「親がヤバい!」いざそうなったとき仕事と介護をどう両立させればいい?

老いた親と向き合い疲弊する人々「仕事と介護の両立も大変」
(画像=『女子SPA!』より引用)

現役世代にとって介護負担は自分の仕事にも直結する。親の面倒と仕事をどう両立させるかは、最も大きな関心事だろう。

「介護負担で働き手を失うのは企業にとっても痛手です。最近では職場に介護相談窓口を設ける企業も増えています」

 そう話すのは前出のNPO法人となりのかいごの川内氏だ。同法人ではそんな企業から依頼を受けて介護相談会を開いている。すると、社員から「転勤になったが同居する母親をどうしたいいのか」「父の介護をしていた母親が倒れてしまった。自分が実家に帰るべきだろうか」といった悩みが、1か月に数十件も舞い込むという。

「その際、僕はあえて『介護よりも仕事を優先しましょう』とアドバイスをします。介護と聞くとおむつ交換や風呂介助などをイメージしがちですが、それをすべて家族がやるのはムリです。そういった作業はできるだけ外部のプロに任せて、自分は調整役に徹する。介護職と家族がすべき内容は別モノで、自分の仕事や生活を守るのが“本当の介護”です。だから介護離職など絶対にすべきじゃない」

地域包括支援センターに早めの相談を

 仕事と介護の両立をサポートするリクシスの佐々木氏は、「介護で最も大変なのは、サポート体制を整えるまでです」と話す。

「親の介護は、“新規プロジェクト”が発生したと考えたほうがいい。介護も会社での仕事も、最も負荷がかかるのは、体制を構築するまでの時期です。『いつまでも大変な状態が続くわけじゃない』と考えることで、精神的にもラクになる」

 そこで「地域包括支援センター」への早めの相談が必要になる。

「私の母親は要支援1(最も軽い要介護度)で、杖を使えば歩けますが、早めに申請をして悪化しないためのケアを提案してもらいました。紹介されたケアマネジャーが中心になって見守りのプランを立ててくれるのです。今後、老化が進んでもケアマネジャーと顔見知りなのでスムーズに介護レベルを上げられます。ほかにもヘルパーや民間の見守りサービス、配食サービスなどもある。それらを組み合わせてなるべく自分が直接関与しない体制を築くのがコツです」

 また、親の介護のことを会社にはどう報告すべきだろうか?

「仕事と両立できる介護体制を組ことを明確にした上で、上長に相談することです。単に『親の介護が始まって』と報告すると、周囲が過度に気を使って重要な仕事から外すなど“無用な忖度”をしてしまうことがあります。だから介護体制を整えて、『月に1回だけケアマネジャーと会うので休みます』『病院への付き添いの日だけは半休をとります』など、具体的なプランを報告するようにしましょう」

 親の状態が気になって仕事が手につかないような事態を避けるためにも、早めに動くべきなのだ。

【リクシス代表 佐々木裕子氏】

老いた親と向き合い疲弊する人々「仕事と介護の両立も大変」
(画像=『女子SPA!』より引用)

東京大学法学部卒。日本銀行、マッキンゼーアンドカンパニーを経て独立、起業。’16年リクシス創業。自身も離れて暮らす80代の両親の介護に取り組んでいる

― 親が死ぬ前にやることリスト30―

<取材・文/週刊SPA!編集部>

提供・女子SPA!



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