高崎卓馬氏(クリエイティブディレクター)は「ヴェンダース監督、役所さんという、大好きな二人でここから何が生まれるのか興奮しています」と述べつつ、主演の役所は「この場に立たせて頂いて幸せです。柳井さんの発想から生まれた『THE TOKYO TOILET』を舞台にヴェンダース監督が作品を手がける…この作品を断る俳優はいないのではないかと思います。ヴェンダース監督の作品に参加できるということで、俳優になって40年この業界にしがみついてよかったと思えるくらい、本当にすばらしいご褒美だと思います。この作品を通して、日本という国を紹介していきたいです」と感慨深げに語った。

また、今回のアートプロジェクトではどんなものを作るのか?という問いにヴェンダース監督は「大きなチャレンジであるこの企画では、社会的に意義があるものを、自由な発送で何章かに分けて作り上げたい」と語り、主演の役所氏については「色々な作品を拝見しています。自分というものがありながら、作品や環境によって全く異なるキャラクターを演じ分けることができる俳優だと思っています。私は好きではない俳優とはお仕事ができないのですが、役所さんは本当に最初から好きになりました。悪い役を演じているときでもすごくよいなと思っていたので、なぜここまで私は役所さんのことが好きなのか?ということを知るためにも、ぜひお仕事をご一緒したいと思っています」と役所氏へラブコール。

それを受けて、役所は「今回の作品で監督に嫌われないように、がんばりたいです(笑)。さきほど、物語の話をきいて、トイレという場所を舞台に365日一日3回清掃する男性清掃員の物語とのことで、とても美しい物語になりそうな気がしました」と意気込みを語った。

そんな二人の話をうけて柳井氏は「日本や東京を見続けている監督ですし、今の東京、渋谷をどういう風に感じられて、どのように撮られるのか関心がありますし、そこに役所さんが加わるということで期待しかないです。作品で描かれるのが、できれば最高の渋谷、最高の東京であったらいいなと思います」と述べた。