人々の生活に深くかかわる業界は常に業績好調だというイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。実は、生活に深くかかわる業界の中にも不調な業界があります。今回は、実は好調ではない業界とその背景について詳しく紹介します。

家電業界

家電業界といえばエアコンやテレビ、冷蔵庫など生活に必要な製品を取り扱うため、常に好調なイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、現在、家電業界は業績伸び悩み傾向であり、製品それぞれの業績の差も顕著に表れています。例えば、エアコンやテレビの売上は好調でもカメラやパソコンは不調など製品の種類で業績が異なります。

そもそも、家電の価格帯はテレビなどの値段を見るとわかる通り、同じ商品でもサイズや性能によって幅があり、家庭の経済状況に見合った額の商品を購入することが多いでしょう。また、買い替えの頻度が少ないため、よほど画期的な家電が発売されない限りは、業績が大きく伸びることはないと考えられます。増税前は駆け込み需要で業績が一時的に大きく上がりましたが、オリンピックやキャッシュレスポイント還元の終了後は業績が落ちることが予想されます。

証券業界

2018年の米中貿易摩擦の影響で証券取引の数が大きく低迷しています。例えば、野村ホールディングスは2019年3月期の1,000億円以上もの赤字に転落しました。さまざまな証券会社の業績が不調です。このように証券会社は世界経済の影響を受けるため、好調と不調の差が激しい傾向があります。2020年も1月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で企業の業績悪化や世界経済の悪化が進み、証券取引が低迷することが予想されます。

紙パルプ業界

紙パルプ業界といえば身近な紙製品やトイレットペーパーなどを取り扱うため、常に好調なイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。実は、リーマン・ショック後の2009年以降、紙・パルプともに需要が減少傾向です。その背景には、人口減少や少子化、情報の電子化があると考えられます。同時に生産量も減少傾向にあり、今後も回復の見通しがありません。