岐阜県を流れる清流「長良川」に沿って走る長良川鉄道は、魅力いっぱいの観光スポットを持つ鉄道です。今回は魅力溢れる長良川鉄道の歴史や沿線概要とともに、沿線の観光スポットを駅ごとに紹介いします。
長良川鉄道とは
岐阜県美濃加茂市「美濃太田駅」と郡上市「北濃駅」、72.1kmの間を38駅で結ぶ鉄道です。
国鉄時代に岐阜県と福井県を結ぶ路線として建設がはじまりましたが、全線開通は果たせず現在の運行区間となり、昭和61年に国鉄の運営から第三セクターの「長良川鉄道」が引き継ぎ、運行が続けられています。
度々、台風による洪水や大雪による災害などに悩まされますが、途中の「美濃市駅」より先は清流「長良川」に沿って沿線が伸びており、景色や歴史・文化、温泉など見どころ溢れる鉄道です。
長良川鉄道に乗車するには
長良川鉄道の起点は始発駅となる「美濃太田駅」です。「美濃太田駅」までは、JR岐阜駅より高山本線で約40分(普通列車)の道のりです。
長良川鉄道オリジナルを楽しむ
長良川鉄道の最大の魅力は、歴史・文化・伝統・自然・温泉・名産が豊富な沿線観光ですが、長良川鉄道でしか出会えないオリジナル商品も魅力です。
長良川鉄道では、観光列車「ながら」を金曜日・土曜日・休日を中心に運行。車両デザインで有名な水戸岡鋭治氏デザインの赤を基調とした列車で、車内は沿線の素材を使用した装飾が施されています。運行中の車内では山と長良川の風景や、地元の食材を楽しむ事ができます。
また観光列車「ながら」のNゲージや、列車型目覚まし時計、路線図タオルなど、長良川鉄道オリジナルのグッズも楽しみの一つです。
長良川鉄道を上手に利用する
72.1kmの沿線上には、様々な要素の観光スポットが点在しています。
長良川鉄道では各種体験と乗車券がセットになったお得な切符を販売していますが、沿線観光を楽しむのであれば「1日フリーきっぷ」がおすすめです。大人1人2,700円で購入当日「長良川鉄道」の乗降が自由にでき、まさに途中下車の旅に最適な切符です。
また、途中の関駅・美濃市駅・美並苅安駅・郡上八幡駅ではレンタサイクル(1回500円・貸出駅及び使用時間により変動あり)もあります。レンタサイクルを上手に使えば、よりスムーズに観光を楽しむ事ができるでしょう。
長良川鉄道沿線の名産(おみやげ)
沿線上では様々な名産品を楽しむ事ができます。
途中の関市(関駅)は刃物の町として有名です。また、となりの美濃市(美濃市駅)は和紙の産地です。どちらも様々な商品があり、お土産にも役立ちます。
また、山間をすすむ鉄道ならではの山の幸を購入したり味わったりもできます。長良川で釣れたアユの塩焼きは、シーズン中に訪れたならば、ぜひ味わいたい一品ではないでしょうか。
山の湧き水も豊富な郡上市では、名水をペットボトルで販売しています。
地元産の椎茸を使った椎茸茶が売りの郡上八幡駅では、無料で椎茸茶を試飲できます。もちろん駅構内でお土産として購入も可能です。
そしておすすめは、郡上市にある明宝特産物加工株式会社が製造・販売している「明宝ハム」です。国産豚のもも肉100%で作られた地元名産の人気商品。長良川鉄道の旅に出たら、ぜひとも味わいたい一品です。
また、郡上市は町全体でカレーの販売に力を入れています。レトルト販売の「奥美濃カレー」もお土産に適した品です。
沿線の観光スポット
美濃太田駅(太田宿)
長良川鉄道の起点となる始発駅です。JR高山本線とJR太多線との複合駅となっています。
駅のある美濃加茂市は中山道51番目の宿場町であり、今も当時の面影を残す古い町並みが残っています。(美濃大田駅より徒歩約10分)
宿場内には旧家屋を使った宿が残る他、本陣門が残っています。また、「太田宿中山道会館」では、江戸時代の宿場町の様子などの資料展示があり、無料で当時の様子を学ぶ事ができます。
関駅(刃物・鵜飼)
関駅は、長良川鉄道の本社が併設されている長良川鉄道の中心駅の一つです。
関市小瀬の長良川で毎年開催される「小瀬鵜飼」は、長良川鵜飼と同じく約1300年の歴史があるとされており、織田信長も見学したとされています。
また関市は「刃物の町」として有名で、市内にある「関鍛伝承館」では関の刃物の歴史を学べる他、特定日には昔ながらの技法で作る刀鍛冶の様子を見学することもできます。「関刃物会館」では、関の刃物を購入できます。