松本?お城でしょ、開智学校、縄手通りに中町通り…と、もう松本の観光スポットは行き尽くしたよ!という方、必見!では、「旧制高等学校記念館」と「旧松本高等学校校舎」にはもう行きましたか?実はこの場所、よく映画やドラマのロケに使われているのです。松本駅からもそう遠くなく、しかも一部は無料で観覧できます。そんな良い場所なのに意外と知られていない、穴場スポットなのです!本記事では、「旧制高等学校記念館」と「旧松本高等学校校舎」、そしてそれらと同じ敷地内にある「あがたの森公園」をご紹介します。
「旧制高等学校」とは
みなさん、「旧制高等学校」ってご存知ですか?
旧制高等学校は、明治時代から昭和初期までに、帝国大学への進学特権を与えられていた学校です。今から約130年前の明治19年から昭和25年まで、日本各地、そして中国、韓国、台湾に至るまで、全部で41校が存在していました。
旧制高校での教育内容は、現在でいう大学の教養課程にあたります。旧制高校は男子が高い教育を受けるために作られた、いわばエリート養成校でした。旧制高校の入試は超難関であり、在学者数は同世代男子の1%にも満たなかったそうです。卒業生の多くは東京帝国大学をはじめとする国立の大学に進学し、各界で日本を支えるリーダーとなりました。
長野県松本市にも、その1つ、「松本高等学校」が存在していました。現存する旧制松本高等学校の校舎は、記念館とともに旧制高校の歴史を未来に伝えています。
旧制高等学校記念館
「旧制高等学校記念館」は、旧制高等学校の歴史を伝えるミュージアム。旧松本高等学校校舎に隣接しています。
この記念館は、3フロアで構成されています。1階は物販および企画展の展示。2階と3階が常設の展示室となっています。
1階 :ミュージアムショップおよび企画展
ミュージアムショップでは、旧制高校にまつわるグッズの販売をしています。随筆『どくとるマンボウ』シリーズの筆者、北杜夫は旧制松本高校の卒業生。彼の描いたイラスト入りのグッズなどもあります。
また、企画展では期間限定で様々な展示を行っています。筆者の取材時は、「旧制高校と東京帝国大学展」を開催していました。
企画展:「旧制高校と東京帝国大学展」
開催期間:平成29年7月15日(土)〜9月24日(日)まで
2階 :全国の旧制高等学校と旧制松本高等学校の資料展示
2階では、全国の旧制高等学校と旧制松本高等学校の資料を展示しています。ビッシリ書き込みのされた教科書や教材からは、当時の学生が熱心に勉強している姿、そして教員が熱弁を振るっている姿を想像できます。
当時の部活動の用具、そして復元された学生寮の部屋などから、旧制高校の学生生活を窺い知ることができます。