栃木県足利市は渡良瀬川のほとりに広がるのどかな町。かつてこの地を治めた足利氏ゆかりの史跡や、歴史ある神社仏閣が点在しています。そんな足利のおすすめスポットをピックアップしてご紹介します。
【1】日本最古の学校「足利学校」
足利市街の中心部にある足利学校は、日本最古の学校として知られています。開校の時代は諸説ありはっきりしていませんが、室町時代中期には多くの学生が儒学や易学、兵学、医学などを学んでいました。
その後学校は大いに発展し、戦国時代には3,000人もの学生を有していたと伝えられています。日本にキリスト教を伝えた宣教師フランシスコ・ザビエルは「日本国中最も大にして最も有名な坂東のアカデミー」として世界に紹介しました。
江戸時代後期から明治時代にかけて学校は衰退し、それ以前の建造物で残されているのは学校門など一部に過ぎませんが、他の建物や庭園も江戸時代の様子が再現されていて、昔の学校について知ることができます。2015年には「近世日本の教育遺産群-学ぶ心・礼節の本源-」の構成資産として日本遺産に認定されました。
【2】日本百名城のひとつ「鑁阿寺」
足利氏といえば室町幕府の将軍として知られていますが、そのルーツは栃木県足利市にあります。足利学校の西にある鑁阿寺(ばんなじ)は足利氏の氏寺で、鎌倉時代初期の1196年、足利義兼によって創建されました。
寺院となる前は足利氏の居館で、今もその面影を残していることから、足利氏館として日本百名城のひとつにも数えられています。境内は土塁と堀に囲まれていて、かつて防衛拠点として利用されていたことを感じさせます。
約4万㎡という広大な境内には、風格ある建造物が多数。なかでも国宝の本堂は足利尊氏の父・貞氏によって1299年に建てられたもので、当時の様式を伝える貴重な建物です。そのほか、鐘楼と一切経堂が国の重要文化財に指定されています。