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2019/07/06

住民税からも住宅ローン控除を利用できる? FPが詳しく解説

(写真=Shutter_M/Shutterstock.com)
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「住宅ローン控除」は会社員の方が簡単に利用でき、しかも税金を直接減らせる強力な「税額控除」です。住宅ローンを組んだら是非利用したい制度ですね。住宅ローン控除は国税である「所得税」が安くなるのが原則ですが、一定の条件をクリアすれば「住民税」からも控除することができます。どんな条件があるか確認しましょう。

住宅ローン控除の基本

(写真=jajam_e/Shutterstock.com)

まずは住宅ローン控除の基本を確認しましょう。

住宅ローン控除の条件

住宅ローン控除は銀行などの金融機関で①自宅を取得する目的で、②10年以上に渡り返済する約束の借り入れを行ったときに適用されます。

他の主な条件は以下の通りです。
 
居住要件 新築or取得から半年以内に入居
年収要件 3,000万円以下
床面積 50㎡以上

住宅ローン控除の適用要件は他にもありますので、実際に利用する際は金融機関の窓口か税理士等に相談した方がよいでしょう。

控除金額

税金から控除してくれる金額は年末時点の債務の1%です。仮に2,000万円を借り入れ、年末時点で残り1,900万円まで返済していれば19万円分を税金から直接引いてくれます。

引いてくれる金額は40万円が上限です。つまり4,000万円を越える部分の借り入れは住宅ローン控除の適用がありません。

なお、一部の優良住宅(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅)に該当する場合は50万円まで住宅ローン控除の適用があります。

適用される期間は原則10年間

住宅ローン控除は住宅ローンを組んでから10年間適用されます。

なお、消費増税対策として住宅ローン控除の期間が延長される処置がとられています。消費税10%で住宅を取得し2019年10月1日~2020年12月31日までに入居する場合は、住宅ローン控除期間が13年間に延長されます。消費税の引き上げを懸念していた方には朗報ですね。

住宅ローン控除を受けるための手続き

住宅ローン控除の適用を受ける場合、最初の年は確定申告が必要です。基本の確定申告書に加え、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」と金融機関から送られる「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を添付し申告しましょう。

会社員の場合、2年目以降は会社の年末調整で適用を受けることができます。税務署から送られる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」「給与所得者の住宅借入金等特別申告書」と金融機関から送られる年末残高証明書を提出すれば確定申告不要です。

この手続きを行い承認が受けられれば住宅ローン控除額が所得税から引かれます。初年度だけ面倒ですが、会社員の場合は2年目以降になると年末調整で適用がありますので簡単ですね。

住民税における住宅ローン控除の仕組み

(写真=Zephyr_p/Shutterstock.com)

原則所得税から引かれる住宅ローン控除ですが、住宅ローン控除額がその年の所得税額を上回った場合には住民税からも控除されます。

例えば、所得税20万円の方が25万円分の住宅ローン控除を適用できる場合、5万円分は控除しきれず残ってしまいます。このように控除しきれなかった控除額がある場合は、その差額を住民税から控除することができます。

住民税の住宅ローン控除額 =
所得税における住宅ローン控除額 - 住宅ローン控除前の所得税額


なお、住民税における住宅ローン控除の手続きは不要です。上述した所得税のための住宅ローン控除を受けるための手続きを行っていれば、住民税においても自動的に適用されます。面倒な手続きがいらないのはありがたいですね。

住民税における住宅ローン控除3つの注意点

(写真=Narith Thongphasuk/Shutterstock.com)

住民税における住宅ローン控除は所得税の場合と少し取り扱いが違う点があります。控除の対象となる方は、次の3点にご注意ください。

控除の対象は翌年の住民税

所得税の場合は本年分の税金が前もって計算され、自動的に源泉徴収されます。住宅ローン控除を受ける初年度は住宅ローン控除を計算していませんので、払いすぎた分は年末調整により還付金として戻ってきます。

それに対し住民税は前年の収入が確定してから翌年の6月以降に源泉徴収がなされます。したがって、還付金が発生するわけではなく、源泉徴収される住民税が減額されるようになります。

なお、所得税も2年目以降は源泉徴収時点で住宅ローン控除が計算されますので還付金は原則発生しません。

減額には上限あり

住民税の住宅ローン控除にも上限があります。

収入が給与のみの場合、給与額面から給与所得控除やその他の所得控除を引いた「課税総所得金額」の5%、あるいは9万7,500円のいずれか少ない金額が住民税における住宅ローン控除額の上限です。

ただし、消費税が8%か10%で自宅を取得し、2014年~2021年12月31日までに居住した場合は課税総所得金額の7%、あるいは13万6,500円が上限となります。

ちょっとややこしいですが、住民税の控除にも上限があるという点だけはおさえておきましょう。

他の節税策に影響がある可能性

住宅ローン控除は強力な税額控除ですから、他に実践している節税策がある場合は、そちらにも影響があるかもしれません。

ふるさと納税などで節税を行っている方は、節税対象の税金がほとんど残らない可能性がありますので注意が必要です。

住宅ローン控除は住民税でも最大限活用しよう

住宅ローン控除は簡単な手続きで強力な節税が可能です。一定の条件をクリアすれば住民税においても適用されますので、しっかり利用し手取り額を増やすようにしましょう。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

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