社内の反応も肯定的だった
開発の様子
――さまざまな悩みを知ったうえで、どのようにして快適に着用できる下着を開発したのですか?
新聞で既存のお取引先であるメーカーさまが、トランスジェンダー当事者の方々と共に当事者に向けた商品を企画し始めていることを拝見しました。話を聞いてみると、商品をつくるノウハウはあるけど、完成した商品をどこで販売するかがわからないとおっしゃってたんですね。
そこでas isを立ち上げた2020年4月に、そのメーカーさまの商品を第一弾として公開しました。そして、ニッセンのインナーづくりの経験を活かし日用的に着用できる商品をつくりたいという想いで、自社オリジナル商品の製作も開始しました。
――マイノリティ向けの商品は購買層がどうしても狭くなると思うのですが、社内の反応はどうでしたか?
インナー部門は、お客様の体や心の悩みをインナーで解決することを目標としています。例えば、10Lサイズまでを展開したプラスサイズの女性に向けた『スマイルランド』や、トールサイズの女性に向けた『スラットジール』といったブランドはすでに展開しており、いわゆるマイノリティとされる人たちを含め、すべてのお客様に心地いい商品とサービスを提供することは常に心がけていることです。なのでas isの話が出たときも、社員は「いいね!」と言ってくれました。
現在、製造をおこなっているメーカーさまに興味を持つ会社は、弊社以外にも何社かあったのですが、最終的な承認が社内で得られず、やらないことを決断していたそうです。やはり社会問題を扱うことはそれほど難しいことだと実感しています。だからこそ、責任をもって当事者の声を反映させた商品を展開させていきたいですね。
「as is」のページは都内クリニックの医師が監修
――具体的にどのような点に気をつけていますか?
取り扱い方には注意するべきだと話しています。特にSNSでは誹謗中傷は珍しくなく、as isを始めた当初もいくつか目にしました。投稿する方はごく一部なのですが、誹謗中傷により当事者の方々にas isとしての想いが伝わらない可能性も考えられるので、私たちも発信には気をつけなければならないと感じています。
――情報を公にする前に、当事者によるチェックもおこなわれているのですか?
そうですね。as isのページをつくったときは、トランスジェンダーの方が多く通われている都内のクリニックの先生に監修していただきました。あとは実際に当事者の方にお話を伺い、適切な表現や言葉の選び方などのアドバイスをしてもらっています。