先日、とあるニュース番組でこのような特集がされていました。

2030年、日本は深刻な人手不足に陥る。
2030年は、11年後。そう遠くない未来です。
一体、日本に何が起こっているのでしょうか?早速、見ていきましょう。

2030年には644万人の人手不足に?

パーソル総合研究所と中央大学は昨年10月、2030年時点の労働市場における人手不足問題に関する研究結果を発表しました。

人手不足数は2017年の121万人(6月時点)から2020年には384万人、2025年には505万人、2030年には644万人と徐々に拡大し、効果的な対策をしなければ、日本経済の成長が阻まれてしまう可能性があるとのことです。

【コラム】2030年・人手不足問題と女性の活躍
(画像=『転職の地図』より引用)

研究を担当した中央大学経済学部の阿部正浩教授は、サービス業や医療・福祉関連の企業が集中している大都市圏が特に深刻であると見ています。

参考:SHIFT PLUS(人手不足産業は大都市圏に集中)

ちなみに、なぜサービス業や医療・福祉関連の企業が特に人手不足になりやすいのか?

理由はいくつかあります。そもそもの労働人口が減っていることに加え、これらの職種は

・休みがシフト制(出勤が不規則)である
・給与が比較的低い、上がりにくい

上記の特徴から、他業種より人が定着しにくいのです。

退職者が出れば、一人当たりの仕事の負担は当然大きくなります。

それに耐えられなくなった人がまた退職…といった悪循環が起こり、人手不足のスパイラルが止まらなくなります。

もちろん、サービス業に限らずどの業種でも人手不足は深刻な問題です。

では、この問題をどのようにカバーしていけば良いのでしょうか?

人手不足には女性の活躍が欠かせない!

この調査結果から、『事態の回避には、AIに加え、女性・高齢者・外国人の労働力が必要』という結論が導き出されました。

前述の阿部教授は、雇用を増やすためにはスキルの教育支援や高齢者・離職者向けのリカレント教育(社会人の学び直し)、介護・保育支援などの制度を充実させることが重要と指摘しています。

これらの環境を整えることで、女性では102万人、高齢者では163万人、外国人では81万人、計346万人の労働力が確保できる見込みとのこと。残りの298万人も、AIや機械を活用し、生産性を向上させることで十分補えるといいます。

しかし、実際にそう簡単に「働きたい」と思ったら働けるのでしょうか?

実際に女性が直面する『働く上での課題』を、いくつか見ていきましょう。

女性が抱えがちな『働く上での課題』

<育児・介護問題>

「子どもを生みたいけど、仕事のことを考えると踏み切れない…」

「子どもがいるから、働けない…」

そう考えている女性は数多くいます。

また、介護が必要な親族をサポートするのも女性というケースが非常に多いです。

「子どもがいると、キャリアの追求は難しいのでは…そもそも採用されないのでは?」

「産休や育休、介護休暇は取得できるけれど、それを機に降格や自主退職に追い込まれるのでは…」

そんな不安から消極的になってしまうのでは、どれだけ働き手が足りようと、良い社会であるとは言い難いのではないでしょうか。仕事復帰も育児・介護も、大きなライフイベントです。いずれの場合も安心して働けるように、国も企業も制度や施設を整えたりと、色々なことに取り組まなければなりません。

(施設の利用については心理的なハードル・コスト・待機問題、施設の増設、さらにはその施設での労働力の確保などがさらに課題になります。)

しかし、これらが実現するのを待っていたのでは、どんどん時間が過ぎていきます。

1人で抱え込まずパートナーの協力を得たり、ライフイベントの変化も受け入れてくれる環境の職場を探すなど、すぐにできることも色々あります。

<雇用の安定問題>

2017年では、働く女性の55.5%が非正規雇用であるというデータが出ています。

参考:内閣府男女共同参画局

一方で男性の非正規雇用者は21.9%と、男女間で倍以上の開きがあります。

また、「正規の職員・従業員の仕事がないから」と、不本意に非正規の雇用形態に就いている女性は約139万人にも上ります。

上記の理由は、女性が非正規雇用になったものとして、もっとも多い理由です。

働きたくても正規雇用の仕事がない。

一口に『女性』というと、育児・介護など前項の問題が取り上げられがちですが、雇用形態の問題も深刻。未婚・既婚者問わず、女性の多くを悩ませる問題です。

景気の好転・安定を期待したいところですが、諦めずに正規雇用の仕事を探すことで解決できるかもしれません。

<ハラスメント問題>

性的な嫌がらせであるセクシャル・ハラスメントの他にも、パワーハラスメント、マタニティハラスメントなどの言葉は、日々ニュースで報じられています。

上司に食事に誘われて、断ったら降格させられた。

「仕事ばかりしていないで結婚しろ」とからかわれる。

妊娠がわかったら、自主退職させられた。

こんなエピソードもしばしば目にします。これらは立派なハラスメント行為。

女性はハラスメントのターゲットになりやすく、何かと弱い立場に立たされがちです。

現在苦しんでおり、「転職してもまた同じことになったらどうしよう…」

または、「せっかく正社員で就職しても、そこでハラスメントがあったらどうしよう…」

と、不安な方も多いかと思います。

通常、職場の環境は入社してみないと分からないですが、それを事前に知る手立てがあります。