キースイッチをチェックする
キースイッチとは、キーボードのキーを構成している一つひとつのスイッチのことです。 ようするに、キーボードはキースイッチの集合体というわけです。
キースイッチは構造上の観点から大きく4種類に分けることができます。種類ごとに打鍵感(だけんかん)が異なるので、自分が快適と感じるキーボードを選ぶ上で重要な要素になります。
メンブレイン方式
比較的安いキーボードでよく採用されているのが「メンブレイン方式」というキースイッチ。 構造はとてもシンプル。回路が張りめぐらされているシート(メンブレン)がキー全体の下に敷かれていて、その上に打鍵感を与えるためのラバードームというゴムの部品がついているというもの。
メンブレイン方式でつくられているキーボードのメリットは安いこと。1,000円~3,000円くらいの価格帯のものは概ねメンブレイン方式です。
だだし、リーズナブルな反面、キーストロークは深めで反発力も強いため、長時間のタイピングにはあまり向いていません。
パンダグラフ方式
軽量で薄型のキーボードやノートPCで多く採用されているのが「パンダグラフ方式」。 先に紹介したメインブレイン方式と同様に、キーボード全体でシートを共有しています。 しかし、少し違うのは、この方式では、キートップ下に交差した支柱がセットされていて、これがキーを支えているというところ。
この構造により、キーの中心を押さなくてもキーが反応してくれるため、確かな打ち心地を得られますし、タイプミスも軽減されます。
メカニカル方式
「メカニカル方式」の特徴は、一つひとつのスイッチが独立した構造を持っているというところです。 つまり、各キーとシートに独立した接点があるのです。これがメインブレイン方式、パンダグラフ方式と決定的に違うところです。
キースイッチがそれぞれ独立していることにより、確実に打鍵感が得られ、打鍵音もしっかりしています。
静電容量無接点方式
「静電容量無接点方式」とは、タイピングによりキーが押し込まれて一定の間隔まで電極同士が接近したときに回路が接続され、キーが押下されたことを感知する仕組みのキ―スイッチです。
他の方式と違い、キートップに物理的な接点がないため、エラーが起こりにくく、なめらかにタイピングできるのがメリットです。
ただ、静電容量無接点方式のデメリットは高額なところ。安価でなものであれば1,000円くらいで購入できるキーボードですが、静電容量無接点方式のキーボードは一万数千円から数万円くらいの値段になります。
キーピッチをチェックする
キーピッチとは、キーの横幅とキー同士の隙間を含めた間隔の長さのこと。
ノートPCのキーボードは、キーピッチが19ミリの製品が多いですが、この場合、キーの横幅が17ミリでキー同士の隙間が2ミリという具合になっているわけです。
つまり、キーピッチが狭いということは、それだけキー同士が密集しているという形になります。
キーピッチが狭い方が良いのか広い方が良いのかについては、手の大きさや指の太さによって変わってくるので、手指が小さく細い方はキーピッチが狭い方がタイピングしやすいかもしれません。
逆に手指が大きい方は、キーピッチが狭いキーボードだと肩がすぼまる姿勢になり、体に負担がかかるでしょうし、打ち間違いのリスクも高くなると考えられます。
キーストロークをチェックする
キーストロークとは、キーを押下したときに底打ちするまでの深さのこと。
一般的なデスクトップPC用のキーボードは、4~5ミリ程度のキーストロークとなっています。 キーストロークが長いと、キーを叩いて入力している感覚が得られますが、デメリットもあります。
特に、先に紹介したメンブレン方式やパンダグラフ方式を採用しているキーボードの場合は、構造上、キーを奥深くまで押し込まないと感知されないため、キーストロークが長いとタイピングしずらく、疲労感も溜まります。
これに対して、メカニカル方式や静電容量無接点方式のキーボードの場合は、それほどキーを押し込まなくても反応するようになっているので、快適で疲れにくいというメリットがあります。
タイピングの速度や正確性を求められるプログラマーの場合、基本的にはキーストロークは長すぎない方がよいでしょう。