ロシアのウクライナ侵攻の影響で、原油価格の高騰が進んでいます。原油価格の高騰はさまざまな分野に影響を与えますが、私たちの生活にとって大きなものが電気代の上昇です。原油価格の高騰で今後の電気代はどうなるのでしょうか。

電気代が過去最高に

ロシアのウクライナ侵攻の影響で、電気代が過去最高の水準に達しようとしています。

電気料金は「基本料金と電力量料金、燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金」からなります。このうち、問題となるのが燃料費調整額です。なぜなら、燃料費調整額は、原油やLNGなどの価格変動が毎月自動で反映されるからです。つまり、原油価格が高くなれば、電気代も高くなるということです。

それを示すように、東京電力では1月から5月まで連続して値上げが起きています。この1年で見ても、2021年5月の電気代が6,822円だったのに対し、2022年5月では電気代が8,505円まで上昇しています(参照:NHK東京電力電気料金 平均モデルの前年同月比)。

電気代の高騰が続く背景

電気代の高騰が続く背景には、次のような要因があります。

ウクライナ情勢による原油高

見てきた通り、電気代の高騰の原因で大きいものがウクライナ情勢による原油高です。しかも、世界で原油増産も進んでいないため、さらに影響が大きくなっています。

中国の急速な脱炭素化

近年の中国では、急速な脱炭素化によりLNG(液化天然ガス)による発電を推し進めています。そのため、中国によるLNGの大量買い占めが起こり、LNG価格の高騰も起こっています。LNG価格は電気料金の燃料費調整額に影響を与えるため、電気代が高くなります。

リモートワークなどにより、各家庭での電気需要量も増加

コロナ禍でリモートワークが定着したことで、各家庭での電気需要量が増加しています。需要量が増えたため、電気価格も上昇しました。