元は児童文学作品として誕生し、スタジオジブリの映画化したことで知られる「魔女の宅急便」。この記事では、不朽の名作「魔女の宅急便」に登場する個性豊かなキャラクターたちをご紹介します。キキの周りで様々なドラマを見せてくれる彼らについて詳しくなることで、よりこの作品を深くまで味わうことができるはずです。
魔女の宅急便とは
魔女の宅急便とは、角野栄子の手がけた児童文学作品です。この原作を元に、1989年スタジオジブリがアニメ映画化に踏み切りました。さらに、2014年には清水崇監督が実写版の映画を制作しています。
魔女の宅急便の基本あらすじ
主人公のキキは、13歳を迎えた時魔女になることを決意します。しかし、彼女が使える魔法は箒を使って空を飛ぶことだけです。愛猫のジジと一緒にコリコという街に着いたキキは、魔法を生かして宅急便屋を始めます。
ただ物を運ぶのではなく、そこに込められている人の思いも運ぶという使命感を持ち、この仕事にやりがいを見出していました。
一年が経ち、色々な物を運ぶようになっていたキキは、ある一通の黒い手紙を運ぶように依頼されます。そこで、キキは知らず知らずのうちに人の悪意も運んでいるかもしれないと思うようになります。
思い悩んだ彼女は、世界を広げるために何か始めようと思い立ち、母のコキリに「くしゃみの薬」の作り方を教えてもらいます。そして宅急便の看板の横に「くしゃみのお薬お分けします」と書いた看板を掲げるのでした。
四年が経ち、16歳になったキキの元にケケという少女が転がり込んできます。しかし、彼女が来てからというもの、キキの周りでは奇妙なことが起こるようになるのでした。愛猫のジジまで様子が変わってしまい、やがてキキはケケと衝突するようになります。
しかし、キキは本当の気持ちに気がついたことで成長したのでした。17歳を迎えたキキは、、夏休みに出かけたきり帰ってこないボーイフレンドのトンボから手紙を受け取ります。そこには「山で調べ物をするからコリコには帰れない」と書かれていました。
会えない寂しさで落ち込むキキは、仕事でも失敗をしてしまいます。それでも、頻繁に手紙をくれるトンボの心に触れてキキの内面にも変化が現れます。キキはトンボのいる山に行き、彼との時間を過ごしたことで仲を深めます。
19歳になったキキは、トンボと会えない日々が続いていたことでモヤモヤしていました。ジジにも八つ当たりしてしまいますが、ジジの様子がいつもと違うことに気がつきます。知らない間に、ジジには白猫の恋人ができていたのでした。
一方、キキはドレスデザイナーのサヤオという青年に出会い、彼のドレスの美しさに感動したことで彼のファッションショーにも出演しました。そんな中でもトンボへの思いは変わらず、二人はキキが22歳になった時に結婚します。
それから13年の月日が流れ、ふたりの子供も大きく成長していました。男の子のトトと女の子のキキは双子ですが、性格が真反対です。元気なニニは魔女に興味がありませんが、静かなトトは魔女に興味を示します。しかし、性別が違うために魔女になれないことを嘆いていました。
13歳になった二人は、それぞれ親元から旅立ちます。ニニはなんとか魔女の修行をスタートさせ、トトは「半分魔女」としての生き方を選びました。
魔女の宅急便の登場人物・キャラクター【主人公の家族】
ここで、魔女の宅急便に登場するキャラクターたちをご紹介します。まずは主人公の家族からです。キキとその周囲にいる彼女の家族たちについて、まずはチェックしてみましょう。
登場人物①キキ
本作の主人公キキです。魔女の血を引く少女で、魔法を使って空を飛ぶことができます。また、黒猫のジジと会話できる能力も持っています。魔女のルールには、「13歳になったら1年間、魔女のいない見知らぬ土地で修行する」というものがあり、これに則ってジジとともにコリコの街へ飛び立ちます。
そこでおソノとフクオの経営するパン屋に居候させてもらうことになり、宅急便の仕事をこなしながら街の人たちとの触れ合いをスタートさせます。
魔女ではあるものの、おしゃれに憧れたり都会を夢見たりするなど、普通の女の子と変わらない感性の持ち主です。原作ではロングヘアーでしたが、作画が難しかったことから映画の中ではショートヘアになっています。
登場人物②コキリ
キキの母親、コキリです。魔女としての力は優れている彼女ですが、使えるのは空を飛ぶ魔法と薬草から薬を作る魔法のみです。キキは空を飛ぶ魔法しか使えないことからも分かるように、世代が下るごとに、どんどん魔女の使える魔法が少なくなってきていることを嘆いています。
少しおっちょこちょいな一面があり、薬草から薬を調合しているとき、ミスをして爆発させてしまうというシーンが何度かみられます。映画の作中では名前を呼ばれることはありませんが、自宅の前に「魔女にご用の方は ベルを鳴らしてください コキリ」という張り紙が貼られていることで名前がわかります。
登場人物③オキノ
キキの父、オキノです。大切に育てたキキのことを優しく送り出します。原作では魔女や妖精を専門とする民俗学者で、映画の中ではこのことに触れられていないものの、イメージアルバムのブックレットにはこの設定が引き継がれていることが書かれています。
作中ではキキに対して「いつの間にこんなに大きくなっちゃったんだろう」と語るシーンがあり、二人の親子愛を感じさせます。「オキノ」とは、苗字ではなく名前です。
登場人物④ジジ
キキと共に修行に旅立った相棒の黒猫です。原作では、魔女の女の子が生まれると、同じ月日に生まれた猫を探して一緒に育てるという風習の描写があります。こうすることで、女の子と猫はかけがえのないパートナーとなり、いつの間にか二人は会話までできるようになるのだといいます。
喜びも悲しみも分かちあえるパートナーがいることは、魔女にとってとても心強いことになるのです。ジジはちょっぴり生意気な男の子で、キキと同じ13歳です。ジジに言葉を話せる能力があるというわけではなく、キキが魔法の力で彼と会話をしています。