パワーストーンとして最近注目されているギベオン隕石。どのようにして発見され、どのような効果を期待できるのでしょうか。宇宙からの贈り物とも言える隕石のパワーは計り知れません。偽物も多いというギベオン隕石、その石の持つ意味、見分け方や浄化方法をわかりやすくお伝えします。
ギベオン隕石ってなに?
ギベオン隕石が発見されるまで
ギベオン隕石はアフリカ南西部に位置するナミビア共和国・ハルタプ州という地域にある砂漠で発見されました。諸説ありますが、非常に硬い性質のためナミビアの人は鉄器時代から槍などの武器を作る石、鉄器として利用していたようです。この頃はその石が隕石だと知る人はまだいませんでした。
1836年イギリス人の探検家J.E.アレキサンダーがナミビアを訪れ、グレートフィッシュ川でこの石のサンプルを採取しロンドンで調査を依頼しました。イギリスの天文学者ジョン・ハーシェルによる分析の結果、これは隕石であると断定されました。現在は分析結果から約4億年前に落下したと考えられています。
その後の調査でこのギベオン隕石はおよそ100kgから500kgまでの大きさのものが多く見つかりました。人間が持ちやすい大きさのものが少なかったのは、ナミビアの原住民たちがこの石が隕石だと知らずに武器や道具の材料として使っていたからだろうと考えられています。現在までにおよそ26トンが回収されています。
ギベオン隕石の名前の由来
実はこの隕石が見つかった場所は南北に275km、東西に100km、さらには南北に390km、東西に120kmの広さであったと言われており、実際どれくらいの範囲で見つかったかはっきりしないほど広範囲で見つかっています。
隕石は地球に落ちた時期も特定しにくく、また上記のように落ちている範囲が広範囲であることから、誰が初めに見つけたかということも特定、証明しにくいものです。そのため、隕石の名前には一番大きなものが見つかった場所を管轄する郵便局の地名がつくことになっています。
一番大きなギベオン隕石が落ちていた地域はギベオン郵便局の管轄だったのでしょうね。そのためこの隕石には「ギベオン」がついたのです。なんともユニークな名付け方ですね。
POINT
ナミビアの街にはギベオン隕石を展示した通りがある!
写真はナミビアの首都ウィントフックにあるギベオン隕石の展示してある通りです。なんとも不思議な光景ですね。
ギベオン隕石の特長
隕石には3種類あります。ケイ酸塩鉱物からなる「石質隕石」、鉄-ニッケル合金とケイ酸塩鉱物から成り立ちその組成がほぼ同量である「石鉄隕石」、そしてその組成が主に鉄-ニッケル合金でできた「鉄隕石」です。ギベオン隕石はその組成から鉄隕石と分類されます。
現在確認されている隕石のうち、およそ96%が石質隕石、およそ3%が石鉄隕石、そして残りのおよそ1%が鉄隕石です。ギベオン隕石はそのうち0.5%を占めるとも言われる隕石です。ギベオン隕石は少ない鉄隕石の中で多くのサンプルがある重要な隕石です。
ギベオン隕石の特徴のひとつ、その美しい表面の様子です。これはウィドマンシュテッテン構造という鉄隕石に代表される模様です。この構造を現在の地球上で再現することは不可能であり、はるか宇宙からきた隕石であると裏付ける証拠のひとつです。
ギベオン隕石の特徴
鉱物名 | 鉄隕石 |
構造的分類 | オクタヘドライト(八面体晶隕鉄) |
ウィドマンシュテッテン構造 |
POINT
ウィドマンシュテッテン構造とは?
鉄とニッケルの混合物が300〜900℃で100,000気圧のもとで100万年以上かけて数℃温度が下がる状態でしかこの状態は生まれません。長い年月のもと、鉄とニッケルは分離されこのような模様になります。
分析されたギベオン隕石の組成(主な構成)
鉄 | 88-92% |
ニッケル | 7-8% |
コバルト | 0.5% |
リン | 0.04% |
その他 | 地球では未確認の物質を含む |
POINT
ギベオン隕石の組成は一定ではない
回収されている26トンものギベオン隕石。その全ての分析がなされているわけではありません。またその組成は一定ではありませんが、おおよその組成比は上記の分析結果と似ていると思われます。
ギベオン隕石の石の持つ意味
宇宙からのメッセージを秘めた石
はるか46億年昔に生まれ、4億年以上前に地球にたどり着いたギベオン隕石。壮大な歴史を生きてきた石です。宇宙から地球に導かれるように降りてきた石は宇宙からのメッセージを秘めているとも言われ、敏感な人は側によるだけで力がみなぎるように感じたり、疲れを感じたりとそのエネルギーの影響を受けるようです。
パワーストーンとしてギベオン隕石が持つ意味
隕石はその不思議な様子や宇宙から来たことなどから、未知なるものに関する意味や厳しい環境をくぐり抜けていく強さを意味します。日本でも古くから神秘的な意味を持っていました。福岡県直方氏の須賀神社は御神体として祀っています。それではパワーストーンとして期待される意味をみてみましょう。
ギベオン隕石の持つ意味
グラウンディング
未知との遭遇
変革への意志、実行
揺るぎない意志を決定する
自己認識力を高める
問題解決力を高める
人間関係のトラブルを解決する
絆を深める
ギベオン隕石に期待できる効果
強力なグラウンディング効果
ギベオン隕石を持った時人は、不思議と実際の重さより重く感じることが多いようです。これはギベオン隕石がはるか宇宙の彼方から地球の重力に引かれて導かれるように落ちてきたこと(グラウンディング)が理由ではないかと言われています。
そのためギベオン隕石にはグラウンディング効果が他の同じような効果を持つ石と比較しても、格段に強いと言われています。グラウンディング効果があるということは、浮き足立つような心を落ち着かせる、確固たる意志を持ち自分の足で立つ、といったことが期待できるのです。
持つ人の意思をサポートする
おそらく一般的にはパワーストーン といえば「癒し」の効果が一番知られた効果だと思いますが、ギベオン隕石については癒しは期待できる効果ではありません。
ギベオン隕石は46億年の長き旅を耐え抜き、大気圏を通過する衝撃にも耐えて地球に落ちた石。その落ちた衝撃でも数百kgを超える大きさで存在できた石。強いエネルギーでもって持つ人の意識の変革を促す事もあれば、持つ人の意思を確固たるものにすることをサポートするなどの効果があります。
持つ人によっては大きなプレッシャーを感じたり、強すぎるエネルギーのために疲れを感じる方もいらっしゃるでしょう。しかしギベオン隕石の持つ「確固たる意思の決定」、「変革への意志、実行」などの効果を得られる時、ギベオン隕石は起業家や経営者など強い意思決定が必要な人にはもってこいの意思と言えるでしょう。
新しい価値観の創造
ギベオン隕石は宇宙からきた石。新しいものを宇宙から届けにきた、とも取れます。このようなイメージからギベオン隕石は持つ人に新しい価値観、考えの創造を促します。固定観念に縛られず、既存のイメージを覆すような新たなアイディアで今ある問題を解決したい時などに持つといいでしょう。
ギベオン隕石の浄化方法
なぜ浄化が必要なの?
パワーストーンの世界では石を定期的に浄化することを勧めています。パワーストーンは私たちの身近で同じようにマイナスなエネルギーを吸収したり、ネガティブな感情に寄り添ったりしてくれています。そのため石も「疲れる」ことがあるのです。
そしてこれらパワーストーンは使う人以外の他の人が触れると、その他の人のエネルギーなどを吸収してしまいます。たとえ悪意がなくとも他の人からの影響を消し去り、使う人と石そのものの間に余計な邪念等がないようにしておくことが、パワーストーンの最大の効果を得る方法とも言えるでしょう。
パワーストーンを持つことをためらう方の中には、その「浄化方法がわからない」、「浄化方法が難しそうだ」などといった理由をあげることがありますがそんなことはありません。それではギベオン隕石にお勧めの浄化方法を見てみましょう。
ギベオン隕石にお勧めの浄化方法は?
ギベオン隕石は鉄とニッケルの合金です。パワーストーンの浄化方法として知られている方法に水や塩による浄化がありますが、ギベオン隕石にはお勧めできません。水分に弱く水分が触れた状態で放置すると錆ができ変質しています。塩も同じ理由です。ギベオン隕石にお勧めの浄化方法は以下の通りです。
ギベオン隕石にお勧めの浄化方法
月光浴 | 日没後から午前0時までの間に2時間以上月光浴させる。新月、満月は浄化のパワーが増す |
セージやお香で浄化 | セージやお香を焚き、その煙にあて浄化する |
水晶(水晶クラスター)で浄化 | 水晶の側に置く、水晶クラスターの上に置き浄化する |
音(音叉、またはクリスタルボウル)を使って浄化 | 音叉、クリスタルボウルの音をパワーストーンに聞かせ浄化する |
POINT
日光浴はダメ?
日光浴もパワーストーンでは知られた浄化方法ですが、ギベオン隕石にはおまりお勧めできません。ギベオン隕石は酸化しやすいので日光浴は不向きです。
水晶をお持ちの方は、「毎晩寝る前に水晶のところに置く」のが最も手軽な浄化方法と言えるでしょうし、そういったものをお持ちではない方は新月、満月に合わせて窓辺に置くといいでしょう。月の光は夜空が曇っていてもパワーストーンに届きます。新月、満月の夜の天気は気にせずとも大丈夫です。
POINT
月光浴が最適!
ギベオン隕石は宇宙から来た石。星や月がはっきりと見える夜はギベオン隕石の浄化とパワーチャージにはもってこいの日と言えるでしょう。
浄化の後は石と心を合わせましょう
パワーストーンを浄化したあと、石はとてもピュアの状態になっています。ですので、できればすぐに自分と石の波長を合わせましょう。これを、「啓動(けいどう)」と言います。
啓動のやり方
- 両手をよく洗い清め、ヘマタイト を両手に持つ
- そのまま呼吸を整え、1〜2分待つ
- ヘマタイトにあなたの体内リズムが伝わったと感じたら終わる
啓動のあと、もし余裕があればあなたの思いをヘマタイトに込めましょう。これを「注念」と言います。その方法は以下の通りです。
注念のやり方
- ギベオン隕石を前に置き、対面して座る
- ギベオン隕石を1〜2分間見つめ、瞑想して精神を集中する
- 目を開け、再び見つめながら願いごとをする
POINT
願い事はポジティブに!
願いごとは肯定的な、ポジティブな言葉を使うようにしましょう。また人を変えるお願いより、石の持つエネルギーに添った自分自身に込める願いごとがいいでしょう。
ギベオン隕石の見分け方
ウィドマンシュテッテン構造
ギベオン隕石をどのように見分けたらいいのでしょうか。手に持った時重く感じるものを選ぶと言っても、人それぞれの感覚ですので難しいですね。ここではギベオン隕石の特徴、ウィドマンシュテッテン構造による見分け方をご紹介します。
この2枚の写真はギベオン隕石の属する鉄隕石に最も特徴的に現れる模様、ウィドマンシュテッテン構造です。長きにわたりゆっくりと冷やされた鉄とニッケルがそれぞれ分離されて固体化したことにより発生する模様です。独特な、規則的なようで不規則なこの模様が見られるかどうか、よく観察してから買いましょう。
ギベオン隕石の本当の色は何色?
こちらの写真はギベオン隕石の原石です。実は先にご紹介したウィドマンシュテッテン構造はある加工を施した後に見られるものです。原石は鉄に発生したサビと大気圏を抜けてきた時の熱によりこのように赤かっ色、茶色になっています。原石の場合はウィドマンシュテッテン構造による見分け方をすることはできません。
世に出ているギベオン隕石はこのさびを洗い落とすために酸処理を施し、その後表面にメッキをかけて新たに錆びないようにしています。そのため、一般的に売られているギベオン隕石は鉄-ニッケルの合金の光沢のある色合いにウィドマンシュテッテン構造が映えています。
偽物にはくれぐれも注意しましょう
ギベオン隕石は、石の持っているパワーとその効果から大変人気です。しかし、その希少価値の高さから高価なものです。そのため、現在では安価品として偽物が出回っています。あまりにも軽いもの、隙間が空きすぎているものなどは偽物の可能性が高いです。
ウィドマンシュテッテン構造による見分け方がわからない、どうしても自分では見分けられないと思う方はどのお店で買うかよく吟味し、専門の方の判断を仰ぐか鑑定書などを見せてもらいましょう。