女性専用転職エージェント・MAPウーマンキャリア事業責任者 菊池華恵さんに、女性の転職について聞きました。27歳で未経験職種へ転職した理由、20代でぶつかった大きな壁とは?
Profile
MAPウーマンキャリア 菊池 華恵
株式会社MAPウーマンキャリア取締役。東北地方出身。歴史好きで、休日は城跡や遺跡巡りをするのが楽しみ。
目立ちたい、褒められたい、そればかり考えていた20代
前職は金融会社で個人向け営業を担当していました。
業務内容を簡単に言うと、富裕層など投資に興味のあるお客様に金融商品をお勧めする新規開拓営業。子供の頃から負けず嫌いな性格だったこともあり、営業職として入社したからにはトップの成績を取りたい、周りからすごいねと言われたい、同期に、男性社員に、何なら先輩にも負けたくない!という気持ちで全力で仕事に取り組んでいました。
営業という仕事は常に数字の責任がつきまといます。当然、会社に認められる結果が出せなければ上司や先輩からの叱責が待っていて、辛い立場になる。プレッシャーも大きく、かなりの努力を要する仕事ではありましたが、その分手ごたえも感じていました。幸いなことに、会社や仕事内容に対する不満はなかったんです。
ただ、営業という仕事に魅力を感じれば感じるほど、自分の営業スタイルが他の世界でも通用するのかどうかが気になってしまって。
優秀な成績を収めて社内表彰を受けるなど、それなりに結果を出せてはいたのですが、これで満足していたら井の中の蛙で終わってしまうのではないか、という懸念がありました。
また、ずっと対個人の仕事をしていたので、さらに提案力が必要になるであろう法人営業にチャレンジしたいという思いも強くなってきたんです。
入社4年目。リーマンショックを目の当たりにし、金融業界以外に移るタイミングなのかなと漠然と考えていた時期に、キャリアアップしたい気持ちの高まりが重なり、転職を決意しました。
27歳、業界未経験で人材業界に転職
初めのうちは業界を特に絞らず、営業スキルを高められて、かつ法人担当ができる仕事を求めて転職活動を開始しました。
結果は営業職としてMAPに入社することになったのですが、実はそれまで転職エージェントの存在すら知りませんでした。普通の転職サイトや求人情報と何が違うの?なんて思っていたくらい。自分が転職活動をして初めて
「求職者が転職のプロに無料で相談できるサービスがあるんだ」
と理解しました。
いくつかのエージェントに登録したうちのひとつだったMAPで代表の飯田(写真左)と話す機会があり、MAPは採用側の企業と応募する側の求職者、どちらの営業も担当するスタイルを取っていると聞きました。
「転職エージェントなら、これまで培ってきた個人営業のスキルを活かしながら、法人営業にもチャレンジできるのでは」
そう考え、以降は転職エージェントなどの人材業界に絞った転職活動にシフト。自分自身は性別を意識して仕事をしていたわけではないので、女性の働きやすさはなどはさほど重視していませんでした。でも、女性が多く活躍している人材業界ならば、長期的なキャリアプランを形成できるのでは、という期待感はありました。
その後よくよく調べてみると、一人で企業側も求職者側もどちらも担当する営業スタイルを採用している転職エージェントはあまりないのだとわかり、MAPに興味を持ったんです。
それまで在籍していた金融会社は大手で従業員数も多く、安定して働ける環境でした。一方、当時のMAPはまだメンバー10名にも満たないベンチャー企業。
全く異なる業種、環境への転身ではありましたが、不思議と不安はありませんでした。まだ27歳と若かったせいもありますが、
「小さな会社のほうがよりパフォーマンスを発揮できそうだし、インパクトのある仕事ができる。企業が成長段階にある今のタイミングでジョインすれば、影響力の大きいポジションにつけるかもしれない」
そんな未来へのワクワク感のほうが遥かに大きかったんです。
転職から7年経った現在、大阪支社の立ち上げや統括、新サービスの事業責任者として日々刺激的な仕事ができています。
27歳のあの決断は大正解だった!今では心からそう思えます。でも、もちろん全てが順調にいったわけではありません。