タイプ別の取扱説明書
リーダータイプ
リーダータイプは上昇志向が強く、成果主義。自分が主導権を握りたい人が多く、他人から指図されることは嫌いです。それは、自分に自信を持っているから。自分が努力して成果を上げてきたというプライドがあるからこそ、自分が認めていない相手にあれこれ言われることが許せません。頑張っている姿は見せないかもしれませんが、努力家なのです。
成果主義の考え方から、ビジネスライクで無駄話も嫌いです。仕事も効率的かつロジカルに進めることを良しとしています。要点をまとめて伝えることは大前提。根拠やデータがない提案には価値を見出しません。「なんとなく良さそうだ」といった勘やフィーリングに同意することはないでしょう。
このタイプが好むのは、「上昇、成長しようとする姿勢」。たとえ失敗しても、勉強したり人に教えを乞いながら再チャレンジする姿勢を見せると、その気概や努力に見所を感じてくれるでしょう。自分に自信を持っている分、面倒見も良い傾向があるので、「教えてください」と話しかけると嬉しくなる人も多いです。
要注意ポイントは、相手とのポジショニング。プライドが高いので、「軽んじられた、侮られた」と感じさせる言動は地雷です。何かの決断を委ねる時も「これでいいですよね?」ではなく、「自分はこう考えていますが、〇〇さんがどう考えているかを教えていただけませんか?」と尋ねてみると良いでしょう。
相手をさり気なく立ててあげるとスムーズにコミュニケーションが進むでしょう。ただし、「すごい!」「さすが!」などの根拠がない褒め言葉より、「勉強になります」など、相手の自信の源や努力を認めているというアピールの方がより響きます。
陽キャタイプ
陽キャタイプはムードメーカー。ノリがよくアクティブで、良くも悪くも楽観的なアイデアマン。この性質がうまく作用すると、新しいサービスやビジネスを生み出したり、一気に物事を動かす原動力になります。一方、悪い面が出るとツメの甘さが露呈することも。
相手の肩書きよりも、アイデアに対して一緒に盛り上がれる相手かどうかが判断軸になりがち。とはいえ、自分のアイデアに固執するタイプではありません。協調性が高く、他人のアイデアの方が良いと思えば「それいいね!」と素直に乗っかる柔軟性も持ち合わせています。
このタイプが好むのは「面白さ」。意見を出し合うディスカッションも好きなので、話し合いの場ではどんどん意見を促すと張り切ります。アイデアを挟む余地のない、既に決められた物事に対しても「ミッションをこなすと、みんなにとってこんなに良いことがあるよ」とビジョンを膨らませてあげるとモチベーションにつながるでしょう。
要注意ポイントは、否定的な姿勢。ノリの良さや楽観的なアイデアは時にツッコミどころも満載ですが、頭ごなしに否定したり、ネガティブ要素だけを指摘されるとやる気が萎んでしまいます。懸念を指摘する時は、あくまでも「より良い方向に進めるために」という視点から、一度肯定し、要点を手短にまとめてあげると良いでしょう。
自分の言動が周りにとってポジティブな影響を与えていることを体感すると喜びを感じるタイプです。「面白いアイデアだね!」「あなたといるとミーティングが楽しい」など、明るく伝えてあげると、ますます張り切る力になります。
研究者タイプ
研究者タイプは知識や正確性、クオリティを重視します。ロジカルさはリーダータイプと通じる部分もありますが、より良い成果を目指して新しい手法にチャレンジしていくことも厭わないリーダータイプに対して、「新しい手法は、踏襲されている手法より効率良く、クオリティの高い成果を出せるのか?一度成功したとしても、再現することはできるのか?本当にその条件は正しいのか?」と、より深く検討し、納得するまで進まない慎重さが研究者タイプの特徴です。
饒舌に相手に主張するというよりも、とことん熟考する人が多い傾向にあります。話し合いの場では自分の思考ペースとディスカッションの進行がずれてしまうこともしばしばあり、懸念を抱えつつ発言できないことも。
このタイプが好むのは「データと根拠」。最終的に質の高いアウトプットを求めるため、自分の意見も正確に発言したいと考える人が多いです。考えるための客観的な材料と、自分の考えをまとめるための時間をしっかりと与えることが、スムーズなコミュニケーションの鍵になります。
要注意ポイントは、抽象的な言葉や急かし立てること。正確さを重視するタイプなので、抽象的な話に対しては困惑してしまいます。また「要点のみを簡潔に」などの言葉も要注意。一見関係なさそうな詳細も重要な前提条件として捉えているので、「どうして正しく理解しようとしてくれないんだ」と感じてしまう原因に。聞き手側が都度、話の要点を整理することが大事です。
自分の知識や技術、専門性について誇りを感じている人が多いので、「先日教えていただいた〇〇の知識が、今日の営業でこんな風に活きました!」というように、相手の得意領域について具体的に褒めて伝えると喜ばれます。
平和主義者タイプ
平和主義者タイプは人間関係や協調性を第一に考え、争い事にストレスを感じます。常に他者を優先し、自分の言動が相手にとってどのように受け取られるか、影響を与えるかを考えて行動することが多いでしょう。相手の期待に応えること、みんなのためになることが大きなやりがいです。
頼まれごとを断るのが苦手で、自己主張も得意ではありません。自分の意見はあるのですが、それを発することで争い事が生まれてしまうのであれば、黙っていようと考えます。意見を活発に戦わせるようなディスカッションも、ストレスとして感じやすい傾向にあります。
このタイプが好むのは「協調と共感」。居心地の良い穏やかな空間を重視する一方、他者優先の意識が強すぎて、なかなか自分の意見を表明しづらい傾向もあります。そのため、意見を求めるときは「あなたの意見がみんなの参考になる」など、伝え方を工夫することも必要です。急かし立てることなく、頷くなど共感の姿勢を見せながら、ゆっくりと話を聞くと良いでしょう。
要注意ポイントは、強い口調や無関心。決してそのような意図がなかったとしても、きつい言葉や大声でのやりとり、また、無表情だったり素っ気ない会話は「怒っているの?」と不安にさせてしまいます。笑顔を忘れず、クッション言葉を入れるなど、思いやりを感じさせる会話を意識しましょう。
「和を以て貴しとなす」の精神で、お互いのことを尊重し、大切にし合う関係性や空間を好むタイプです。「ありがとうございます」「助かりました」など、労いや感謝をこまめに笑顔で伝えると、良い関係性が築けるでしょう。