料理人は一般的に体力勝負でハードな職業。一人前になるためには強い意思が必要ですが、実は“センス”もかなり大きく影響します。料理人に向いている人・そうでない人がいるということです。本記事では現役のプロの料理人が、料理人に向いている人に共通する7つの特徴を解説。「料理人を目指したいけど、自分に適性があるのかわからない…。」そんな方にお読みいただきたい記事です。

意外!?向き不向きがはっきり分かれる「料理人」という職業

プロはこう見る!料理人に向いている人の7つの特徴とその理由
(画像=ベストチョイスより引用)

調理の仕事はやる気さえあればできます。
とはいえ、料理人として一人前になるには食材の知識や技術の習得はもちろんのこと、自己管理能力や部下のマネジメント力などが求められます。
「料理人」という職業に就くこと自体は比較的簡単ですが、その反面、「思っていたのと違った」「自分には向かなかった」として、別業界へ転職していってしまう人も少なくないのです。

そこで今回は、和食料理人として20年以上のキャリアを持ち、そのキャリアの中で50人以上の部下をマネジメントしてきた関口祐市さんに、料理人に向いている人の気質や特徴について伺ってみました。

【プロはこう見る】料理人に向いている人の7つの特徴

料理人に向いている人の特徴はたくさんありますが、その中でも「これは!」というものに絞って7つピックアップします。

食べることが好きな人

昔から「好きこそものの上手なれ」という言葉があります。これはすべての分野の仕事に言えることですが「好き」でなければ技術・能力は向上していきません。
「好き」という感情は誰でも持てるものではないですから、ある意味「才能」と言えるでしょう。料理の世界でいえば“食べることが好き”ということに勝る才能はないのではないでしょうか。

その才能は、「どうしたらもっとおいしくなるだろう?」「どんな食材と食べ合わせたらもっとおいしくなるだろう?」と思考をめぐらせてくれて、創意工夫につなげていってくれます。

「食べること」への追求が根底にあるからこそ、没頭できる、もっとうまくなるために自然に努力できるという形になっていくので、それが結果として訓練の積み上げとなり、料理人としてスキルアップしていきます。

クレーマー気質な人

なぜ?と思うかもしれませんが、クレーマー気質な人は料理人に向いています。

自分自身が品質や接客に厳しい目を持っているため、逆に自らが提供する立場になったときに、お客様視点で俯瞰して物事を見ることができるわけです。
結果として、料理の品質や接客にさまざま“気づき”が生まれ、改善をはかるキッカケになっていきます。

もちろん、単純に「クレーマーが料理人に向いている!」というわけではありません。その気質がお客さんに対して良い商品を提供しようという原動力になる場合もあるということです。

理不尽さを自分の糧に変えられる人

一般的な仕事と違い、料理人の仕事はとても厳しい。
業界未経験で料理人の世界に飛び込むと、拘束時間の長さや作業量に対しての収入の低さ、そして職場内での上下関係の厳しさに驚くのではないかと思います。

飲食業は需要は高いですが、人気のない職種でどの企業も慢性的な人材不足です。ましてや少子高齢化のこの時代ですからなおさらです。
そのため、働き方改革が提唱されている現在でも、料理人の職場では、サービス残業を強いられたり、休日返上で出勤なんてことも多々あるのが実情です。

実は、私自身、条件の厳しさから他の職業をうらやましく思ったり、転職を考えたりすることもありました。

プロはこう見る!料理人に向いている人の7つの特徴とその理由
(画像=ベストチョイスより引用)

ただ、プロの料理人としてしっかり働いていきたいとか、将来自分自身の店を持ちたいという目標があるのであれば、仕事の環境を「労働の場」と捉えるのではなく、「自分の成長の場」と捉えることが必要です。

理不尽なことで叱られたり、取引先やお客さんとトラブルになったり…。しかし、これらはすべて将来の自分の糧。そのようなマインドを持てる人は料理人に向いています。