交友関係を縛られ、好きな服が着られない
みどりがいなくなったら、僕は生きていけない――。付き合って3ヶ月ほど経つと、彼はよくそんな言葉を口にするようになりました。
「最初は、すごく嬉しかった。そんなに私のことを好きでいてくれるんだと思えたから。元カレには裏切られたので、深く愛されているという事実が沁みました」
しかし、彼の愛情は思わぬ方向へ向かっていきます。ある日、地元のショッピングモールでデートをしていたみどりさんは偶然、大学の同級生だった男友達に遭遇。数年ぶりの再会だったため、彼が隣にいることを忘れ、つい盛り上がってしまいました。
すると、男友達と解散した後、彼は嫉妬心をあらわにし、今後のみどりさんの服装を制限してきたのです。
「その日、私は膝丈のスカートを履いていたのですが、『あの人、脚をめっちゃ見てた。こういうことがあると心配だから、これからはスカート禁止』と言われました」
そして、別れ際には「もし、今日会った人から連絡が来ても返さないで」と念押しされ、次のデート時には会うなり「スマホ見せて?」と抜き打ちチェック。
「電話帳まで見られました。仕事先の人なのに男の人の名前を見つけると、『この人は誰?どういう関係?連絡先、消せないの?』と尋問されてキツかったです」
感覚が麻痺して「別れ」が選択肢によぎらなくなった
みどりさんに課された制限ははたから見れば、どれも理不尽なもの。しかし、いつも泣きそうな顔をしながら「ごめんね。みどりが大切で誰にも取られたくないから、束縛しちゃう」や「僕がいない間に他の人とどうにかなったら耐えられないから防ぎたい」と口にする彼を目にし続けるうちに、感覚は麻痺。別れという選択肢が頭によぎらなくなりました。
「デート時の服装はもちろん、ちょっとコンビニに行く時の洋服も彼に相談して決めるようになりました。基本的にスカートは禁止でしたし、夏は肌が見えないようにしてと言われたので長袖を着ていました」
そんな風に“2人だけの世界”を築き続けていたある日、目が覚める出来事が。それは、久しぶりに帰省した妹さんが、みどりさん宅へやってきた時のこと。「来年結婚するんだ」と報告してくれた妹さんと恋愛話をしていた時、彼から「妹ちゃんと会うって言ったけど、まだ会ってるの?」と彼からLINEが届きました。
「もう少し話す」とみどりさんが返信すると、彼から「本当に家にいるのか心配だから、家にいる証拠として時計を写して送って」と言われたといいます。