木村は俳優として「キムタクという偶像」を演じている

恐らく、ご本人すら聞き覚えがある「木村拓哉は何を演じてもキムタク」という意見。それは間違いありません。しかし筆者には、木村が俳優として、求められる“キムタク”という偶像を演じているように思えてならないのです。

例えば、一時期キムタクドラマの代名詞にもなった決め台詞「ぶっちゃけ」「maybe」……に「ちょ待てよ」(これは決め台詞ではありませんが)。こんなキザで寒いセリフ……キムタクじゃなければ吹き出しちゃう。でもキムタクだと成立する。脚本の多くが、木村を当て書きしていることも影響していますが、彼はどの作品でも、その作品に求められる“キムタク”を忠実に演じています。

木村拓哉の演技は“受け”である。ファンでなくてもキムタクのドラマは観てしまう理由|ドラマ『未来への10カウント』
(画像=『女子SPA!』より引用)

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複雑な生い立ちをもつキムタク(フジテレビ系『空から降る一億の星』など)に、変人のキムタク(TBS系『MR.BRAIN』など)、そして、ちょっと老けたキムタク(テレビ朝日『BG~身辺警護人~』など)。俳優・木村が凄いのは、どんな“キムタク”も作品のなかに違和感なく存在させているということ。それこそが彼の演技の味であり、魅力なのです。

アラフォーである筆者は、特にキムタクドラマを観て育ってきたからでしょうか。社会現象にもなった“キムタク”という偶像には絶対的なものがあり、変化を加えながらもそのブレない姿に心を奪われてしまうのです。

最新作で“かつてないほどやさぐれたキムタク”を拝む

キムタクはドラマで「職務を愚直に頑張る」または「挫折からの復活」というキャラクターに、恋愛要素もしくは、ちょっと変人要素を掛け合わせた役を演じることが多いのですが、今回の『未来への10カウント』はまさに「挫折からの復活」をする男性。高校時代にボクシングで4冠を達成するも、網膜剝離でボクシングを断念。妻を亡くすなどして人生に絶望した男・桐沢祥吾(きりさわ・しょうご)を演じています。

図らずも母校の高校でボクシング部のコーチになったことで、徐々に熱を取り戻していく桐沢。4月14日に放送された第1話では、かつてないほどにやさぐれた“キムタク”がそこにはいました。でも、後半に生徒とスパークリングをする姿は、やはりかっこいい“キムタク”(笑)。

共演者が豪華なのはもちろんですが、初共演や久しぶりの共演も目立ちます。ボクシング部の顧問になったヒロインに満島ひかり、ボクシング部を廃部にしたい校長に内田有紀。教頭役の生瀬勝久、桐沢の親友役の安田顕に恩師役の柄本明が脇を固めます。生徒役を演じる高橋海人や山田杏奈、村上虹郎にも注目です。

第2話以降は、学園スポ根ものらしい展開が予想されます。となると見どころは、やはりキャスト陣と“キムタク”との化学反応といえるでしょう。

4月21日に放送される第2話では、桐沢がボクシング部のコーチとして、2カ月後のインターハイ予選に向けて指導を開始。今回もブレることのない“キムタク”節全開で、私たちを魅了して欲しいと思います。

<文/鈴木まこと(tricle.llc)> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 鈴木まこと tricle.llc所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Instagram:@makoto_s.1213

提供・女子SPA!



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