人材の流動が活発になり働き方も多様化する今、一度退職した社員の再雇用、いわゆる「出戻り採用」実績のある企業は年々増加しています。MAPへの「出戻り入社」を経験しているアドバイザー・高木が語る、以前在籍していた会社に戻るメリットとデメリットとは?経験者だからこそ話せる、再入社のリアルエピソードです。

起業した地元の先輩に誘われて入社

実は僕、代表の飯田と取締役の柳林とは同郷で。地元の先輩で、お互いの兄弟同士が同級生という間柄なんです。

飯田がMAPを創業した当時のこともよく知っていて、自らオフィスビルの上から下まで飛び込み営業に回ったり、駅前でティッシュ配りをしたという話を聞きながら

「起業って大変なんだなあ」

なんて他人事のように思っていた記憶があります。

僕自身は大学卒業後、広告営業の仕事をしていたのですが、転職を検討していたところ、MAPを手伝って欲しいと飯田から誘われたんです。人材業界の知識は全くなかったけれど他にやりたいこともなかったし、これから事業を拡大していく段階でジョインできる魅力を感じMAPに入社しました。メンバーはまだ10人足らず。渋谷の小さなオフィスで営業していた頃のことです。

当時のMAPは創業まもないこともあり、仕事自体はかなりハードでした。飯田の直下で人材業界のイロハを叩き込まれ、厳しくも学びの多い、濃い時間を過ごしました。

営業経験はあったけれど、人材紹介の仕事になかなか慣れることができなくて、最初の2年間くらいは本当に辛かった。今だから言えるけど、辞めたいと思ったことも何度もあります。この仕事の面白さがわかり始めたのは、入社して3年経ってからでしたね。

気が付けば、若いスタッフがどんどん増えていて、いつの間にか自分が社内最年長になっていました。

この仕事を長く続けていけるのか、外の世界を知りたくなった

仕事を覚えて結果も出せるようになってくると、今度は自分の実力がどれくらいのものなのかが気になり始めました。

立場としてはそろそろマネージャーとして後進の指導に当たるべき時期に来ていたとは思いますが、自分としてはプレイヤー、アドバイザーとしてのスキルをもっと上げていかなければと感じていて。

毎月目標を達成しても、MAPしか知らない自分は果たして業界全体でのレベルがどうなのかわからない。平たく言えば、業界内でイケてるのかそうじゃないのか知りたい。他社にはどんなアドバイザーがいるんだろうと興味が出てきたんです。

外の世界を見てみたい、自分の力が業界で通用するのかを試してみたい。正直な気持ちを飯田に話したところ

「経営者としては残ってほしい。でも、地元の先輩としては、好きなことを思い切りやってほしい」

と言って送り出してくれました。今でもその言葉は強く印象に残っています。

出戻り入社のリアル。会社も社員も生ものだから「元の会社」には戻れません。
(画像=『転職の地図』より引用)

外に出てみたら、全然イケてなかった

転職先は小規模の人材紹介会社で、自分より年上のアドバイザーが多い環境でした。
自分のレベルが知りたい、イケてるのかどうかを知るための転職ではありましたが、結果、イケてなかった。転職先には30代半ば~40代のベテランアドバイザーの方々がいて、これまでのキャリアや実績ではまるで太刀打ちできないことがすぐわかりました。

でも、自分の未熟さを知れてよかった。というのも、当時僕は32歳。このまま人材業界でキャリアを磨いていくべきなのか、別の仕事に方向転換するなら早い方がいいのでは、などという迷いもあって。自分より年齢もスキルも上のベテラン層の仕事ぶりを目の当たりにして、自分はまだまだ学ぶことがある、この業界で長くやっていけるという希望が持てたんです。

その会社はどちらかというと個人主義で、属人的。アドバイザーはそれぞれが得意領域を持っていて、企業としてではなく個人のブランディングを推進するような社風でした。チーム意識が強く、助け合う文化が浸透していたMAPにいた自分にとっては、刺激の多い職場。新しい環境に思い切って飛び込んでみてよかったと思いました。

出戻り入社のリアル。会社も社員も生ものだから「元の会社」には戻れません。
(画像=『転職の地図』より引用)