インテリアの写真は、ごちゃごちゃした印象になってしまったり、バランスが悪く見えてしまったり、実はおしゃれに撮るのは難しいもの。インテリアを撮影するときに使える撮影テクニックを知り、インテリア写真を上手に撮れるようになりましょう。
この記事では、インテリアの写真を上手に撮るコツを紹介します。準備編・実践編・発展編に分けて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。インテリアの写真を上手く撮れるようになって、おうち時間をより楽しみましょう。
[講師]ライター ワタナベサツキ
インテリア写真【準備編】|撮影をはじめる前にすること
まずは、インテリアの写真を撮影する前にしておくべき事前準備を紹介します。スムーズに撮影するために、しっかりと準備しておきましょう。
テーマを決める
まずは、どんな写真を撮りたいのかテーマを決めましょう。テーマに合わせてこの後の工程を進めていくので、なるべく具体的に決められると良いと思います。インテリア写真を撮るときのテーマは、以下を参考にしてみてください。
- シンプル
- モダン
- 北欧風
- ナチュラル
- カントリー
- 和風
例えば、インテリアの良さを際立てたい場合は「シンプル」に。部屋全体の雰囲気を撮影したい場合は「モダン」や「北欧風」にするのがおすすめです。また、和室で撮影するなら「和風」など、部屋の雰囲気や写真に表したいイメージを参考にしてテーマを決めるのも良いでしょう。
しかし、撮影したいテーマと実際のインテリアの雰囲気が異なるなど、テーマ通りの撮影が難しい場合もあると思います。このようなときは、テーマに合いそうなアイテムをプラスしたり、テーマに沿った加工をしたりして解決しましょう。インテリア撮影におすすめなアイテムは、この記事の最後に紹介するので参考にしてみてください。
部屋の片付けをする
インテリアの撮影をする前に、ある程度部屋を片付けておきましょう。この後紹介するインテリア写真の撮り方のコツの中に「リアルな生活を切り取る」とありますが、これは片付けた後のこと。リアルな生活を切り取ることは大切ですが、部屋を片付けずにリアルすぎる散らかった写真を撮ると、インテリアではなく汚れに目がいく写真になってしまいます。
目がいくポイントがたくさんある写真は、全体的にごちゃごちゃした印象になってしまうため、おしゃれなインテリア写真にはなりません。目がいくポイントを絞り、インテリアが目立つ写真にするためにも、ある程度の片付けと掃除は済ませておきましょう。
写真や絵を部屋に飾る
部屋を片付けていくと、部屋全体の印象が寂しくなりすぎてしまうことがあります。「部屋が無機質な印象になってしまう…」「部屋を片づけたらシンプルになりすぎてしまった…」このようなときには、写真や絵を飾るのがおすすめです。写真や絵を部屋に飾ると、画角が一気に華やかになり、写真映えするようになります。
写真を飾る場合は、家族写真や子どもの写真がおすすめ。家族写真や子どもの写真は色どりが良く、部屋を写した写真を明るい印象に見せてくれます。絵を飾る場合は、カラフルな色づかいなものを選ぶと明るい印象に、シンプルな色づかいのものを選ぶとクールな印象になるので、好みのものを選びましょう。
カメラの設定を済ませる
インテリアの撮影をはじめる前に、カメラの設定も済ませておきましょう。インテリアの写真を撮影するときは、グリッド線を表示しておくのがおすすめです。グリッド線とはカメラを使用するときにスマホの画面を分割するガイド線のこと。写真の構図を決めたり、写真の傾きを修正したりするときに活用します。
この後説明しますが、インテリア写真は水平・垂直を意識することが大切。水平・垂直を保つために、グリッド線は欠かせません。グリッド線を出す機能は、一眼レフカメラやミラーレスカメラのほぼすべてに搭載されています。また、スマートフォンにも搭載されていることが多く、iPhoneの場合は設定から簡単にグリッド線を表示することが可能です。グリッド線の他にインテリア写真に必要だと思う機能がある場合も、併せて事前に設定を済ませておきましょう。
インテリア写真【実践編】|撮り方のコツ
事前準備が終わったら、早速インテリアを撮影してみましょう。ここからは実践編と題し、インテリア写真の撮り方のコツを紹介します。
水平・垂直を意識する
インテリア写真を撮るときは、水平・垂直を意識しましょう。インテリアには向きがあるので、水平や垂直が傾いていると、不安定で雑な印象の写真に仕上がってしまいます。そうならないように、先ほど紹介したグリッド線を使って水平・垂直を意識した写真にしましょう。部屋全体を撮影するときは、柱や梁が目印になります。カメラは床と平行に構え、柱と梁を目印に水平・垂直を意識してみましょう。
何枚も写真を撮影する場合は、三脚を使うのもおすすめです。また、水平・垂直にならなかった場合は、写真編集機能を使って水平・垂直に直すのも良いと思います。
自然光を取り入れる
インテリア撮影するときの光は、基本的に自然光を使いましょう。自然光を使うと、特別な照明用具がなくてもおしゃれな写真を撮影することが可能です。インテリア写真を撮影するときは、自然光がきれいに入る昼間に撮影するのがおすすめ。昼間に撮影するのであれば、特別な照明器具は何もいりません。
自然光が強すぎると、日が当たっている部分が白くなってしまったり、影が強く出てしまったりすることがあります。そうならないように、自然光を使って撮影するときはレースのカーテンなどを1枚挟むようにしましょう。レースのカーテンを挟むと、自然な写真に仕上がります。
メインとなるインテリアを決める
インテリアを撮影するとき、部屋全体を広く写してしまうと主題が分からない写真に仕上がってしまいます。主題をはっきりさせるために、メインとなるインテリアを決めておきましょう。メインになる家具を決めて際立たせて撮ることで、メリハリのある写真になります。
メインのインテリアをより際立たせたいときは、ポートレートモードで撮影して背景をぼかすのもおすすめです。ポートレートモードを使うと、メインとなるインテリアを際立たせつつ、おしゃれな写真に仕上がります。
低い位置から撮影する
インテリアの写真を撮るときは、直立した目線の高さから撮影するよりも、低い位置で撮影したほうが奥行きのある良い写真が撮れます。インテリアは人の目線より低いものがほとんどで、直立した目線のまま撮影してしまうと上から撮影した写真になってしまいます。そうすると、部屋全体の広がりが見えない写真になってしまうのです。
雑誌やSNSで見るような広がりのある写真を撮りたいときは、インテリアと同じ目線になって写真を撮るのがおすすめ。少ししゃがんで撮影して、広がりのある写真を目指しましょう。
リアルな生活を切り取る
インテリアを撮影するからといって気取りすぎた写真よりも、リアルな生活を切り取った写真のほうがおしゃれになる場合があります。例えば、子どもと住んでいるのに子どもの気配がしないような写真より、おもちゃなど子どもを感じられるものが写っているような写真のほうがリアルですよね。片付けすぎてリアルさを失わないように、適度なリアルさを心がけてみましょう。
ペットを飼っている場合は、ペットを写すのも良いと思います。また、タオルやブランケットを置いておくのも、リアルさを演出できるのでおすすめです。リアルな生活を切り取ったほうが、エネルギーの溢れた生き生きとした写真が撮影できるので、SNS映えも狙えるでしょう。