名作ホラー映画「エスター」ですが、本当にあった話が元になっているというのは本当なのでしょうか。この記事では、映画「エスター」のあらすじや、その元となった実話について迫ります。「エスター」ファンの方はもちろん、まだ鑑賞したことがない方も、この記事をチェックして映画の概要についてチェックしてみてください。
ホラー映画『エスター』の概要&簡単なあらすじ
ホラー映画「エスター」は、2009年に公開されたアメリカのサイコホラー作品です。監督はジャウマ・コレット=セラで、彼は低予算ホラー映画の製作を手がけるオンブラ・フィルムズの設立者としても知られています。
コールマン家の母、ケイトは3人目の子供を流産してしまったことにより、不安定な状態にありました。彼女は元アルコール中毒ということもあり、側から見ても心配になるほどの状態だったのです。そんなケイトを見かねた夫のジョンは、養子を取ろうと決意します。
そして彼らのもとへやってきたエスターは、賢くて礼儀正しい反面、どこか素性の読み取れないミステリアスな雰囲気のある少女でした。
ホラー映画『エスター』のネタバレあらすじ
ここからは、ネタバレを交えながらホラー映画「エスター」のあらすじをご紹介します。「エスター」を観たことのある方があらすじの確認をするのにぴったりです。また、観たことのない方もこちらに目を通して頭を整理してから鑑賞すると楽しめるでしょう。
ネタバレあらすじ①エスターと家族の出会い
3人目の娘ジェシカを流産したことで、ケイトは悪夢に苛まれるようになります。そこで夫のジョンと相談し、養子を取ることを決めたのでした。孤児院で彼らが見つけたのは、他の子供たちとは違った雰囲気を帯びたエスターというロシア出身の少女でした。
エスターは手話を覚え、耳の聞こえない彼らの子供マックスと仲睦まじくなります。しかし、ダニエルはエスターのことを毛嫌いしていました。エスターはケイトの反対を押し切り、学校向きとは言えないフリルのあしらわれたワンピースを着て登校します。
するとエスターは学校でいじめに遭うようになります。しかし、首のリボンに触れられると、奇声をあげて騒ぎになりました。ある日、モデルガンで誤って鳩を撃ってしまったダニエルを見たエスターは、天国に行かせるため石で殴り殺せと命じます。
ダニエルが断ると、エスターが鳩を殺したのでした。ケイトは、ジェシカの灰を撒いて育てた薔薇をエスターに見せ、家族の日記を手渡し「あなたも家族の一員だ」と話します。
その日の夜のこと、半裸の状態で台所にてイチャイチャしていたジェシカとケイトでしたが、エスターが覗き見していることに気が付きました。翌朝ケイトが弁明しようとすると、エスターは気にもとめない様子で、大人の事情を全て把握しているようでした。
ネタバレあらすじ②エスターへの疑惑が確信へ
まだ9歳の子供が大人の行為について知っていたことに驚きを隠せないケイトは、彼女にカウンセリングを受けさせようとジョンに提案しますが、聞き入れてもらえません。ある日、公園の遊具で遊んでいたエスターを、一人の少女がいじめていました。
エスターは人目が向けられていない隙に彼女を突き落としてしまいます。しかし、マックスだけはその場面を見ていました。しかしそのことを周囲に言えず押し黙ります。相手の親から非難されるも、エスターは「滑っただけ」と言い張ります。
ケイトは疑いますが、ジョンは彼女を庇うのでした。そんな時、ダニエルは夕食時にエスターへの不快な感情を爆発させてしまいます。ジョンは怒り、ダニエルの気に入っていたツリーハウスの鍵を取り上げ、彼女に謝るまで返さないと言います。
そんな中、ケイトの元に孤児院のシスターから連絡が入ります。エスターが歯医者に行くのを拒否すること、シスターの電話に出たがらないこと、突き落とし事件を起こしたことを相談するも、不安は去らないままでした。
さらにケイトは、あまり弾けないはずのピアノを完璧に演奏するエスターの姿を目にします。どういうことか問い詰めると、エスターは悪びれもせず「あなたが教えたがっていたから」と言い切るのでした。
ジョンとケイトはエスターに対する感情の違いからすれ違いを増していきますが、その様子を見てエスターはほくそ笑みます。ある日、孤児院のシスターが彼らの家を訪れ、エスターの調査について報告します。
そして過去にもエスターの周りでトラブルが頻発していたこと、火事に関与していたことも考えられることを話したのでした。エスターはマックスを連れてジョンの金庫から拳銃を取り出し、シスターを脅そうとします。
マックスは逆らえないまま彼女についていくのでした。エスターは、シスターの帰り道の車道にマックスを突き飛ばして車をスリップさせます。さらに車から出てきたシスターをハンマーで殴り、暴行の末殺してしまうのでした。
死体はツリーハウスに隠し、泣き喚くマックスを「泣くな」と一括し、共犯であることを言い聞かせます。そんな二人を見たダニエルはエスターに気づかれてしまい、彼も脅されることになるのでした。
エスターはカウンセリングの医者も欺き、ケイトが悪者にされてしまいます。その頃、カウンセリングを受けたエスターはトイレで暴れまわっていました。
そんな中孤児院からシスターが帰っていないと連絡があります。さらにシスターの死亡が判明し、警察が家に押し寄せケイトの疑念はさらに深まるのでした。
ネタバレあらすじ③エスターの衝撃ラスト
手がかりを得たいケイトは、エスターの私物の聖書を漁ります。するとそこには〝サールン・インスティチュート〟というスタンプが押されており、そこへ電話をかけるとエストニアの精神病院につながりました。
一方ダニエルはツリーハウスで物証を抑えようとしますが、エスターが先回りし彼の前で証拠を焼いてしまいます。そしてダニエルはツリーハウスに閉じ込められ、焼け死にかけてしまいます。石で殴ってトドメを刺そうとしたエスターでしたが、マックスが間一髪阻止しました。
頚部損傷をしたダニエルは入院することになります。エスターはジュースを買いに行くと祖母に告げ、ダニエルの部屋に侵入すると酸素吸入器を外してしまいます。心停止の警告音を聞いた医師たちが駆けつけ、ケイトは平静を失いエスターを平手打ちしました。
鎮静剤を撃たれたケイトは、病院に一泊させられることになります。ダニエルはなんとか一名を取り留め、ジョンはマックスとエスターと共に自宅へ帰ります。その夜、エスターマックスの補聴器を盗みます。
そしてケイトのスリップを着て化粧をしたエスターは、落ち込んでいるジョンの元へ寄り色仕掛けをします。ジョンは激しく拒み、エスターは不快になり部屋に戻りました。ケイトが病院で目覚めると、〝サールン・インスティチュート〟の医師・ヴァラヴァから着信がありました。
そこで「家族を安全な場所に避難してから通報しろ」という医師は、彼女の本名がリーナであること、下垂体性機能不全という病気で発育不全が起こっており、生まれたのは1976年で33歳の女性であることを告げました。
ヴァラヴァ医師は、さらに彼女が自分の知る限りでも7人を殺していることを話します。そして、エスターはエストニアで引き取られた家庭で父親を誘惑して失敗すると、家族を殺し家に放火したというのです。
ケイトは急いで帰ろうとします。エスターは部屋に戻ったあと暴れ回り、姿を消していました。ジョンがエスターの部屋に入ると、水槽のブラックライトに気が付きます。そのライトを取り外して彼女の描いた絵にかざすと、昼間とはまるで違う絵が浮かび上がりました。
壁には男女の営みのような絵も描かれており、ジョンも彼女の異常性に気がつきます。そしてケイトからの電話に出ようとしたところ、家の電気が全て消えてしまい、配線ケーブルが破壊されていることに気が付きます。
ケイトは警察に通報し、帰路を急ぎます。玄関先ではエスターがナイフでジョンを滅多刺しにし、それを見たマックスはクローゼットに隠れました。ケイトは家に着いて銃を持ち潜入します。そこでジョンの遺体を見つけ泣き喚くのでした。
エスターは自宅の銃でケイトの腕をうち、ケイトは窓から出て温室の天井に飛び移ります。マックスもまた温室に隠れており、ケイトは隠れているよう手話で伝えます。しかし、エスターがマックスを見つけて撃とうとしたため、ケイトは動揺してガラス天井を突き破って落ちます。
エスターはケイトの下敷きとなり、その隙にケイトはエスターの銃を奪ってマックスと逃亡しました。警官が到着しますが、もうそこにはエスターはいません。エスターはナイフを手にケイトとマックスを追いかけていました。
そして戦いは湖の上で繰り広げられることとなり、ケイトが銃を落としてしまいます。マックスは銃を渡そうとするも届かず、凍っている湖の表面に銃弾を放つとヒビが入って、取っ組み合っていたエスターとケイトが湖に転落します。
そして攻撃してくるエスターに肘鉄を食らわせたケイトが氷の上に上がろうとすると、その足首にエスターがしがみついて「ママ」と言います。
そんなエスターにケイトは「私はあんたのママじゃない」と言い放ち、蹴り落とすのでした。エスターは湖の底へと姿を消してしまいました。
ネタバレあらすじ④もう1つのエンディング
エスターのDVDには、特典映像として別のエンディングが収録されています。そのエンディングでは、ケイトとマックスに逃げられたエスターは彼女たちを追うのを諦め、部屋に戻ります。そしてひび割れた鏡の前で着替え、子供らしいメイクを施します。
そして踏み込んできた警官の前に現れたエスターは、無邪気に笑って自己紹介します。もし彼女が逮捕されても、また以前と同じように精神病院に収監されるだろうと思わせるような不穏なラストとなっています。