4月の緊急事態宣言の発令以降、多くの会社で普及したリモートワーク。それに付随して、転職活動の面接もオンライン化が進んでいる。
しかし、オンライン面接に対して苦手意識を持っている人も少なくないだろう。Woman type読者の中には、職場の雰囲気や人間関係の良好さを重視する人も多いのではないだろうか。
対面での面接と比べ、オンライン面接では職場の雰囲気が掴みづらいのは事実。いざ内定が出ても「本当に自分に合う会社なのだろうか」と、不安に感じることもあるかもしれない。
これからの転職活動では、どんなことに注意すれば後悔のない選択ができるのか。ブログ『転職アンテナ』を運営し、これまで多くの転職相談に乗ってきたmotoさんに、オンライン化された転職活動に潜む“落とし穴”と、その回避方法を聞いてみた。
<プロフィール>
motoさん
1987年長野県生まれ。戸塚俊介。短大を卒業後、新卒で地方中小企業(ホームセンター)へ入社。その後、リクルートや楽天、スタートアップなどを経験。著書『転職と副業のかけ算-生涯年収を最大化する生き方-』(扶桑社)はベストセラーとなった。
ブログ:転職アンテナ
Twitter:@moto_recruit
“お互いの本音”が見えず、ミスマッチ転職が起きやすい?
編集部:コロナ禍によって面接がオンラインで行われることが増えました。従来の対面の面接と比べると、どんな点に気を付ける必要があるでしょうか?
motoさん:事前の情報収集が大切だと思いますね。
面接に限らず、オンラインで面談する際はこちらが事前に得たい情報や、伝えるべきことを整理しておくことでコミュニケーションがよりスムーズになると思います。
オンライン面談は対面に比べていい意味でも悪い意味でもコミュニケーションに無駄がありません。
オンラインの場合、コミュニケーションに独特の間合いというか、リアルでは感じることのない距離感があって、お互いに黙ってしまうと、リアルとはまた違う雰囲気で無言の時間が流れたりするので、慣れも大切だと思います。
また、オンラインの面談は会話が最小限になりがちなので、お互いの本音を引き出しづらい環境でもあります。
だからこそ、事前の情報収集を念入りに行って、得るべき情報と伝えるべきことを整理しておくことが大事です。
会社の情報をネットで調べたり、実際に働いている人が周りにいるなら話を聞いてみたり。その上で、確認したい点を明確にしてオンラインの面接に臨むと良いと思います。
編集部:なるほど。ただ、転職先選びで「職場の雰囲気」を重視する人が多いですが、オンライン面接ではそういった空気感を見極めるのが難しい気がします。
motoさん:僕も職場の雰囲気は重視してます。僕の場合は、入社前に必ず複数の社員と同時に会話をさせてもらう機会を用意してもらっていました。
これまでだったらランチ会を開いてもらったりしていましたが、今のご時世だとなかなか難しいのでオンラインでグループミーティングの時間をもらえばいいと思います。
編集部:motoさんはその場で何を見ていたのですか?
motoさん:異なるポジションの人が複数人で集まったときに、どんなコミュニケーションがなされるのかを見るようにしていますね。
例えば、社長や社員と会った時、僕と一対一での会話ではみんな「風通しがいい会社なんです」って言っていたのに、社長と社員が同じ場に集まった途端に、社員が意見を一言も喋らなくなってしまう、みたいなことってあるんですよ(笑)。その瞬間に社風が分かりますよね。
これは、一対一の面接だけでは決して見えない景色なので、こういう場を通じて会社の雰囲気を見るようにしてます。
なかなかこういう場をセットしてもらうことに抵抗があるかもしれませんが、自分が働く環境を知ることはとても大切なので「どんなチームか知りたい」と人事担当者に相談して、話せる場を作ってもらうのが良いと思いますよ。