この記事は折戸裕子氏の著書『女性リーダーのための!感情マネジメントスキル』(すばる舎)の内容を抜粋したものになります。

『感情マネジメントスキル』シリーズ

(1)女はヒステリー?その原因は実は「感情」ではなかった
(2)感情をマネジメントする具体的な8つのステップとは?

※以下、書籍より抜粋

「感情マネジメント」で本来の力を発揮する

まずは知識として押さえておきたい!感情マネジメントの基本

では、察知して、整理して、コントロールするという感情マネジメントは、具体的にどのようにすればよいのでしょうか。ざっと、簡単なやり方を見てみましょう。手順としては、次のような流れです。

もちろん、いつでも 1 0 0 %の確率で、ここで紹介する方法通りには動けないでしょうし、このステップ全ての段階を踏む必要もありません。知識として頭の片隅に入れておいて、ツライとき、身動きが取れなくなったときなどに思い出して、感情のマネジメントに役立ててほしいと思います。

本来の力を発揮するために今日から取り組める「感情マネジメント」の手順

ステップ1…感情を自覚する
ステップ2…感情の原因を見つける
ステップ3…感情を受け入れて置き換える
ステップ4…感情の原因人物と出来事を分ける
ステップ5…感情の原因人物の個性を差し引く
ステップ6…感情が発動するパターンを知る
ステップ7…感情発動パターンの手前で整理する
ステップ8…感情をコントロールする

ステップ1…自覚する

「今自分はストレスを感じている」ことを自覚します。漠然と怒り・悲しみ・妬み・驚きなどの感情に包まれない、味わわない、浸らない。マイナス感覚や感情を感じたら「今、私に怒りが湧いた」「今、私は悲しくなった」と客観的になって一度立ち止まり、ワケもなくイライラしたり、モヤモヤする感覚のまま過ごしたりしないようにします。

ステップ2…原因を見つける

何がストレスになっているかの原因を考えます。『なんだかイライラする』『よくわかんないけどムカつく』ではなく、「早く回答が欲しいのにメールがこない」など、今の自分をざわつかせている原因を見つけます。自分を「イライラ」させたのは何か掘り下げていきましょう。

 (例)「〇〇さんに腹が立った」→「〇〇さんの××が△△なことに腹が立った」

ステップ3…受け入れて置き換える

その感情に支配された自分を受け入れます。イライラにどっぷり浸かっている場所から一歩抜けて、「自分ごと」から「自分以外のモノゴト」に置き換えます。

(例)「非常に腹が立つ→何に?→後輩が大事な会議に遅刻するという出来事が起こった」

ステップ4…原因人物と出来事を分ける

自分にとっての相手の立場をフラットに捉え、人物と出来事を分けて見ます。ベースの感情によって無意識に据えてしまっている「後輩は怒っていい相手」「同僚は愚痴っていい相手」「上司は頼っていい相手」目線でなく、出来事単体を縁取ります。

(例)後輩が大事なデータを消去して怒り爆発。先輩が同じことをしても同じように怒り爆発?

人物:〇〇さんのミス
出来事:データが消えた

ステップ5…原因人物の個性を差し引く

相手の個性によって出来事に自動的にフィルタリングしていないかを意識します。
 
(例)遅刻した人をこう見がち
 
デキる上司→『何か大事な用があったのだろう』
ダメな上司や先輩→『なんで遅れてくるのよ!』
優秀な後輩→『アイツも何かと忙しいから』

ステップ6…発動のパターンを知る

その感情が、どんな人に対して、どんな出来事に対して湧きやすいのかを分析します。
 
(例)誰であっても/後輩に対してだけ/仕事がデキない人に対して など
理不尽なこと/常識的なこと/ずる賢いこと など

ステップ7…発動パターンの手前で整理する

 「出来事」「立場」「個性」の3種類を意識して、人間関係や相手の個性に引きずられず、自分の発動パターンを思い起こして整理します。
 
(例)後輩の度重なるミス→「後輩」「度重なる」が自分にとっての着火剤なら、『またやった!』の怒り発動パターンに自動的にハマらず、『なぜなのか』と考えてみる(自分で自分に火をつけない!)

ステップ8…コントロールする

マイナス感情をスルーする力、プラス感情を引き出す力をフルに発揮する。

(例)マイナスの感情発動パターンは自分にとっての「アレルギー物質」、プラスの感情発動パターンは「カンフル剤」とイメージする

アレルギーの食品に気をつけたり、花粉予防を事前にしたりするように、発動パターンをよく知り、それらが迫っていることを察知して、対処(整理)し、コントロールします。

なお、マイナスの感情は、自分自身の身体的なサイン(足を組む、腕を組む、爪をいじるなど)があればそこが切り替えどきです。また、プラス感情を発動するスイッチとして、この音楽を聴いたら、この言葉を見たら、この服を着たら、こう想像したら、自分はこう思えるなどのきっかけを見つけておくと、より感情のコントロールがうまくいきます。
 
このような1~8の感情マネジメントで、相手の立場や個性とは分けて出来事そのものを見つめられるようになり、感情に埋もれた精度の低い判断を減らしていくことができます。また、自分自身が感情にのまれないでいることで、時間や体力、思考力などを無駄なく使うこともできるようになるのです。  
 
気持ちがへこんで究極に困ってしまった!
感情が高ぶってどうしようもない!
あまりにもムカついて頭が真っ白!
 
そんなときの、処方箋のような、手近なお役立ちスキル。それでいて必殺技のような手段として、日々活用してほしいと思っています。
 

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

折戸裕子(おりと・ゆうこ)
株式会社カレントリンクス代表、リーダーシップ戦略コンサルタント。中央大学法学部卒業後、大手金融会社法人営業、NTTドコモ、ドコモCSを経て独立。人を惹きつけるリーダーシップ論、改善改革を推進する企画力、人が活躍する仕組み作りに定評がある。企業や行政等に向けた講演活動の他、企業、団体の機関誌における「リーダー企画」の監修や人材育成アセスメント支援、研修開発実施支援を行うほか、メディア出演等、活動の幅を広げている。

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