ベネディクト・カンバーバッチが、元天才外科医にして、上から目線の最強の魔術師ドクター・ストレンジを演じた『ドクター・ストレンジ』の続編、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が全国公開中です。“マルチバース”と呼ばれる禁断の世界が開かれた本作で、レイチェル・マクアダムス演じるストレンジの元恋人クリスティーンの日本語声優を、前作に続いて務めた松下奈緒さん(37)にインタビュー。
松下奈緒さん
本作にはマルチバース=別世界でのクリスティーンも登場。そこで、現実世界で、女優業と音楽業を共に成功させている松下さんの生き方に迫りました。
乗り越えて行かなきゃと向き合えるのも、長くやってこそ
――前作公開から5年以上を経ての続編公開です。クリスティーンの日本語声優をふたたび務めていかがでしたか?
松下奈緒さん(以下、松下)「前回よりは、アフレコへの気持ちの余裕が少し持てるようになりました。今回、マルチバースという別世界に生きるクリスティーンも出てくるので、ちょっと違ったクリスティーンに出会えた感じがあります」
乗り越えて行かなきゃと向き合えるのも、長くやってこそ
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』より
――別世界でのクリスティーンも登場するとのことですが、松下さんは、女優業だけでなく、ピアニスト業など、多岐に渡って活躍されていて、道をひとつに絞るのではなく、どれも続けて成功している印象です。自然な道のりなのでしょうか、それとも強い意志を持って、そう進まれているのでしょうか。
松下「女優業も音楽活動も、自分で選んだことなので、諦めたくない、辞めたくないという思いはあります。音楽のほうは3歳からやっているので、長く向き合えば辞めたいと思う時期もありました。女優業に関しては音楽ほどキャリアもないですし、日々新鮮に思えることが多い状態なので、そうした気持ちになったことはありません。続けていれば悩むことも苦しいことも増えていくでしょうけど、それを乗り越えて行かなきゃと向き合えるのも、長くやってこそだと思います」
途中で諦めるのは許せない。自分で選んだ道だから
――音楽に関しては、女優業が忙しくなってきたときに、音楽自体は続けるにしても、大学は辞めるという道も選択としてはあったと思います。それでも辞めなかったのは。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』より
松下「途中で諦めるというのが、自分で許せないんですよね。自分が望んでこの学校に入ったのだから。自分自身に対して、絶対に卒業証書は手にするんだ!という気持ちでした(笑)」
――もしも全く違う人生を歩んでいたとしても、自分が決めたことは辞めず、諦めずに進むという点は変わらなそうですか?
松下「どうでしょう…変わらないと思いますね。どんな職業であっても。誰かにやりなさいと言われて始めたことなら続かないかもしれませんが、自分でやりたいと思って決めたのなら、諦めないと思います」