4.猫のダイエット方法
何よりも大切なのは、まず大切な愛猫を太らせないこと。前述のように、肥満は二次的な病気を引き起こすリスクが非常に高いため、これは立派な「予防医学」となります。しかし万一肥満状態になってしまったら、食事の調整や運動によってダイエットを計画しましょう。
計画的な食事制限
食事制限は正しいプランに沿って計画的に行うことが大切です。次の3つのステップを意識して開始しましょう。
STEP1 適正体重の正しい把握
ダイエットフードへの移行やフード量を減らすにも、どんなフードをどのくらい与えるべきなのか、飼い主ではなかなか判断が難しいもの。まずは獣医師とともに目標体重を算出し、正しい目標値や一日に摂取するべき適正カロリーを把握することからスタートします。
STEP2 ゆるやかなダイエットフードへの移行
ダイエットフードへの移行をはじめます。ただし突然全ての食事を変えるのではなく、緩やかな移行期間を設けるのが大切。急激な変化は猫の内臓にも負担がかかり非常に危険です。
2~3週間ほどかけて、ゆっくりと移行していきましょう。
STEP3 経過観察と見直し
こまめに体重を測定しながら丁寧に経過観察をしていきます。また、その経過を獣医師へ共有しながら、しっかりとプランに沿ったダイエットができているかを都度確認することも大切。望ましい体重減少が見られない場合は、一日の摂取量やフードのタンパク質の配合などを見直す必要があるでしょう。
定期的な運動
前述にもあるように、運動不足は猫の太る原因として大きく占めるもの。犬と違って定期的なお散歩や外での活発な運動をしない猫ですが、室内でも運動を心がけ、定期的に体を動かすことが大切です。
まずは5分間ほどの遊びから始めて、次第に長く、毎日15分間くらいの運動が習慣になるのが理想的です。
ぜひ工夫をしながら、愛猫に合った運動方法を探してみてください。
工夫① おもちゃで遊ぶ
猫じゃらしやレーザーポインターなど、さまざまなおもちゃがたくさんあります。
市販のおもちゃでなくても手作りのものや、ただ段ボールの中に入るのが好きな猫もいますね。一緒に楽しみながら選んであげるのが良いでしょう。
工夫② キャットタワー
猫の場合、平らな場所を走り回るというよりも、上下に運動できるかどうかが重要なポイント。キャットタワーや段差のある家具などで、垂直運動を増やすように心がけてみましょう。
工夫③ 高いところにフードを置く
部屋の中に高さのある場所があれば、そこにフードを置いてみるのも良いでしょう。ダラダラ食べを避け、さらに食事の前後に垂直運動もできる、一石二鳥の工夫です。
5.猫のダイエットの注意点は?
ダイエット時には猫に負担のかかる“クラッシュダイエット”にならないように注意しなければいけません。そのためには、やはり長い目で見たゆとりあるプランを立てること。そして自己流は避け、定期的に獣医師との連携を図ることが大切です。
無理なく計画的にダイエットさせる
早く結果を出したい!そんな焦りからつい急なダイエットを始めてしまいがちですが、これは絶対にNG。急激にカロリーを減らした猫は自分の脂肪を肝臓に取り込みはじめ、それはどんどんと蓄積され、やがて脂肪肝になってしまいます。
健康のために始めたダイエットによって健康を害してしまってはまったく意味がありませんよね。運動量の少ない猫は、一度太った体重を戻すことも簡単ではないもの。
飼い主は「太った分の日数と同じくらい瘦せるための日数がかかる」というくらいの認識をもって、長い目で見ることが大切です。
獣医師とともに健康維持を
体重は計測すれば目に見えるものですが、ダイエット中の体の中は飼い主にはわかりません。必ず獣医師にも“伴走者”になってもらい、正しいダイエットが健康的にできているかをしっかりと見てもらいながら進めましょう。
そうすることによって、適切なダイエットプランの継続や見直しを図ることができます。
また、ダイエットをしているペットのコミュニティに参加するのもおすすめ。
情報交換をしながら進める明るくオープンなダイエットは、飼い主にとっても良い環境になるうえ、ダイエットに成功した猫とコミュニケーションを図ることで、目指すゴール(理想体型)が可視化され、飼い主の意識の向上にもつながります。
6.まとめ
猫は犬と比べても太りやすく、肥満はさらなる病気をも引き起こす大変危険な状態であることがわかりました。
ダイエットをするにもそれほど簡単ではありません。とにかく大切なのは、愛猫を“太らせない”こと。
食事や運動など、飼い主自身の生活や飼育環境から見直すことで、より長い愛猫との人生を築いていきましょう。
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