「力では勝てなかったから…」用意した武器は?
「元彼は、たいして格好良くもないのに、いつも服や髪型に悩んで、外見を気にするタイプでした。今回は彼のコンプレックスを刺激しようと、完璧なイケメン弁護士を探し出して依頼しました。もちろん、評判の良い優秀な弁護士さんの中でです」
もともと大学で法学部の友人が多かったミズホさんは、コネをたどって、理想のイケメン弁護士を見つけ出します。浮気やDVの話を聞いた弁護士も完全にミズホさんの味方に。「少なくとも、ウン百万をミズホさんが払う義務はないからね!」と。キラッキラの笑顔で力強く宣言してくれたそうです。
理想のイケメン弁護士(イメージ)
「いざ裁判が始まったら、あとは全て弁護士さん任せ。最初に証拠を揃える作業は大変でしたが、その甲斐(かい)あって、裁判では彼をフルボッコにできたみたいです。生で見てないので“イケメン弁護士作戦”が効いたかどうかは謎ですけど、場面を想像するだけでプププってなってました(笑)」
裁判での彼の反論は支離滅裂(しりめつれつ)で、「あの女は会社の上司の愛人をしていた」「式場の契約書は偽造で、婚約していたのは他の男」「俺は遊ばれて捨てられたのに、金を巻き上げられそうになっている」……など、あきれるような作り話ばかりだったとか。
「デタラメにしても気分悪いですよね。だけど弁護士さんはいつも、彼のダサい髪型や服装へのツッコミ、おバカすぎる反論にどう返したかの報告など、私が笑える話をクッションにしながら明るく話してくれたんです。本当に救われましたね」
かなり深い精神ダメージを受けていたミズホさんでしたが、彼とのことは早く忘れたほうがいいと判断した弁護士さんの気遣いで、徐々に元気を取り戻していきます。
そして半年あまり経ったころ、弁護士さんから連絡がありました。