機能性月経困難症を緩和する正しい対策法
① やわらげる ・鎮痛剤を正しく服用する 鎮痛剤を服用し痛みの原因であるプロスタグランジンの分泌を抑えます。数ある鎮痛剤のうち、プロスタグランジンの分泌を抑えてくれるのはイブプロフェンという成分のもの。同じ鎮痛剤でもアスピリンやアセトアミノフェン(カロナール)は、月経痛にはあまり効果を発揮しません。
また痛みが強くなってから鎮痛剤を服用しても、その時には血中にたくさんのプロスタグランジンが分泌されているため痛みを抑えることはできません。痛みが強くなりそう、今日は痛くなったら困る、というときは前もって服用してくことが大切です。
② 温める
体の冷えは月経痛を悪化させてしまいます。シャワーだけではなくきちんと湯舟に浸かってください。その際は清潔な一番風呂に入りましょう。浴槽内では水圧がかかるため経血が漏れ出てくる心配はありません。タンポンなどはつけずに入浴が可能です。浴槽の淵をまたぐ際に腟に力を入れておけば、お湯に経血が落ちることも防げます。
・お腹だけではなく、腰、肩、脚の露出を控えめにする 夏でも体を冷やさないよう、過度な露出は控えてください。特に月経中は要注意です。特に冷えが気になる秋冬は湯たんぽやカイロの活用も有効です。
③ 緩める ・スパッツはやめ、こまめにお手洗いへ 月経の時、ナプキンがずれたり経血が漏れないようにきつめの下着やスパッツを着用する女性が多くいます。しかし、これはより血液循環を悪化させ、月経痛の悪化に繋がります。月経痛を穏やかにするには、締め付けの緩い下着の着用がおすすめです。漏れやずれが気になるという方はこまめにお手洗いに行きナプキンや生理アイテムを交換してください。
・軽い運動をする ストレッチや骨盤を動かすような軽い運動を一日合計30分ほど行うことで血流を促進し、月経痛を緩和します。激しい運動は体調を悪化させる恐れがあるので控えてください。
④ 休む ・月経周期を把握し予定を組む。 次の月経を見越して旅行やパーティーのスケジュールを調整し、自律神経を整えるようにしてください。
また月経痛が重い人は、月経がはじまる頃から計画的に体を休ませるのも方法の1つです。
これらの対処法を取って、その中で効いた対策をメモする記録法もよいでしょう。「何日目にどのような痛みが出たか」「経血の量はどうだったか」などと一緒に、この痛みにはこの対策が効いた、ということを記録する方法です。その記録を元に自分に合う対策を見つけることで月経期間をより快適に過ごすことができるようになります。まずは3か月続けてみてください。
また、セルフケアでは痛みがどうにもならない場合、低用量のピルを処方してもらえることもあります。月経困難症と診断されれば医療保険が適用されるのでお金の負担も少なく、低用量のピルであれば体への負担も少なく済みます。