5.犬の便秘が治らない場合に病院に連れていく目安

前述にもあるように、1日に平均で1~3回の排便をする犬にとっては、2日間うんちが出ない状態は便秘といえるでしょう。さらに3日目も出ない場合は動物病院へ連れていき、獣医師に診てもらうことをおすすめします。
また、うんちが出ていたとしても、普段と比べて水分が少なくてコロコロしている、うんちの出し方がいつもと違う(排便時に震えている、いきんでいる、鳴き声を上げている)などの様子が見られば、早めの受診をしましょう。

うんちが出ないだけでなく他にもこのような症状がみられる場合も、動物病院へ連れていく目安となります。

  • 発熱している
  • 嘔吐する
  • おなかが張っている
  • 元気がない・ぐったりしている
  • 肛門や会陰部から臓器が出ている

6.犬の便秘の予防方法

便秘の症状はとてもつらいものですよね。
うんちを出したくても出せない…そんな苦しみを愛犬が味わう前に、できる限りの予防をしましょう。愛犬の便秘を防ぐためにはどんなことができるでしょうか。

予防方法① 十分な水分補給

暑い季節だけでなく、冬場もしっかりと水分が取れているかを気にかけるようにしましょう。水は一日に二回ほど取り換えることも大切。常にきれいなおいしい水が飲めるようにしておくと、愛犬もすすんで水分補給がしやすくなります。

予防方法② 定期的な運動を心がける

便秘対策だけでなく、愛犬の健康維持のためには不可欠な運動。散歩やドッグランなど定期的に体を動かす習慣をつけましょう。

予防方法③ 適度な食物繊維を与える

野菜(茹でたキャベツやイモ類など)や食物繊維を多く含んだ市販のドッグフードなどで、日常的に適度な食物繊維を摂取する習慣をつけましょう。

予防方法④ 適切な飼育環境と心のケアを心がける

トイレはいつもきれいな状態にしておく。引っ越しやトイレの移動などが発生した場合は、寄り添いながら少しずつ慣れさせる。など、ストレスのかからない生活が維持できるようケアしてあげましょう。

予防方法⑤ 誤飲防止を心がける

小さなおもちゃや小物などが床に転がっていませんか?犬にとっては消化しづらい飼い主の食べ物が落ちていたり、ぬいぐるみを強くかきむしって遊んでいる時も要注意です。誤飲や異物の混入は飼い主の注意で防げるもの。十分注意を払って、愛犬のおなかのトラブルを守りましょう。

7.犬の便秘についてよくある質問

【獣医師監修】犬の便秘の原因とは?対処方法や注意点を解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

Q1.ヨーグルトやオリーブオイルは与えてもよい?

ヨーグルトは、砂糖不使用のプレーンタイプであれば人間用のものでも与えてOKです。与える量は獣医師に相談するのがベストですが、どんなに多くても大さじ1杯程度の少量にしましょう。
また、オリーブオイルも問題はありませんが、腸内で吸収されてしまうことから与え過ぎには注意です。排便をスムーズにするために与えるのであれば、腸で吸収されない医療用の潤滑油もあるため獣医師に相談しましょう。便が硬くなって排泄しづらいときでも、腸を傷つけることなくスムーズに出す手助けをしてくれます。

Q2.サプリメントは有効?

日常的に腸内環境を整える、いわゆる“腸活”のためにサプリメントを活用することができます。腸活が習慣になっていれば便秘を引き起こすリスクも減るため、予防としても有効に活用できるでしょう。また、万一便秘になってしまってからでもサプリメントは効果が期待できます。刺激の低い便秘薬「酸化マグネシウム」などもあるので、獣医師に相談してみるとよいでしょう。

Q3.どうやって水を飲ませればよい?

水分を取って欲しいけれどなかなか飲んでくれない…そんなときはごはんをウェットフードにしてみましょう。ウェットフードは水分含有量がドライフードに比べ大変高いので、効率よく水分を取ることができます。また、ドライフードに水分を含ませるだけでは食べてくれないときは、その水分をささみや野菜の茹で汁などにしてみると、香りが立ちよく食べてくれるかもしれません。

8.まとめ

犬が便秘になる原因はさまざま。おうちのケアで少し様子を見てよい場合もありますが、3日もうんちが出ない状態が続くようなら動物病院へ連れていきましょう。

うんちが出ていない状態を長い間放っておくのは、便秘の悪化のみならず、病気の発見を遅らせてしまうこともあります。元気がない、嘔吐するなど他にも症状がみられる時もすぐに病院へ。自己判断で放置したり、自己流のおうちケアを続けるようなことはせず、獣医師への早めの相談がベストです。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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