新しいことへの挑戦は、2、3回でダメだと思っちゃダメ
――声優としてのお仕事は、女優業を積み上げてきたからこそ生まれた縁かと。そうした外からの縁を受けて挑戦するのもお好きですか?
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』より
松下「もちろん好きです。同じことを続けることも難しくて大変だと思いますが、そこから広がって、今回の私で言うと声優さんというお仕事をさせていただくこともあるので。前作に参加させていただくことになった時は、ただただビックリしましたし、声という表現の中で、大きな挑戦だと思いました。実際に映像に自分の声がのっているのを見ると面白いな、楽しいなと感じましたし、表現するということに変わりはないのだなとも感じました。
私としてはちゃんとクリスティーンに感情移入し、理解しているので、あとは監督さんをはじめとしたみなさんに委ねるだけでした。新しいことを始めるのは大変なことだと思います。でも、2、3回ダメだったと感じたとしても、何度もトライして行かないと何も始まらないとも感じましたね」
「自分で選んだことでしょ!」と自分を叱咤激励
――何かに挑戦して、もし1回ダメでも、自分は向いてないなと思ってしまうのは。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』より
松下「絶対思わないほうがいいと思います。2、3回では、まだ向いているかどうかすら分からない状態ではないでしょうか」
――松下さんが挫折しそうになったときに、頭に浮かぶ「魔法のひと言」を教えてください。
松下「自分で選んだことでしょ、です。自分でこれだと思って選んだことを、どうして辞めるの?という自問自答です」
――一貫していますね。逆に言うと、松下さんは、自分自身で選択することを大事にしているのですね。
松下「そうですね。誰かに選んでもらうというのも、一つのあり方だと思います。でも私は自分で選んでやってきたという思いがあります。ピアノを始めたいと思ったのも、大学に行きたいと思ったのも、女優さんという仕事をやりたいと思ったのも、全部自分。右も左も分からず飛び込むことがいい時もあると思います。そういう意味では、声優としてのお仕事は、飛び込めたと思います」