「未経験者で異業種への転職の場合、給与交渉の余地がなく、企業側が提示した給与額を受け入れるしかない」そう思っていませんか?実はそんなことはなく、交渉の仕方によっては年収UPも可能です。本記事では、異業種の分野に未経験者として転職する場合、どのように給与交渉をしたらよいのかについて、6つのポイントを紹介します。これから異業種の分野への転職を考えている方は、納得のいく給与交渉を進めるための参考にしてくださいね!
未経験者が転職で給与交渉するのはタブー?
少し前の資料になりますが、厚生労働省が公表している「平成29年雇用動向調査」によると、転職したことで賃金が増えたという人は、全体の36.2%となっていて、データが比較できる2004年以降、上昇傾向にあるようです。
こうした背景には深刻な人手不足があり、企業は賃金を引き上げてでも人材を確保しようとしているということがあります。
しかし、この数字はあくまでも「転職者」という大枠内での数字です。おそらく転職で賃金が増えた人の大部分は未経験の分野への転職者ではないでしょう。
実際、未経験の転職者の受け入れに対して難色を示す企業が多いのが現状です。
そう考えると、未経験の転職者には給与交渉の余地がないように思えます。
しかし、未経験者だから給与交渉してはいけないということはなく、交渉次第では前職よりも年収をアップさせることができます。
未経験者が転職で給与アップするための6つの交渉術
では、具体的にどのように給与交渉すればよいのかについてですが、本記事では6つのポイントを紹介します。
前職の収入をベースにする
給与交渉して前職より年収がアップできればベストですが、現実問題、転職を機に年収をアップさせるのは簡単ではありません。
とはいえ、諦めてしまうと、転職で人生がハッピーになるどころが、以前よりアンハッピーになるかもしれません。
ですから、まずやるべきは前職の給与は最低限下回りたくないというアピールをして防御線をしいておくこと。
前職での基本給、残業、賞与、住宅手当や家族手当などの各種手当がどのくらいであったか、その数字を正確に先方に伝えて「処遇を決めるときの検討材料にしてほしい」としておくのです。
こうしておくことで、まずは以前の給与を下回るのを回避できる可能性は高くなります。
本命以外の会社も受けておく
転職希望者によくありがちなのが、本命の一社に絞って転職活動を進めようとするパターンです。
確かに、本命の会社に一発合格できれば最小限の労力で目標を達成できますし、転職に伴う精神的ストレスも少なくてすみます。
特に、働きながら転職活動をする方の場合は、時間的な余裕がないでしょうから、受ける会社はできる限り絞りたいはずです。
なぜなら、複数の会社を受ける中で、自分の市場価値をはかることができるからです。
つまり、面接の中で「私の場合、この職種であればだいたいこのくらいの年収がもらえる」という目安がわかってくるので、そうやって得た情報をもとに、年収の交渉がしやすくなります。
例えば、「先日A社から400万円を提示されたので、それ以上の金額にできないか」ということを交渉のカードに使えるわけです。
根拠があれば、より強く交渉をすすめることができます。
タイミングよく交渉する
給与交渉はタイミングが非常に大切です。
このタイミングについては、自分が面接官側だったらどう思うかを想像すると理解しやすいと思います。
例えば、採用面接の場で開口一番に給与の交渉をされたらちょっと引いてしまいますよね。
ベストな交渉のタイミングは、相手から「給与はどのくらいを希望していますか?」と聞かれたとき。
または、「何か質問や心配なことはありますか?」と聞かれたときです。
そして、忘れてはならないポイントとしては、内定が出た時点や一次面接を通過して内定が出そうな雰囲気が感じられる場合などに限られます。
この段階までくれば「この人を採用することは会社に利益になるかもしれない」と採用側が感じているわけですから、交渉に応じてくれる可能性は高くなります。
「やる気と根性」で押し通すのはNG
「未経験ですが、やる気と根性は誰にも負けません、だから給与をアップしてください」と交渉する人も中にはいますが、成功することはありません。
例えば、化粧品のセールスマンに「この化粧水は一生懸命作ったんです!でもお肌に効果があるかどうかはわかりません。」とPRされても、その商品を買う気にはなれないでしょう。
言うまでもなく、企業は根拠のないことに投資することはありません。やる気と根性を武器に給与交渉すれば「根拠のない無責任なことを言う人」とレッテルを張られてしまい、逆効果になります。
今自分にある資源をフル活用する
未経験であっても「この人は会社の利益になるはずだ」と思わせることができれば、給与交渉の余地はあります。
ですので、今自分が持っている資源(資格や人脈)の中で交渉材料がないかをチェックしてみましょう。
例えばマーケティング関係のMBAや、マイクロソフトの認定技術者の資格であるMPCなどを持っていると経験のなさをフォローできることがあります。
また、前職までで築いてきた人脈も交渉材料になり得ます。
前職の顧客が転職先でも顧客対象になる場合もあるでしょうし、転職先に新しいビジネスを持ってこれる人脈があるならば、それを高く評価される場合があります。
未経験であるがゆえの強みを探す
「未経験であるがゆえに転職先に新たな視点を持ってくることができる人だ」と評価されれば、給与交渉しやすくなります。
また、営業職から広報に転職する場合、営業職で培ってきた数字感覚が広報の仕事に新しい視点を持ってくるかもしれません。
ですので、未経験者であっても、培ってきたものが転職先で評価される場合があり、それは給与交渉の材料となるわけです。
自信を持って自分のスキルや実績をアピールしましょう。