世界最初の女性医師、エリザベス・ブラックウェル(医師)

エリザベス・ブラックウェル(イングランド)
1821年2月3日〜1910年5月19日

エリザベス・ブラックウェルはイギリス出身。

アメリカ合衆国で医学校を卒業した最初の女性で、イギリスで公的に医師登録された最初の女性でもあります。

エリザベスの一家は男女差別や奴隷制度に反対し、平等な世の中を望んでいました。

一家でアメリカに移住しますが、事業を立ち上げてすぐに父が逝去。

やがてエリザベスは医師を志すようになりました。

ニューヨークの医科大学を主席で卒業し、28歳にして世界初の女性医師として登録されます。

しかし研修のためフランス・パリに渡るも、許されたのは医師ではなく助産師としての訓練のみでした。

当時の社会は男尊女卑の意識が強く、女性であるというだけで、医師免許があっても医師として働くことは困難です。

加えて、右目の視力を失ったエリザベス。夢であった外科医の道は閉ざされてしまいます。

しかしエリザベスは諦めませんでした。

【コラム】社会を変えた、働く女性の偉人たち
(画像=『転職の地図』より引用)

1857年にはニューヨークで妹と教え子と3人で、「貧困女性と子どものための診療所」を開設。

女性医師の数を増やす…つまり女性医師を育てるという新たな目標もできました。

やがて彼女は親友のナイチンゲールとともに、女子医学校を設立します。

厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、医師数311,205人のうち、女性は63,504人。

総数の20.4%を占めます。(2014年、厚生労働省調べ)

29歳以下では34.8%と3割を超えており、日本における女性医師の割合は年々増加傾向にあります。

今でこそ、当たり前になっている女性医師の存在。

エリザベス・ブラックウェルの功績は、今日の医療の世界に大きなインパクトを与えたと言えます。

参考:エピロギ 第2回 世界で初めて“医師”と呼ばれた女性 エリザベス・ブラックウェル

伝説の女性飛行士、アメリア・イアハート(パイロット)

アメリア・メアリー・イアハート(アメリカ合衆国)
1897年7月24日〜1937年7月2日(遭難した日)

ソーシャルワーカーとして働いていたアメリア・イアハート。

仕事中に受けた1本の電話が、彼女の運命を大きく変えます。

「大西洋を飛びたいと思いますか?」

のちに夫となる出版社勤務のジョージ・パットナムでした。

元々飛行訓練を受けていた彼女は、エンジニアたちとチームに参加。次々と飛行記録を樹立します。

【コラム】社会を変えた、働く女性の偉人たち
(画像=『転職の地図』より引用)

1932年には世界で初めて、女性単独での大西洋横断飛行に成功しました。

“The most difficult thing is the decision to act, the rest is merely tenacity”
「最も難しいのは『行動すること』を決めること、あとは執念深くやるだけ」

アメリア・イアハートはこんな言葉を、生前に残しています。

現代のビジネスにも通じる、決断力と実行力が大切、ということですね。

また、近年のマーケティング用語に、「アメリア・イアハート効果」というものがあります。

ナンバーワンでないものでも、切り口を変えればナンバーワンになる、というものです。

実際、アメリアと同じような功績を残したパイロットは何人かいました。

しかし、アメリアがこれほどまでに注目されたのは、彼女が女性だったためです。

同じような記録を持っていても、女性という切り口では彼女が注目度ナンバーワンだったということから、この用語が生まれました。

アメリアは自身の体験から女性の地位向上のために熱心な活動を行い、ゾンタクラブ(ゾンタ・インターナショナル=女性の地位向上を目的とする国際的サービス組織)の主要メンバーとして活躍していました。

ゾンタでは、今でも彼女の名前を冠した奨学金制度(大学院課程で航空関連の科学や技術を学ぶ女性が対象)が運営されています。

参考:株式会社ベンカン マーケティング「アメリア・イアハート効果」

まとめ〜女性の偉人はとても多い!〜

このように、近代の歴史に大きく貢献した女性の偉人は多くいますが、意外にも知られていないのが事実です。

しかし、どの女性にも共通しているのが、確固たる意志を持ち、自分の使命に取り組んでいたということ。

歴史上有名な女性でも、「●●氏の妻」という形で紹介されるなど、パートナーありきの「内助の功」として取り上げられる人物がほとんどでした。

もちろん、夫を支える妻の存在も非常に重要ですが、そればかりにとらわれなくて良いのです。

女性主体で活躍することに、ためらいを持つ必要はありません。

ご紹介した女性偉人たちは、現代の社会でキャリアを重ねたい女性たちに、きっと勇気をくれるはずです。

少ないながらも文献は出ているので、気になった偉人がいたら、ぜひ詳しく調べてみてはいかがでしょうか。


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