一回あたりの投資額はさほど多くなく、投資の機会は毎月訪れます。
たとえ、買付日の翌日に商品の基準価額が下がったとしても、額が大きくないだけにショックも少ないでしょうし、翌月はもしかしたら、買付日の翌日に基準価額が上がるかもしれません。
そもそも、積み立て投資を行う人にとって、値動きをチェックすることは、ほとんどムダではないでしょうか。
一度にまとまった額の投資をした場合、どうしても「そのときより基準価額が上がったか下がったか」が気になってしまいますが、毎月定期的に投資をしていれば、「先月の買付日の基準価額はどうだったか」「その前の月の買付日の基準価額はどうだったか」などと、いちいち気にすること自体、不毛だからです。
何より、「毎月、決まった日に、あらかじめ決まった額で買えるだけの商品を買う」というやり方だと、商品の基準価額が上がっても下がっても、嬉しい気持ちになることができます。
基準価額が下がっていれば、同じ金額で、より多くの商品を買うことができますし、基準価額が上がっていれば、自分が持っている商品の資産価値が上がったということになるからです。
このように、積み立て投資には、数多くのメリットがあります。
まとまったお金がなくても、誰にでもすぐに始められ、「一番高いときに買ってしまう」「一番安いときに買いそびれてしまう」といった失敗もありません。
相場の上がり下がりによって動揺することもなく、ゆったりと長期投資を続けることができます。
そして、つみたてNISAなら、積み立て投資で得た利益が非課税になるわけです。
だからこそ、みなさんが資産をつくるうえで、つみたてNISAを利用しない手はないのです。
*POINT
投資信託の積み立て投資なら、誰でも気軽に投資ができる。
しかもつみたて N I S A を使えば、利益が非課税になる。
中野 晴啓(なかの・はるひろ)
1987年クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて資産運用業務に従事後、投資顧問事業を立ち上げグループ資金運用のほか、海外契約資産などの運用アドバイスを手がける。2006年セゾン投信株式会社を設立。現在では2本の長期投資型ファンドを運用、販売し、預かり資産は2000億円を超える。2014年には、日本の投資日本郵便と資本・業務提携。書籍執筆のほか、全国各地で講演やセミナーも行っている。
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