ここ数年、働き方や生き方の多様性がクローズアップされることが増え、好きなことを仕事にする女性の活躍を見る機会が多くなりました。出産後も仕事を続けたり、フリーランスとして羽ばたいたり、副業をしたりと、私達にはたくさんの選択肢があります。

今回お話をお聞きするのは、雑誌や広告を中心に多くの人を幻想的な世界に引き込むフォトグラファーのMARCOさん。結婚・出産を経て現在ふたりのお子さんを育てながら写真と向き合っています。2018年8月には『SOMEWHERE NOWHERE』を出版!そんなMARCOさんに、仕事と家族、そしてお金に関する考え方を伺いました。MARCOさんが目指す生き方とはどのようなことなのでしょうか。

第34回読売広告大賞準グランプリ受賞 見る人を魅了するフォトグラファー

(撮影=髙橋明宏)
 
> ――MARCOさんは蜷川実花さんに師事し、独立して10年。雑誌や広告、アーティストのCDジャケットなどさまざまな場面でご活躍をされています。最近では第34回読売広告大賞準グランプリ受賞作品を担当されました。スニーカーに風船がたくさん結ばれた素敵な作品でした。 ありがとうございます。そうおっしゃっていただけて嬉しいです。あの写真は合成ではなく実際にスニーカーにたくさんの風船をむすんで飛ばして撮ったものです。もちろん風で飛んでいかないように押さえていますが、素敵な瞬間が撮れたのではないかと思っています。受賞作品に携われて嬉しく思っています。
## 直感的にコラージュのように再編集した写真集を出版
(撮影=髙橋明宏)
 
> ーー2018年8月24日には『SOMEWHERE NOWHERE』という2作目の写真集を出版。1作目は10代の素敵な女の子たちを集めた作品でしたが、今回の2作目は世界各地で撮影したスナップを中心に作品に収められています。 前作の『Spring Pedals by lovely hickey』はそれまでの期間撮り続けていた女の子たちの作品がひとつに集まりました。前回はいろいろなご縁があり双葉社さんから写真集を出版しましたが、今回は自費出版です。
今回の『SOMEWHERE NOWHERE』はタイトル・この内容で新たに撮ろうというものではなく、これまで10年間ずっと撮り貯めてきた写真を1冊にまとめたもの。だから、作品にそれぞれメッセージ性をもたせているというわけではなく、これまで私が撮り続けてきた作品を通して、表現したい世界観や空気感を感じていただきたいと思っています。
長年撮ってきた写真を振り返った時に、自分でもどこで撮ったかが分からない写真ばかりでした。それはどの国に行っても同様で、気がついたら普遍的な町や樹や花や、人々を撮る事が多いなって。所謂観光地的なスポットは、行ってもあまり撮ってなかったんです。自分の好きな物だけを少しずつ集めて来た感じ。いつも見ている場所、景色も視点を少しずらすと全く別の世界が見えてきます。市場や山、メインストリートから少し離れた街の一区画でも素敵な一面が見えてくる、そんな瞬間を収めるのが好き。
日常に近いところをこうやって撮ることで日常が非日常になるといいますか、どこでもないところが輝きを持つようになるのがとてもおもしろいと感じます。