四国愛媛といえば道後温泉にみかんが有名ですが、いえいえ鯛めしを忘れてはいけません。宇和島市が発祥の地とされる鯛めしは鯛の刺身と溶き卵を用いて豪快に食べる贅沢な郷土料理です。松山市内でいただく絶品の鯛めしはいかがですか。
宇和島発祥の鯛めし
鯛めしの起源には様々な説がありますが、主にはその昔宇和島市を拠点とした海賊の料理という説が有力と言われています。
この鯛めしには大きく分けて2つの流れがあります。愛媛県の東部である東予と中部の中予地方では鯛とご飯を一緒に炊いた、いわゆる炊き込みご飯の鯛めしが一般的です。
一方、宇和島を中心とする愛媛県南部の南予地域は鯛を刺身でいただきます。醤油と生卵の入っただし汁に鯛の身、ゴマ、きざみねぎ、しその葉、海藻といった薬味を混ぜて、ご飯にかけていただきます。
【1】天然か、それとも養殖か、選べる鯛めし「丸水」
宇和島に本店を構え、松山市内と道後にそれぞれ店舗を持つ鯛めしの老舗が「丸水」です。母体となった会社は昭和以前から創業、戦後すぐに同店の初代が継承し、現在の「丸水」の流れを作ったといわれています。新鮮な素材と秘伝のたれが県内外から高い評価を得ています。
とりわけ、鯛は一本釣りの天然真鯛と養殖の真鯛「鯛一郎君」を選べることができます。希少な仕入れの天然ものともちもちの食感が群を抜く養殖もの、どちらも甲乙つけがたく、思わず悩んでしまうかも。なお天然真鯛は売り切れ次第終了となります。
ひと風呂浴びた後は道後店へ
「丸水」の中でも道後温泉からほど近いハイカラ通りにある道後店は、おしゃれな雰囲気で昼間はカジュアルな割烹、夜はおしゃれな居酒屋として利用することができます。天然真鯛の鯛めしはセットで2,100円、養殖の鯛一郎君は1,500円です。また、食べ比べセットと称し、天然真鯛と「鯛一郎君」の両方を味わえる欲張りなお膳は1,900円です。
選べるのは真鯛だけではありません。鯛めしの味を決定づけるたれ、そしてたれに混ぜる卵も各3種類が用意されており、選ぶことができます。3種のたれは同店の初代が作った「初代のたれ」、そして「3代目のたれ」に、道後店だけで味わえる「道後のたれ」です。卵は「美豊卵」、「紅花卵卵」、「媛っ子みかんたまご」の3種類。いずれも地元のブランド卵です。
郷土料理の数々も豊富に
宇和島の3大郷土料理といえば、サメの切り身を酢味噌で食べるふかの湯ざらし、千切りこんにゃくと魚そぼろ、そして薬味を和えるふくめん、そして雑魚をすり身にしたじゃこ天です。
「丸水」ではこの珍味を一度に堪能できる「宇和島セット」(750円)が大好評。お酒のおつまみにも最適で、絶対に外せないメニューです。
自家製ジュースにみかん酒、地酒、クラフトビールも豊富
郷土料理の数々ばかりでなく、「丸水」はドリンクでも楽しませてくれます。特におすすめが自家製のジンジャーエール(500円)。鯛めしとの相性抜群!とお店も太鼓判です。また、自家製の「みかん風味のレモネード」(500円)もさすがみかん処の愛媛県の本領発揮といったところでしょうか。
みかんといえばお酒もふんだんに用意されています。生絞りみかんビール(600円)にみかんの酒(600円)は愛媛県ならでは。左党も思わず唸る味わいです。一方、じっくりとお酒を楽しむなら、やはり地酒ですね。地元松山の造り酒屋、桜うづまき酒造「大吟醸 坂の上の雲(1,800円)」、愛媛県の酒米「しずく媛」を使用し、愛媛のゆるキャラ「みきゃん」とコラボした「純吟しずく媛 みきゃん(550円)」などなど、豊富に取り揃えています。
この他、後地区唯一の造り酒屋、水口酒造の「道後ビール」は切れ味すっきりのケルシュ(800円)と爽やかなバイツェン(800円)が用意されています。