〈CAPPの研究でわかったこと〉
2015年に世界に向け発表されたサイエンスの研究では、絆の強い飼い主と犬との間で見つめ合った時に、どちらからもオキシトシンがアップしました。
今回の研究では、普段の関わりはほとんどなくても小児がんの子どもと犬は、その場だけでの約30分のセラピーで双方にもオキシトシンが出ています。これは、辛い状況の子どもたちが癒されていること、犬たちも我慢やストレスを感じておらず一緒に楽しんでいるということを示しています。
*今回のJAHAの研究は、CAPP活動のセラピー効果の検証を目的に、麻布大学名誉教授 太田光明氏の指揮のもと、実現しました。
*研究協力者:チームリーダー夏目百合子、同サブリーダー佐々木拓也、柴内裕子相談役、千葉陽子CAPP委員(いずれも日本動物病院協会所属獣医師)
犬セラピーの時間は、子どもたちやそのご家族のみならず医療スタッフも“心の癒し”を感じ、みんなが楽しいひとときを過ごすことができます。
この共同研究から、その効果が科学的にも証明されました。
今後は、犬セラピーの効果を社会に十分広める活動も行っていきたいと考えています。
千葉県こども病院血液腫瘍科部長
医師 角田治美
犬セラピーは、入院前の日常生活を感じさせ、治療と無関係の楽しい場面を味わうことで子どもたちに笑顔、それを見つめる親も笑顔になります。
認定NPO法人
ミルフィーユ小児がんフロンティアーズ
理事長 井上富美子
私たちの活動では、世界の基準を参考にしながら、動物の専門職ならではの目線でさまざまな規定を設け、動物の参加基準から活動内容や時間など、犬にストレスがかからないようさまざまな配慮をしてきました。今回の研究で、参加する犬たちにも活動後にオキシトシンの上昇が見られたことで、基準を守って活動することは、犬たちの幸せにもつながっているということもわかりました。
犬セラピーに必要なのは、人に愛され、信頼している犬たちの幸せな表情と温かい存在。犬たちが大好きな飼い主さんと喜んで出かけ、動物たちだけが持つ特別な癒しの力を、これからも必要としている子どもたちに笑顔を届けられますように願ってやみません。私たちはプロとして、動物たちの元気と人との豊かな暮らしを見守っていきます。
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
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