マナーのプロが華麗に回答
もう迷わない!働くオンナのビジネスマナー
挨拶、言葉遣い、身だしなみ、所作――。もう新人ではないという人の中にも、「あれ!? こんな時どうすればいいんだっけ」とビジネスマナーで急に困った経験があるという人は多いのでは? そこで、マナーのプロ・美月あきこさんが皆さんの悩みにキッパリ華麗に回答していきます。
人財育成トレーナー、ビジネスマナー講師
美月あきこ
大学卒業後、日系および外資系航空会社にて国際線客室乗務員として17年間勤務。その後、人財育成トレーナーとして、接遇サービス、対人コミュニケーションについての講演・研修を企業や団体にて行う。客室乗務員時代に身につけたファーストクラス仕様のサービスを元にした、ユニー クな研修手法が好評を博す。すぐに効果の上がる「売れる営業マン・販売員」研修は全国からオファーが絶えず、年間180回以上の研修と講演を行う。著書に、ベストセラーとなった『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』(祥伝社)。シリーズ最新刊は、『15秒で口説く エレベーターピッチの達人』(祥伝社)
今回の質問
いまの職場の仕事内容は気に入っているのですが、部署の上司に問題のある人が多く困っています……。組織にとってよくないところは直してほしいですが、上司にそれを伝えるのは難しいです。直してほしいことを伝えるときに気を付けるべきポイントはありますか?なるべく角を立てずに済む、模範的な伝え方も教えてほしいです。(営業事務/27歳)
プロの回答
今回の質問者の方が困っているという上司については、直してほしいことが何なのかによっても対応が異なってきますね。例えば、仕事の進め方ということでしたら、それを直してもらうことによってチームの生産性が上がることを論理的に説明し、ぜひ伝えるべきだと思いますが、あなたの独断ではなく、周囲の意見も聞いた上で相談して進めたほうが良いでしょう。
一方で、上司の身なりや臭い、振る舞いなどが周囲の人に迷惑を掛けているような場合はなかなか言いづらいもの。直接伝えるというよりは、「職場全体のルール」として婉曲的に伝える方法を考えた方が良いでしょう。
いずれにしても、個人的、主観的な意見で上司を責めるのはNGです。あなたがどんなに正しい主張をしていたとしても、社内での立場が悪くなる可能性があるのでやめておきましょう。できるだけ間接的、客観的な意見として相手に直してほしいところを伝えることが大事です。
また、働く女性を困らせる上司というと、次のようなパターンがありそうですね。
●指示が大まか過ぎて無駄なやりとりが多い上司
●部下に残業させて自分はさっさと帰宅する上司
●プライベートを詮索してくる上司
●口が悪く態度が横柄で、部下を萎縮させる上司
皆さんの周りにも、きっとちらほら上記のような人がいるのではないでしょうか。
では、それぞれの上司に、直してほしいところを伝えるときにはどんな伝え方が良いのでしょうか。上述した基本ルールを踏まえた上で、具体的なフレーズを考えてみました。
指示が大まか過ぎて無駄なやりとりが多い上司には……
→相手を少し持ち上げつつ、「最初の認識合わせ」をお願いしよう
部下の思考や発想力などを伸ばそうという意図があってのことかもしれませんが、「君のやり方に任せる」と言って最初は仕事を丸投げしてきたのに、後々になって「これは違うよ、やり直し」と締め切り間際に修正のやりとりが発生するケース。最初に方向性だけでも認識を合わせられれば、お互い無駄な時間を過ごさずに済みますよね。
「チームの生産性を上げるために、最初のすり合わせにしっかり時間をかけさせていただき、後半の確認作業の負担を軽くできればと思っております。●●課長にご指示をいただく際に、完全に理解できるようにご教示いただけないでしょうか。●●課長のスピード感に早く追いつきたいと考えております」
相手を少し持ち上げながらお願いをすると、角が立たないと思いますよ。