三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目JSB)のヴォーカル登坂広臣が、ソロ名義「ØMI」でコンセプチュアルな世界観を追求した「ANSWER」シリーズが、いよいよ完結!

 3rdアルバム『ANSEWR…』を携え、全国9会場17公演を回るアリーナツアー『ØMI LIVE TOUR 2022 “ANSWER…”』のファイナル公演が、4月28日、愛知県の日本ガイシホールで行なわれた。文字通り、アリーナ規模の会場でのライブは、どの座席からでも十分にステージ上の登坂が鮮明に見える身近さが感じられた。

「イケメンとLDH」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、その瞬間から片時も目を離さず、聴き逃すことなく、ステージ上の登坂に心打たれたファイナル公演をレポートする。

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オープニングの映像演出

登坂広臣“ØMI”の全国アリーナツアーが終幕!記者がオミ君愛たっぷりに現地レポ
(画像=『女子SPA!』より引用)

提供:LDH JAPAN(以下、同じ)

 2階スタンド席の最前列に、5分前には着席した筆者は、ステージに対する目線など確認しながら、ステージ後方中央に配置されたLEDモニターの画面に何が映るのか、想像しながら開演を待った。「さすが臣君は、後輩思いだな」と、早くも涙を拭いながら、まだメジャーデビュー前の「PSYCHIC FEVER」のオープニング・パフォーマンスを楽しむ。左右のスタンド席、アリーナ、そして会場全体にクラップ(拍手)を促し、登坂の登場まで会場を温める。

「PSYCHIC FEVER」のパフォーマンスが終わり、モニター画面に3分のカウントダウンが表示される。20秒を切ったあたりで、客席から拍手コールがはじまる。会場全体の照明が徐々に暗くなり、登坂のソロ・プロジェクト「CDL entertainment」(CDLは、Clair de lune「月の光」の略)のロゴがスクリーン上に浮かび上がる。

『ホットロード』(2014年)、『HiGH&LOW THE RED RAIN』(2016年)、『雪の華』(2019年)の3本の映画に主演し、演技力は折り紙付きの登坂は、これまでのソロ・ライブでも必ず自分が出演するドラマ仕立ての映像を重要な演出にしていた。「ANSWER…」シリーズが、あれだけコンセプチュアルな世界観をミュージック・ビデオで表現していたのだから、オープニングは、必ず映像をメインにするだろうという予想は的中した。

圧巻の「Chapter1 SHADOW」

 全編モノクロームの画面の中で、何かから逃げるように走る登坂。「Chapter1 Shadow」の字幕。登坂を追うのは、どうやら黒々とした影のようだ。迫る影に追われながら、いくつものミュージック・ビデオの断片がフラッシュ・バック。追いつめられた先には、「ANSWER…」シリーズの世界観を象徴するアルテミス(月の女神)像があり、彫像越しに光が差し込む。眩い光を見つめる登坂の表情で映像は終わり、1曲目の「ANSWER…SHADOW」が歌われる。「答えのない In My dark Moon Light 」のサビが、観客の心を揺らめかせながら、いよいよ開幕。

 けれど、ステージ上に登坂の姿はない。ステージ裏で歌声を響かせたまま、曲を歌い切る。このままステージに登場しないのか、と思いきや一転、燃え上がる炎がモニターとステージを照らし出し、花火が打ち上がる。スクリーンの間から黒い衣装に身を包んだ登坂が堂々と登場し、大歓声の客席が一斉に立ち上がる。バックダンサーとともに後ろからアルテミス像が現れ、熱気ある官能性に溢れた2曲目の「Can You See The Light」へ。

 「HIROOMI TOSAKA」名義の「NAKED LOVE」と「OVERDOSE」の選曲は粋そのもので、2019年4月10日リリースのシングル『SUPERMOON』収録曲で、劇場版『名探偵コナン 紺青の拳』(2019年)主題歌の「BLUE SAPPHIRE」では、異国風でリズムカルなメロディーに思わず足元でステップを踏んでいた。2021年5月12日リリースのØMIによるEP作品『ANSWER…SHADOW』収録曲「Colorblind」で、影の世界を象徴的にフィナーレへ運び、追いついた影を登坂が打ち抜くモニター映像によって圧巻の「Chapter1 SHADOW」が締めくくられる。