お金の預け先を考えるとき、少しでも金利の良い銀行を選びたいですよね。とはいえ、せっかく金利が良くても、ATM手数料や振込手数料が頻繁にかかっては、そのありがたみも半減してしまいます。しかし、銀行によっては、こうした手数料を条件次第で無料にしているところがあります。今回はその中でも、楽天銀行の手数料が無料になるハッピープログラムをご紹介します。

楽天銀行のハッピープログラムとは

(写真=PIXTA)

楽天銀行が行っている「ハッピープログラム」は、楽天銀行の口座を持っている人が、その口座情報と楽天会員の情報を連携させることで、楽天銀行で取引をするごとに楽天スーパーポイントが貯まったり、楽天スーパーポイントを振込手数料に使ったりできる優遇プログラムです。

銀行の口座残高や取引回数によって、ATM手数料が月に最大7回、振込手数料が最大3回無料になる特典もあります。

ハッピープログラムの特典2つ

(写真=PIXTA)

残高や取引回数によってATM手数料や振込手数料が無料に

 

表. ハッピープログラムの5つのステージ
(それぞれ手数料が無料になる回数)

楽天銀行のハッピープログラムでは、口座残高や取引件数に応じて「ベーシック」「アドバンスト」「プレミアム」「VIP」「スーパーVIP」の5種類の会員ステージが設けられ、それぞれのステージで特典を受けることができます。

例えば、楽天銀行での取引を5回以上行うか、預金残高を10万円以上保有すると、ATM利用手数料が月に1回無料になります。預金残高の判定は毎月25日終了時点に行われるので、給料日が20日か25日の方は、給与の受け取りを楽天口座にしておくことで「アドバンスト」以上のステージになる場合が多いでしょう。

さらに、他行への振込手数料もお得になります。「スーパーVIP」や「VIP」会員であれば月に3回無料になりますし、他の会員ステージの方でも給与や賞与、または年金などを楽天銀行で受け取れば、翌月の他行への振込手数料が3回無料になります。

楽天スーパーポイントが楽天銀行のサービスの支払いにも使える

(写真=PIXTA)

会員のステージが上がると、ハッピープログラム対象サービスによる楽天スーパーポイントの獲得倍率が上がります。そして、これらの取引によって得たり、他の買い物で貯めたりした楽天スーパーポイントは、楽天銀行のサービスの支払いに使うこともできます。

利用方法としては、1ポイントを1円として振込手数料の支払いに使ったり、デビットカードの支払いに使ったりすることが可能です。また、楽天銀行プリペイドカードにチャージすることもできます。

ステージを上げることにこだわらないことも大切

(写真=PIXTA)

ハッピープログラムの会員ステージに応じて受けられる特典を紹介してきましたが、これらのメリットを意識しすぎて、無理に残高を増やしたり取引回数を増やしたりすることは、本末転倒なので気をつけましょう。

預金残高を300万円以上にすれば「スーパーVIP」会員になれますが、300万円を楽天銀行だけに預けることが適切かどうかは、別の問題です。

中には、財布の中にお金を入れているとすぐに使ってしまうので、ATMからこまめに引き出したいと考える方もいるでしょう。その場合は、予算を決めてきちんと出費を管理すれば、月に3回もATM手数料を払う必要自体なくなるかもしれません。

ATMの利用や振込手数料で月に500円かかると、年間で6,000円になります。この手数料がかからなくなるのは確かに大きな特典ですが、ステージを上げることよりも出費を減らすことができないかを考えてみることも大切です。

お得なサービスはうまく利用しよう

(写真=PIXTA)

楽天銀行のハッピープログラムは登録自体が無料なため、デメリットなしで、ATM利用手数料や他行への振込手数料が無料になるお得なサービスです。さらに、少額の手数料も年間に換算すると大きな金額になるため、このようなサービスを上手に利用しながら、同時に不要な出費を抑えるよう工夫することが大切です。

文・松岡紀史(ライツワードFP事務所代表・ファイナンシャルプランナー)

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