販売員から異業種転職、自力で転職しなかった理由

― なぜか3人ともエージェント経由で転職していますよね。例えば求人サイトや独自募集を探すなど、自力で転職しようとは考えなかったですか?

榎本:私はたまたま転職エージェントでアドバイザーをしている友人に相談して。アパレルの販売員しかしたことがなかったので、いざ異業種に転職すると決めても自分に何ができるのかわからなくて不安だったんですよ。

伊藤:確かに、それはありますね。

榎本:パソコンにしても、業務として頻繁に使っていたわけじゃないので、スキルに自信なかったし。

松井:私は店のリーフレット作成も手がけていたので、店舗業務をしていた割にはパソコンは使えるほうだったかも。でも確かに、パソコンスキルに対する不安は「アパレルあるある」ですね。

伊藤:僕もパソコンには苦手意識を持っていました。

松井:私の場合は世の中にどんな仕事があるのかを知りたくてエージェントを頼ったところがあります。自分のキャリアで、どんな仕事が選べるのかが知りたかった。

榎本:そうそう、他の業界に関する知識があまりにもなくて。アパレル業界のことならある程度わかるけど、それ以外は未知の世界過ぎて、何がわからないのかすらわからない。

伊藤:僕、転職活動のために「業界地図」買いましたよ。

榎本:私も買った(笑)

販売職からの転職は難しい?私たちが、20代で「脱・アパレル」した理由【後編】
(画像=第三者視点からのアドバイスが受けられるのがエージェント利用のメリット、『転職の地図』より引用)

アパレル出身者だからこそ!経験を活かしたい

― 転職活動を始めたころ、どんな業種や職種を希望していたんですか?

榎本:私は漠然と営業職かなと。アクティブに動きたいし、人と話したいから。

松井:私は当初人事の求人を見てました。採用は担当したことがなかったけれど、アパレル時代に培った新人教育やモチベーションコントロール、指示出しなどのマネジメントスキルが活かせると思って。

伊藤:僕の場合はアパレルを辞めてから短期間IT系の仕事をはさんで、営業職に転身したんですよ。デスクワークをやってみて、やっぱり人と関わる仕事がしたいと自覚したので。

―最初から人材業界に入るんだ!と決めていた人は誰もいませんね。

伊藤:そもそも、どんな仕事があるのかすらよく知らなかったですから。エージェントに勧められてはじめて、アパレルでの経験が活かせる仕事がどういうものなのかがわかりました。

松井:私も最初は人事しか見ていなかったんですが、エージェントの人にこれまでのスキルを活かせる仕事は何かと相談するうちに人材業界に興味を持った、というのが正直なところです。

アパレル販売員からの異業種転職、職務経歴書の書き方は?

―異業種への転職となると、自己PRに悩みますよね。職務経歴書や面接ではどんなアピールをしましたか?

伊藤:コミュニケーション能力の高さ、数字達成への意欲ですね。

松井:私もやっぱり売上実績。実際に持っていた予算も職務経歴書に記載して、達成するためのプロセスや具体的な手法をアピールしました。

伊藤・榎本:おお~。

松井:その他には顧客管理やマネジメント経験、スタッフのモチベーション管理なども。顧客満足と従業員満足の向上に取り組んだこともアピールしました。

―できる仕事があるかどうかわからない、と言っていたのに、みなさんたくさん強みが出てきますね。

榎本:ひねり出してね(笑)社内コンテストの受賞歴など、アピール材料はいろいろありますよ。

ズバリ、販売経験者に向いている仕事は?

伊藤:昨年度のデータを見ると、MAPを通じて販売職から転職した方はITや人材、医療など異業種の営業職や事務職に進まれてますね。あとはブライダルや建設関係での決定事例もあります。

松井:私たちもそうですが、アパレル販売員経験者は有形・無形商材問わず営業職の適性は高いです。

榎本:販売で身に着けた提案力を活かして、IT系のコンサルティング営業に転身、大幅な年収アップに成功した方もおられます。

―今は業界問わず終身雇用制度の見直しが進んでいて、転職も当然の時代です。例えば、一旦アパレルを離れて別業界を経験して、再びアパレルに戻る、というキャリアパスは考えられますか?

伊藤:いや、僕自身は今すぐ戻る予定はないですけど(笑)確かに別の業界で得た知見を元いた場所で活かす、というキャリアの作り方もあるでしょうね。

榎本:例えば、人材業界の経験を活かしてアパレル業界に戻るなら、それこそ人事・労務とか。さきほどの残業の話じゃないですけど、働く環境をよりよくする取り組みに携われたらいいですよね。販売員としての働き方に悩んでる人も多いでしょうし。

松井:ただ「アパレルから異業種への転職は簡単ですよ」とは言えません。私自身も転職活動で苦戦しましたから。

伊藤:営業職や対人折衝能力が必要とされる施工管理などは接客経験を活かせる仕事ではあるけれど、やはり業界経験者のほうが強いという現実はあります。

榎本:BtoBの商材を扱う営業職となると、対法人の折衝経験がない点が懸念材料になることもありますしね。

松井:あとはやっぱり、パソコンスキルも必要ですね。

アパレル販売員からの転職、何から準備すればいい?

販売職からの転職は難しい?私たちが、20代で「脱・アパレル」した理由【後編】
(画像=なりたい自分を目指して、まずはスキルの棚卸しを!、『転職の地図』より引用)

松井:異業種への転職を目指すならパソコンスキルの向上も必要ですが、今の仕事で得たスキルについて自分なりに言語化しておくこと。自分の強みを把握する、それが一番大事です。

榎本:確かに。私も転職すると決めてから「今日はスキルの棚卸しを意識して仕事しよう!」と決めて店頭に立ったことがあります。ひとつひとつの業務を確認しつつ、あ、私これもできる、こんなこともやってきたんだ、これは職務経歴書に書こう!って。

松井:改めて自分の仕事を見直すと発見できることは多いですよね。

伊藤:数値化するのは難しいですが、提案力や傾聴力もアピールできるスキルです。

榎本:そうそう、販売は本質を聞き出す力が必要ですから。「ワンピースが欲しい」と言われても、デート用なのか、同窓会用なのかまできちんと聞き出さなければ、間違った提案をしてしまう。当時は無意識にやっていたことでも、きちんと言語化ができると強みになります。

松井:定性・定量共に言語化し、残しておくことが重要です。また、業務改善や効率化の実績などもあれば、何をどんなアプローチで改善したのかまで落とし込んでおくと面接でもアピールできます。

松井:あと、これはアパレル経験者に限らず全ての人に言えることですが、いずれ転職するつもりであっても今の仕事に全力で取り組むこと。仕事にどんな姿勢で取り組んできたかという点は、面接時に必ずチェックされますから。いざ転職活動を始めた時に誇れる実績を作るつもりで!

「脱・アパレル販売員」の転職を考えている人へ

伊藤:自分の強みを把握しておくことが大切、とはいえ、自分自身のキャリアを改めて整理するのは難しい作業でもあります。goodyはアパレル業界経験のあるアドバイザーが揃っているので、転職活動の進め方や面接対策など、サービス業経験者にフォーカスしたパーソナルなアドバイスができるのが特徴。アパレルから異業種への転職を考える方に、ぜひ利用していただきたいですね。

―では最後に「脱・アパレル販売」を考えている方にアドバイスをお願いします

松井:アパレル販売員経験者ならではのガッツ、体力、ストレス耐性、そして覚悟感は選考時に評価ポイントとなるはずです。キャリアアップしたい、自分のキャリアの市場価値を高めたいという思いをアピールすることも忘れないでください。

榎本:現状打破したいエネルギーをすべて転職に向けてもらうのがシンプルにいい方法。異業種へのチャレンジは不安も大きいとは思いますが、今後のキャリアにプラスになる転職ができるとポジティブに考えて欲しいです。

伊藤:アパレル業界出身者は、実はポテンシャルの高い人が多いです。さらに、シフト制で平日に休みがとれるので、現職の勤務と並行しての転職活動が進めやすい点も大きなアドバンテージ。まずはgoodyのアドバイザーに気軽に相談してください。


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