この記事は折戸裕子氏の著書『女性リーダーのための!感情マネジメントスキル』(すばる舎)の内容を抜粋したものになります。
※以下、書籍より抜粋
「感情マネジメント」で本来の力を発揮する
「女性は感情的」「ビジネスに向いてない」のウソ
使い古された言い方ではあるのですが、「女性はすぐに感情的になる」「だから、ビジネスに向いていない」という声を今もよく耳にします。
でも、本当にそうなのでしょうか。
私は、自身のキャリアや、独立してからの経験を振り返ってみても、これを甚だ疑問だと感じています。
元来、男性が得意とされる能力といえば、地図が読める、縦列駐車や車庫入れがうまい、合理的に動くなどが挙がります。これらの、論理性、合理性、運動能力、空間把握能力は、大昔生きていくために必須とされた狩猟のスキルです。
その時代にはまだGPSなどないですから、獲物の場所を的確に認知する空間把握や地図能力、野生動物を一発で仕留める運動能力が卓越して発達しました。
一方女性は家を任され、子どもや他の女性たちと協力してより良い生活環境を築くために、コミュニケーションスキルが発達しました。同じ場所で一緒に生活をするためには、自分と相手、自分と周囲という関係性を磨いていかなければならないからです。
これらは、遠い昔の生活スタイルから必要とされた男女それぞれの特性です。世に出ている話題の本や雑誌などで、目にしたことがあるのではないでしょうか。
そんなわけで、男性多数の旧来の職場では、これまでとくに感情が顧みられることはありませんでした。男性は、あるタスクをこなす(仕事をする)のに対象物の感情を読み取る必要がなかったので、そもそも仕事をする上で、感情を関係させることを習慣としていません。
好きだろうが嫌いだろうが、この相手と仕事(狩り)をする。ただそれだけのこと。
女性としてはやや違和感があるかもしれませんが、仕事をする上で、男性同士は一緒に仕事をする相手や仲間に対し、感情を整理して工夫をする必要がなかったのです。
とはいえ、時代も生活も変化し、男女の比率の差こそあれ男女が社会生活を協同する現代では、これは通用しません。テクノロジーが発達し、労働の形が大きく様変わりした今の職場では、男女共に「相手を読む」とか、「相手を動かす」能力をいかに伸ばすかが重要なスキルなのです。
そしてこの場合、男女でそのスタートラインは大きく違います。
女性は、新規に能力を獲得しなければならない男性に比べて、これまでの仕事場(家庭や地域)で培ってきた能力を転用すればよいだけなので、男性よりもずっとアドバンテージがあります。家庭という「仕事」をする場において感情を用いた働きをしてきた生き物なので、それを今度は、職場という環境で上手に適用していけばいいのです。
実は「感情」ではなく「体力」の限界!?
では、なぜ女性には一般的に「感情の起伏が激しい」「すぐ不機嫌になる」というマイナスなイメージがついて回るのでしょうか。相手が恋人や家族、仲の良い友達同士と、職場の人間関係とではまたモノサシが変わりますが、広いイメージでは女性一般に向けて、そのような印象がありますよね。
実は女性の場合、感情とは別の部分でリミットがきている場合にも、それが表面的に感情として表に現れることが多いように私は思っています。
気質的な緊張、身体的不調、思考の限界、能力の限界。
これらが「機嫌が悪い」「イライラしている」「すぐ泣く」「辛そうに見える」という身体的な症状として事象化してしまい、その結果、「感情の制御ができていない」と外からは見られてしまうのです。
実際のところ女性自身も、身体の不調やうまくコントロールできない心のバランスを安易に感情論で片づけてしまっているようにも見えます。
また、営業の訪問や接待の件数、長時間労働なども含め、フィジカルな部分で男性にかなわないところが影響しているとも考えられます。
そうだとすると、男性が言う「女はメンドクサイ」にあたる部分を、うまく解消していく方法は、いくらでもありそうです。感情をマネジメントして、男性に理解しやすい論理的なカタチにして示していければ、何の問題もないのです。
むしろ、その点を頭で整理して配慮ができるのも、本来、相手のことを様々に推し量れる女性ならではと言えなくもないのです。
そして自分自身も、わずらわしい感情から解放されて、仕事に集中できる充実した楽しい時間を取り戻せるはずです。
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)
折戸裕子(おりと・ゆうこ)
株式会社カレントリンクス代表、リーダーシップ戦略コンサルタント。中央大学法学部卒業後、大手金融会社法人営業、NTTドコモ、ドコモCSを経て独立。人を惹きつけるリーダーシップ論、改善改革を推進する企画力、人が活躍する仕組み作りに定評がある。企業や行政等に向けた講演活動の他、企業、団体の機関誌における「リーダー企画」の監修や人材育成アセスメント支援、研修開発実施支援を行うほか、メディア出演等、活動の幅を広げている。
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