新型コロナウイルスの感染拡大によるマスクやトイレットペーパーなどの買いだめ問題が今も深刻な状況ですが、何も日本に限ったことではないようです。今や世界各国でさまざまな「買いだめ騒動」が勃発していますが、背景にはお国柄や国民性も深く関係しています。

今回は、各国の気になる買いだめ事情を紹介します。

イタリア人の尊厳を守れ?唯一売れ残ったものとは

Flaviano Bianchini
@bianco222

今、もっとも感染が拡大しているイタリアで、とあるツイートが話題になりました。その内容は「We might all die.But we'll do it with dignity!(私たちは死ぬかもしれないが、尊厳は失いません!)」という誇り高い一文とともに投稿された、空っぽの棚に唯一売れ残っている冷凍ピザの画像。よく見ると、ピザの上にはパイナップルがトッピングされています。

パイナップルがトッピングされたピザは「ハワイアンピザ」と呼ばれ、ピザ愛好家の間では長きにわたり「邪道か否か」が議論されてきました。特にピザの本場であるイタリアでは、ハワイアンピザは決して受け入れられる存在ではないのかもしれません。しかし、緊急時でもハワイアンピザには決して手を出さないところに、イタリア人のプライドを感じます。

フランスで出された「皮肉な広告」が話題に

トイレットペーパーの買い占めは、フランスでも深刻な問題となっているようです。トイレットペーパーのみならず、乾燥パスタやミネラルウォーターなどを大量に買い込む人も多いらしく、フランスのそこかしこのスーパーでは、さまざまな商品が品薄状態です。

そんな中、フランス中西部にある「アンテルマルシェ マニャック=ラヴァル店」の張り紙が話題となりました。お店が「常識を超えた顧客の皆さまへ」と題した告知は以下のとおりです。

『60ロールものトイレットペーパーは必要ありません。なぜなら新型コロナウイルスで下痢はしないからです。休校の子どもたちと一緒にネックレスでも作らないかぎり、46パックの乾燥パスタもいりませんよ。50パックの米も、トイレットペーパーに見合った買い物とは言えません。(米は便秘になりますから)。断水にはなりませんから、600本ものミネラルウォーターも無意味です。どうか不安に踊らされず、普通の買い物をしている人々の気持ちもお考えください』

賛否両論が起こったこの張り紙。いつ終わるかもしれないコロナへの不安や急激な生活の変化に疲れたスーパーの店員さんが、少々皮肉を言いたくなってしまったのかもしれませんね。
 

アメリカでは「3B」を買いだめする人が急増!

アメリカでは「プレッパー」と呼ばれる世界の終わりに備えている人々を中心に、「3B」なる商品の買いだめが勃発しているそうです。3Bとは「Beans(豆)、Bandaid(バンドエイド)そしてBullets(弾丸)、」の3つのBから始まる商品のことです。

まずは弾丸。これは全米ライフル協会が3月5日に配信した広報誌で、弾丸の売り上げが急増している、と明言しています。おそらく日用品が不足し、略奪行為が起こることを想定して、自衛のために購入する人が増えたのだろう、ということです。

続いて豆。豆と言っても売れ行きが伸びているのは乾燥豆です。開封しなければ賞味期限が約2年と長期保存がきくうえ、タンパク質と栄養価の豊富さが評価された結果だそうです。

最後にバンドエイド。USAトゥデイやビジネス・インサイダーなど、複数メディアが救急箱の必要性を訴えたことが原因だと考えられているようです。

最初に「3Bを備えておくべきだ」と提唱したのは元米陸軍情報部将校で生存術の専門家、ジェームス・ウェスレイ・ローレス。彼はとあるサイトで「非常食、救急用具、そして護身用品を備えよ」という意味で冗談交じりに3Bの必要性を語ったようですが、この3Bを選択するあたり、アメリカのお国柄がよく表れている、と言えそうです。