夫婦の中には、夫か妻かを問わず「へそくり」をしていることがあります。そしてどうやら、このへそくりは「不仲な夫婦ほど多い」と言えるのが実情のようです。

なぜ、不仲な夫婦ほどへそくりが多いのか。そして、なぜ男性に比べて女性の方がへそくりをするのか……?今回は、60、70代のシニア夫婦へのアンケート結果をもとに「へそくり」について考えていきます。

シニア夫婦の半数以上「へそくりしている」

(写真=PIXTA)

シニア女性誌を発行する「ハルメク」が2018年1月に、60歳~79歳の婚姻関係のあるシニアの男女437人に「夫婦関係とへそくり」に関するアンケート調査をおこないました。まずは、そのアンケート結果をお伝えします。

同調査によると、「へそくりあり」と答えた人が全体の53.5%を占め、なんとシニアの半数以上が「へそくりをしている」と判明しました。

また「へそくりをしている」という方の金額を見てみると、「50万~200万円未満」が29.5%で、もっとも多いことが分かりました。

▽へそくりの金額

  • 50万円未満…23.1%
  • 50万~200万円未満…29.5%
  • 200万~500万円未満…16.7%
  • 500万~1000万円未満…14.9%
  • 1000万円以上…15.8%\
    へそくりというと少額のイメージがありましたが、1000万円以上という人が15%もいるのですね。

    さらに「へそくりをしている」方の金額を男女別で見ると、男性の平均額が330万円なのに対し、女性平均は514万円と、およそ1.6倍ものへそくりをしている結果となりました。

    不仲夫婦ほど「へそくり額」が多い事実

(写真=PIXTA)

ハルメクでは「仲良し夫婦」と「不仲夫婦」で分けての調査もしています。それによると、不仲夫婦ほど平均「へそくり額」が多く、特に女性は男性の約2倍もへそくりしているという事実が判明しています。

▽仲良し夫婦の平均「へそくり」額

  • 夫…308万円
  • 妻…479万円 ▽不仲夫婦の平均「へそくり」額
  • 夫…472万円
  • 妻…898万円 今回の調査はシニア限定ですが、ぜひ50代以下の世代でも事情を調査してみてほしいところですね。

    女性がへそくりをする理由は「長生き」と「不信感」

(写真=PIXTA)

そもそも、なぜ女性は男性よりも多くへそくりをしているのでしょうか?同調査では女性の「へそくりの理由」として「自分の老後のため」が挙げられていました。

▽女性が「へそくり」を貯めている理由(自由回答)

  • 自分の老後のお金に心配がないように貯金している。残されるのは私だから(66歳)
  • 過去に配偶者が投資で失敗して全財産を失った。それもあり、夫には内緒で300万確保してある。いざというときの「へそくり」は心強い(61歳) 確かに、厚生労働省の2016年度「簡易生命表」によると、現代の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳ですから、理由としては納得できるかもしれません。