ヨガは喜びを見つけるためのツール
–クラスでのレッスンのみならず、セミナーや講演でも活躍していらっしゃる浅野さんが大事にしているのはどのようなことでしょうか。
『それぞれの個性を活かすこと』と『自分で考えてもらう』ことです。ヨガクラスでレッスンするときも、あえて全部を説明しないようにしています。「体を右にねじって、手はこうで、足はこうで」と説明し、その後は「じゃあ次はその逆をやってみてください」にとどめる。
一人一人の体も心も違うことを大事にしたいので、その先は本人に感じて動いてもらいたい。抽象的な言い方になりますが、ヨガは自分の『個性』に気づいていくことだと思うのです。
–ヨガで自分の個性に気づく、とは。
例えば、セミナーではリフレッシュも兼ねて「ちょっとヨガのポーズではないもので何か運動してみましょう」とお伝えすることがあります。その時にどのような動きをするかにも個性は表れます。ある主婦の方は、『洗濯物を干すポーズ』や『急いで自転車を漕ぐ運動』などをしてくれました。
その人のバックグラウンドや日々の生活に直結しているからこその表現、それが個性そのものだと思います。さらに、その個性をどう活かして世の中に貢献できるかに気づくことが『自立』でもあると考えています。
–各々の個性と切り離せない、生活の延長線上にヨガが存在するのですね。
少し語弊があるかもしれませんが、『ヨガが人生のすべて』だと『ヨガのポーズをしているとき』が幸せで、『そうじゃない時間』は不幸せということになるのではないかと…。
毎日の生活の中では、ヨガをしている時間よりもそれ以外の時間の方が圧倒的に長い。その圧倒的に長い時間も幸せでいるためにヨガをしていると個人的には思っています。
ヨガは個性や自立に気づいていくためのものであると同時に、喜びを見つけるための『ツール』でもあるのです。
–『ツール』ですか。
悲しみや苦しみがあったとしても、そこからまた気持ちを切り替えたり、新たな喜びを見つけたりするためのもの。ヨガのポーズをすることは、自ら肉体に負荷をかけるようなもので、それ自体が楽しいわけではない。でも、ヨガ全体としてはポーズを取る過程や終わりに喜びがある。
サーフィンと似ているかもしれません。サーフィンも波に乗っている楽しい時間よりも、沖に出るために波を漕いでいるきつい時間のほうが多い。でも、それ以上の喜びがあるのですよね。
–ヨガはあくまでも手段であり、目的ではないのですね。そんな浅野さんの今後のビジョンや目指していることを教えてください。
まず一つは、心身の健康のために多くの人にヨガを広めていくこと。そして、もう一つは食とヨガを絡めた宿泊所のようなものを地元・茨城に作ることです。
実家が農家なので、食にはずっと強い興味があります。健康に気をつけたくても、日々の忙しさに引っ張られてなかなかケアできない人たちが、ほっとした瞬間を得られるような居場所を作りたいです。
–素敵な場所になりそうです。最後に、読者へメッセージをお願いいたします。
最初は人の真似で始めたとしても、経験と学びを重ねていくことで自分だけの喜びが生まれていきます。さらに周りの人たちの喜びにつながれば、とても幸せなことだと思います。
苦しくなった時は、『自分の心が喜べることで、周りも喜んでもらえること』を思い出してみてください。
浅野佑介プロフィール
全国で活動中のヨガ指導者。茨城県出身。
サーフィンでのケガがきっかけでヨガに出会い、指導者の道を志す。
ヨガスタジオを併設したデイサービスの開設やヨガプログラムの開発・指導を担当した後、独立。
インストラクターとして痛みと身体に寄り添ったクラスや体幹を意識したクラスを行う。
男性にもヨガを楽しんでもらいたいという思いから、メンズヨガクラス「男ヨガ」も開催。
アジア最大級のヨガイベント「ヨガフェスタ横浜」にて4年連続で講師としてクラスを指導。
DVD『はじめてのメンズヨガ』(ASANA STYLE)や著書『心と身体が生まれ変わる男のヨガ』(ナツメ社)がある。
提供・yoganess
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