4月から新入社員として働きだすと気になるのは初任給ではないでしょうか。入社前に提示される初任給は、あくまでも基本給です。実際の手取り金額は、税金や社会保険などの控除、残業代などの支給もあり、かなり異なります。今回は、給与明細の見方を説明しますので、どのような仕組みで手取り額が決まっているのかを確認しましょう。

給与明細は「支給」「控除」「勤怠(勤務)」から構成される

どのような会社であっても給与明細は大きく分けて「支給」「控除」「勤怠」(会社によっては「勤務」の場合も)の欄で構成されています。支給金額と控除金額の一部は、勤怠の内容に左右されますので、それぞれの関係性を知っておくことは重要です。「給与明細の内容に間違いがないか」「正しく給与が支払われているか」を確認するためにもそれぞれの項目をしっかり確認しましょう。

「支給」は支給される項目と金額

「支給」の欄には、従業員に支払われるお金について「どのような名目でいくら支払われているか」が記載されています。支給でよく見られる項目は以下の通りです。

  • 基本給
  • 残業手当
  • 休日出勤手当
  • 深夜残業手当
  • 役職手当
  • 住宅手当
  • 家族手当
  • 資格手当
  • 通勤手当 基本給は、給料のベースとなる賃金です。残業手当は別途加算されるため、基本的に基本給は昇給や言及がない限り一定の金額となります。賞与や残業手当の金額なども一般的に基本給がベースで算出されます。残業手当や休日出勤手当、深夜残業手当は対象期間の勤怠内容で計算される賃金です。その他の手当は、会社によって大きく異なり支払われる金額も変わってきます。

    基本給以外の支給項目は、会社の業績によっては減額されたりカットされたり……という可能性はあるので押さえておきましょう。

    「控除」は支給額から差し引かれる項目と金額

    「控除」の欄では、支給欄の合計金額から差し引く金額の内訳が記載されています。「控除」の代表的な項目は以下の通りです。

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 介護保険料
  • 所得税控除
  • 住民税控除
  • 欠勤控除 健康保険料と厚生年金の支払額は、毎年4・5・6月3ヵ月の総支給額の平均である「標準報酬月額」に保険料率を乗じた額の50%(会社と折半)で計算した金額です。介護保険料は、40歳以上になると引かれる保険料なので初任給でいきなり引かれるということはありませんが、念のためチェックしましょう。所得税は稼いだ金額に対して決められた所得税率によって計算されて控除(源泉徴収)されます。

    住民税は、前年度の年収によって支払額が決まるため1年目は控除されません。欠勤控除は、有給休暇を使用せずに欠勤した場合に控除される金額です。給与の支払い形態によって計算式は異なります。欠勤しても引かれない給与形態もあります。